浦島太郎のTPP

2015年07月30日

ハワイで開かれているTPP交渉の内容が断片的に報道され始めているので大筋合意するのかもしれない。

国際貿易ルールに定める品目毎の関税率を示した関税率譲許表は「乳製品」と括っても高関税のものは40やそこらに細かく分類されているから"重要5農産物"と言っても大雑把だが、いずれにしても「聖域確保の国会決議」はあっさりと反故にされ、これから発効までの2年くらいは農家支援策に話しが移るだろう。

決め事が都合の良いように解釈されるところは安保法制と同じだが、「原則関税撤廃」で交渉テーブルについていた国々が中途参入の日本に都合のよい結果を与えるはずが無いのは交渉経験者であれば最初から予想されることだった。ましてや脱退など出来るはずが無い。

自由貿易は世界の基本的な方向だと思う。問題は「農業の体質の強化」だ。関税を張ってその財源(消費者が負担)で国内対策を講ずるか、国民的理解を得て本格的な所得補償制度(税で負担)による持続可能な農業支援を行うか、どっちつかずの中途半端な対策はもう止めにすべきだ。

いささか浦島太郎だが、2014年2月のシンガポール閣僚会議が不調に終わってから、国も道も農業団体も事後策を語れないメンツと生産者向けのパフォーマンスに終始していたように思う。ハワイに乗り込むだけでも大変なお金だと思う。

農業団体は国の作った制度の修正要望をするだけでなく、自ら制度設計して国に提案するくらいの力量が必要な時代が到来したように思う。

 

 

 

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コメント

佐藤様。
私の故郷は稚内です。小中学校時代にジャガイモ休暇というものがありました。母校のピアノを買う資金を稼ぐため、名産のジャガイモ収穫作業をするアルバイトを(今から思えばよく教育委員会も許可したと思いますが(^_^;))しました。その後稚内市は酪農に転換しました。私の父は、農協の職員として、いろいろ頑張っていたようです。食べ物の価格は工業製品と違い、需要と供給の関係だけでは決めてはいけない面が多いと思います。安ければよいという方向を追い求めていると、気候の急変などで(大火山の噴火などもあります)食糧生産が長期間落ち込む恐れがあります。ですから、グローバルな経済関係の時代になっても、自国の食糧はまず自国で十分すぎるくらい生産するということが、国民の命と暮らしを守る上で最優先課題となると思います。エネルギーと食糧は、投機や金もうけの対象とすべきではないと思います。この点で、私の携わる医療にも同じことが言えると思います。TPPに対しては、私は農漁業と医療を守るために、大反対です。長々と書きましたがお許しください。

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