映画『否定と肯定』

2018年01月11日

ナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺は無かったとするイギリスの作家とそれを否定するアメリカの大学のユダヤ人女性教授。2001年に実際にあった法廷闘争を描いた映画『否定と肯定』が札幌狸小路6丁目のシアターキノで封切り上映されている。

ホロコーストについて詳しい知識は無いが、強制収容所から奇跡の生還を果たしたウイーンの精神医学者フランクルの『夜と霧』(1961年)を読んだことがあり、作家の主張は荒唐無稽な話である。

しかし、大学教授は作家に名誉毀損で訴えられ裁判となった。イギリスの名誉毀損裁判は、訴えられた方に反証義務があり、弁護士チームは理不尽な主張をひとつひとつ潰してゆく。

信ずることを押し通すための証拠のねつ造や偽証を検証することは出来ても、その主義、主張を心底信じている者を嘘つきと呼べるのかと問われると答えに窮する。フランクルの著作さえ「事実でない。」と言われるようなものだ。そこで弁護士チームはある種の法廷戦術を駆使する・・・。

先般のアメリカ大統領選挙の頃から『フェイク(偽物、模造品、まやかし)』という聞き慣れない言葉が飛び交い始めた。20年近く前の出来事に、ともすれば何が真実なのか分からなくなる今の時代が重なる。

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