消費税で考えること。

2018年12月20日

役所に勤めていた時、プライマリーバランスを守らなければと予算のシーリングに何の疑問も抱かなかった。

しかし、消費税のことをいろいろ読んでいると年金・医療保障制度の崩壊という「物語」の真偽が疑わしくなってくる。

政治経済学者の菊地英博氏(日本金融財政研究所所長)によれば、日本の国税収入に占める消費税の割合は24.4パーセント(消費税率5パーセント)。来年消費税率が10パーセントになると37パーセントに達するという。

これはイギリス21.1パーセント(同17.5パーセント)、スウェーデン18.5パーセント(同25.0パーセント)よりかなり高い。日本の消費税率は諸外国に比べて低いという「物語」に騙される。

何故こうなっているか。菊地英博氏によると消費税が法人税の減税分の埋め合わせに使われているからだという。

氏のデータでは消費税が導入された1989年から2014年までの25年間の消費税の累計は282兆円、同じ時期の法人税の減額累計は255兆円。実に9割が企業減税分にすり替わっていることになる。

財務省でこの辺りに携わっていた大学教授によると、背景に年金保険料の雇用主負担(労使折半)を巡る経済団体の"バーター論"があったという。事実だろう。

社会保障の財源に消費税を使っている国は無く、保険料と「累進所得税」が基本の基本と件の大学教授は述べている。金融所得に対する分離課税など、税の公平な負担から疑問点は多い。

「緊縮」がはたして経済成長に有効なのかも識者の論点になっている。

ジャーナリズムも野党も政府の「物語」に隠された根本的な問題をもっと提起すべきと思う。消費税率アップは格好の機会。決まったわけでない。

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