ドーピングの悲劇

2018年01月13日

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自転車旅のオフシーズン。壊れていた古い半袖ジャージのファスナー修理を暮れに出して戻ってきた。

重ね着の出来る半袖と長袖のレプリカジャージであり、メルカトーネ・ウノ』というイタリアのチームのエースであったマルコ・パンターニのファンだったので捨て切れない。

そのパンターニにドーピング疑惑が持ち上がったのは1999年。前年にツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアの"ダブル・ツール"を成し遂げた全盛期のことだった。

ジャージを眺めてそんなことを想い出していたら日本のカヌー競技で起きた前代未聞の不祥事がニュースで飛び込んできた。ライバルの告白がなければどうなっていたのだろうか。

観るスポーツ〟が盛んな時代になり、無縁なはずの政治的な利用、ファンの過度な欲求、歪んだ拝金・名誉主義に乗ったスポーツビジネス・・・等々の世界と無関係ではないような気がする。お互いの人生を変えてしまう恐ろしい出来事である。

パンターニは裁判では無罪となるが、世間の疑惑の視線を浴びて精神的な病に陥り、2004年2月14日に33才で急逝している。

ローマの小さなホテルの部屋には「4年間、全ての裁判を受け、他のスポーツ選手のようにいる希望を失った。」と書かれたメモが精神安定剤の空ビンとともに残っていたという。

20世紀最高のヒルクライマーにして、あまりに寂しい最後だったが、葬儀の教会には2万人が詰めかけたという。

奇しくも1999年からツール・ド・フランス7連覇を成し遂げたアメリカのランス・アームストロングにもドーピングの疑いが浮上し、彼は認めて記録が抹消された。

「全ては自己責任」ということしか防御出来ない薬物使用が巧妙に行われるスポーツ界は異常であり、立ち止まって真剣に考えなければ悲劇は繰り返されると思う。

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     マイヨジョーヌを着てチームメートとパリ凱旋をするパンターニ

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