さよなら100年旅館

2017年09月07日

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近くに洞爺湖温泉、登別温泉を控えながら温泉の原点とも言うべき湯治場に拘って130年の「蟠渓温泉伊藤旅館」(ひかり旅館)が10月をもって閉館する。 自転車スタイルを競技系から今の"旅姿"に変えて随分とお世話になったので寂しい限りである。

2泊ツーリングで訪ねた。初代が明治17年に出身地の金沢から宮大工を呼んで建てたという。玄関と母屋に開湯時の面影が残っている。

長流川の底から湧き出る無色透明の「食塩石膏硫化水素泉」はその昔アイヌの人々が湯浴みに使っていたという。単刀直入の物言いだが根は優しいオヤジさん、忍耐が着物を着ているような農家生まれのおかみさん。素朴な家庭料理。夜は近くの人がカラオケに集まる社交場でもあった。

オヤジさんは旅館の3代目から委託を受けて17年間、お湯を守ってきたが70才後半となり体力的に区切りをつけた。

香川県から車で来たという72才の旅行者と3人で飲んでいて、家族経営の旅館業には「休み」というものが全く無いことを改めて思った。会社組織の"働き方改革"とは無縁である。

『元々の生業だった米づくりの時でも年に数日は温泉に行けた。旅館は365日休みは無い。せめてこれからは妻と二人で旅行がしたい。』オヤジさんはホっとし、嬉しそうだった。

そうか、オヤジさん夫婦の時間を使わせて貰っていたということか。最後は"星影のワルツ〝だった。

ひと昔もふた昔も前の温泉情緒が消える。有り難うございました。そしてお疲れ様でした。

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