« チェロを弾く役者「その4」 | メイン | チェロを弾く役者「その6」 »

チェロを弾く役者「その5」

2010年06月10日

「TPS」韓国公演の続編です。

札幌からソウルへ移動した日は、ホテルにチェックインした直後にロビーに集合し、
ソウルの、TPS公演関係者に劇場、稽古場などを案内していただきました。
夜は歓迎の宴会があり、
チェロを練習する時間が全くありませんでした。

翌日の稽古は13:00からだったので、
その前に2時間ぐらいは、練習しなければなりません。

韓国の劇団、「青羽(チョンウ)」の皆様が、
TPSのソウル公演を、サポートしてくださっていたので、
「青羽」の演出家、キム・カンポさんに、
「チェロが練習出来る場所を確保してもらえないか、、」と、お願いしてみました。

「明日は、我々の劇団の稽古場があいているから、
好きなだけ練習にお使い下さい。明朝、劇団員がホテルに迎えに行きます。」

ありがたき幸せ!練習が出来ないと、岡にあがったカッパ同然ですからね。

翌朝、約束の時間に現れたのは、
高級車に乗った、「青羽」の役者、キム・エリさんでした。

美貌で、やさしくて、礼儀正しい彼女は、
きっと、韓国でナンバー・ワンの人気役者なのでしょう。

108.jpg

ソウルの劇団、「青羽(チョンウ)」の役者、キム・エリさん。

撮影:高橋克己

「青羽」の稽古場に着くと、
ウンジョンという名の、かわいい女性劇団員が笑顔で迎えてくれ、
コーヒーを入れてくれました。

練習をはじめて1時間ぐらいすると、再びコーヒーを入れてくれて、
ありがたいのを通り越して、申し訳なく、親切が身にしみました。

韓国の人は、親切な人が多いですね。
ソウル近郊の議政府(ウィジョンブ)での公演のあと、
道路に出てタクシーを、さがしていた時のこと。
劇場の前の道路は、とても広いのですが、
タクシーが少ないのです。

しばらくすると、一台の自家用車が、ス~ッと目の前に止まりました。
助手席の窓が開いて、中年のご婦人が、

「タクシーを待っているのですか?」
「はい。」
「どこに行くのですか?」
「駅前のホテルまで。」
「お送りしましょう。お乗り下さい。」

運転席からは、男の人が出てきて、ドアを開けてくれました。

見知らぬ人に、このような親切は、なかなか出来るものではありません。

日韓の関係は、歴史認識にしても、竹島の領有権問題にしても、
ギクシャクする事があり、
なかなか解決の糸口が見えない状況のように思いますが、
市民と市民の関係は、友好的で平和そのもののように感じます。

ソウルでの、すべての公演が終わった日、
「青羽」のもう一人の看板役者、イ・ホンジェさんと、キム・エリさんは、
TPS劇団員の一人一人に、メッセージと記念品を下さいました。

小さなメッセージ・カードに書かれていたものは、お心がこもったものでした。

心に残るソウルでの思い出、「青羽」の皆さんの温かいおもてなし。

小さなカードに書かれた、たった一言のメッセージの中には、
お二人の温かいお気持ちが、いっぱい、つまっているように感じ、
今も大切に持っています。

「to。土田英順。おつかれ様でした。またね!
from、
Lee・Hun・Jae
Kim・Ye・Ri
PS。
You・are・very・very・すてき・かっこいい。!」

(原文のまま)

111.jpg

左、イ・ホンジェ。
右、キム・エリ。

2009年、「TPS」+「青羽(チョンウ)」提携公演、「蟹と無言歌」より。

札幌、シアターZOO

撮影:高橋克己

つづく。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.hokkaido-np.co.jp/mt/mt-tb.cgi/12428

コメント

英順さんおはようございます!

ブログ頑張ってらっしゃるのですね。すごい!!
国と国の間はギクシャクしていても、芸術文化を愛する心に壁はありませんよね。
今年、高校1年生になった姪っ子は、韓国が大好き。”留学”を夢見て、韓国語を習っているんですよ。若い人たちの柔軟な心を見習いたいです。

韓国の人たちがこんなに親切だなんて
知りませんでした!

素敵な経験ですね!

焼き肉を食べたくなってきました(^◇^)

えみさん、

みんなが親切になれば、

明るい世の中になりますね。

武智さん。

身体はトシをとっても、
若くて、柔軟な心は、
失わずにいたいものですね。

韓国で貴重な経験をして来られたのですね。
芸術家に敬意を払うこと、ためらいなく人に親切にすること、見習いたいですね

ふみさん、ありがとう。

人の心の痛みがわかるひと。

困っている人に手を差しのべる事が
出来るひと。

思いやりのある心を持ったひと。
そういう人がたくさんいると、世の中は
素敵になるでしょうね。

続編まってました!!

韓国の人々はほんとに親切な方が
多いですよね。
私も韓国に非常に興味があり
韓国語を勉強してましたよ☆

あやこさん。ありがとう。

韓国は近くて近い国。
それだけに、理解を深めて、
仲良くお付き合いしていかなければ
いけませんね。

今度、韓国語教えてくださいね。

こんばんは、いつもありがとう ございます。

英順さんの人柄が また、素敵な方を 周りに
呼ばれるんですね・・・。それは、きっと異国の地でも 一緒なのでしょう。私も いつか 自分の損得を抜きにした 楽しいお付き合いが、誰とでも出来るように 心して 毎日を過ごしたいと思います。

練習 頑張って下さい。

美春さん、ありがとう。

明るく、正直に、誠実に、、、
誰にでも出来ることですね。

みんながそうなれば、
明るい未来が開けるでしょう。

プロフィール

プロフィール

土田英順
つちだ・えいじゅん。日本フィル、新日本フィル、札幌交響楽団の首席チェロ奏者を歴任し、ボストン響およびボストン・ポップス響でも演奏。現在はソリストとして札幌を拠点に活躍するかたわら、2007年には役者デビュー。国内のみならず「春の夜想曲~菖蒲池の団欒~」では海外公演も果たす。73歳にして初めてパソコンを購入し、ブログの新世界で弓を引く。

ブログ内検索

カテゴリー

最近のエントリー

バックナンバー

コメント

トラックバック