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小沢征爾さんの思い出 (11) <努力家の小沢さんはボストンでも超人気者 見知らぬ人がワインを>

2013年01月18日

ボストン響の客演指揮者として登場し、2週間あまりボストンに滞在した小沢征爾さん。

あるコンサートのあと、「ツチダ、一杯やろうか・・・」と誘ってくれ、
シンフォニー・ホールの近くのレストランに行きました。

席に着き、メニューを見ていると、店員がワインを一本持って来ました。

まだ何もオーダーしていないのに・・・

二人がけげんな顔をすると、店員は店内の一角に目をやり、

「あちらのお客様からです。」

見ると、中年のご夫妻が、こちらを見ながら笑顔でご自分のワイン・グラスをかかげ、
乾杯の仕草をしていました。
おそらく、そのご夫妻はコンサートを聴いた帰りなのでしょう。

& ボストン・シンフォニー・ホール。

スマートなプレゼント・・上品な態度・・・
お帰りの際は、僕達のテーブルのすぐそばを通りましたが、
疲れている時には面倒な写真撮影や、握手を求めることもなく、笑顔でただひとこと・・・

「NICE CONCERT!」・・ 小沢さんは、ボストンでも超人気者・・・

彼の指揮ぶりが、多くの人を惹きつけ、感動を与えるのは、
彼が持っている才能だと言う人もいらっしゃいますが、
彼の才能は自らの努力によって花開いたもので、僕は彼は努力家だと思っています。

僕の長いオーケストラ活動の中で、彼ほど勉強する指揮者に出会ったことはありません。
新しい奏法を駆使した複雑な新曲でも、楽団員の質問にテキパキと答え、
どんな大曲でもスコアの隅々まで勉強し、暗譜で指揮をする・・・

夫人のお話では、欧米のコンサートは開演・終演時間が遅いので就寝時間も遅くなる・・・

それでも、明け方、ホテルの部屋で何か気配を感じて目が覚めると、
床にあぐらをかき、薄暗い明かりの中でスコアをひろげて指揮の練習をしているという・・・

小沢征爾! 彼は、まれにみる努力家なのです。

つづく。


PS・・今後の公演スケジュールは、1月16日のブログでお知らせしています。

& 被災地の子どもたちのために、「じいたん子ども基金」を開設しました。

● 北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660 
● 口座名 【東日本大震災支援 じいたん子ども基金】 代表 土田英順

● 基金の収支詳細は、12月31日のブログでお知らせしています。

ご支援、よろしくお願い申し上げます。

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プロフィール

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土田英順
つちだ・えいじゅん。日本フィル、新日本フィル、札幌交響楽団の首席チェロ奏者を歴任し、ボストン響およびボストン・ポップス響でも演奏。現在はソリストとして札幌を拠点に活躍するかたわら、2007年には役者デビュー。国内のみならず「春の夜想曲~菖蒲池の団欒~」では海外公演も果たす。73歳にして初めてパソコンを購入し、ブログの新世界で弓を引く。

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