選挙の効用

2017年10月28日

間もなく辞任する民進党の前原代表が"All for  All"と言い、希望の党・小池代表が"ベーシック・インカム"と言ったとき、『分断社会を終わらせる。』(井出英策ほか共著)が思い浮かび、総選挙期間に読み返した。

経済成長に頼って生まれる限られたお金。相手を選別して配ると様々な分断を生む。〝低所得者を含め、皆、広く負担をし、富裕層も含め、皆、広く給付を受ける〟という社会システムがいよいよ検討されるのかなと期待したから。600億円も浪費して分けの分からない選挙の効用だった。

しかし、討論でも演説でも見聞きした限りでは政策の中味は何も無かった。無理筋の解散は小選挙区制度の欠点を再び浮かび上らせるだけで、今はもう"政局"ばかりに話が移っている。

あらためて読んでみて、「果たして信頼出来ない政府に対して人びとは納税したいと思うだろうか。」という井出らが投げかけている根源的な疑問が深まった。

『財政』は経済成長の道具ではなく、人間らしい「生」の基礎を整えるものだという若手経済学者の主張が育つには、劣化が激しい政治風土の肥沃化が必要だと思う選挙だった。

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