朗読って聞いたことある!?
2009年05月15日
道新文化センターで話し方と朗読を教えている村井裕子先生から
受け持っているクラスの生徒さんを集めて行う『朗読発表会』があるから聞きに来ませんか?
とお誘いを受けました。
結婚式のスピーチや会社のプレゼンなど、社会人になれば大勢の人の前で話す機会は年に何度かはありますよね。
でも、大勢の人前で詩や物語を「朗読する」となると、プロのアナウンサーや芸能人でない限り、その機会はゼロに近いでしょう。
「朗読を聴きに出かける」なんて、これまでの人生の中ではなかった経験です。
こんな機会はめったに無い!よし行こう!
そんなわけで、某日、朗読発表会にお邪魔してきました。

ロビーの案内板に『2009春の朗読祭り』の文字を見つけ、いざ会場へ。
「祭り・・・!」と一瞬お祭り女の血が騒ぎつつも、カメラ片手に静かに会場に足を踏み入れると
豪華なシャンデリアの下にいくつかのテーブル席が用意され、既に来場していた方たちが談笑していました。

く~っ!まぶしいっすねぇ、シャンデリア!!チカチカします・・・。
発表を控えた方たちが舞台に上がり、事前の打ち合わせをしています。

何だか緊張感が伝わってきますよね~!私もつられて少しばかり緊張してきました。
実は、談笑していると思っていた先ほどの方たちは、朗読を発表の出番を待つ方たちでした。
村井先生が一つ一つのテーブルを回り、開演までのわずかな時間も、生徒さんとの打ち合わせに余念がありません。

村井先生がマイクの前に立ち開演のご挨拶、いよいよ朗読祭りが始まります。

『いつも授業では、発音や発声に注意するように言いますが、実は朗読って決まりはないんです。
朗読するその人自身の声からにじみ出てくるものが、聴く人を感動させるんですよ。』
なるほど~。技術的な問題ももちろんだけれど、一番大切なのは語りべのマインドなのね!と会場の後ろの方で一人納得。
緊張感漂う会場も、村井先生の『皆さん緊張していると思いますが、始まれば終わりますから!』
の一声にどっと沸き、幾分かリラックスムードに。
皆さん気持ちとお顔が少しほぐれた所で、発表スタートです。

さぁ、トップバッターは札幌道新文化センターの『朗読教室』初級クラスの皆さん。
新美南吉の「狐」を8人で朗読します。
タイトルを聞いて、いたずら好きの狐が猟師の兵十のもとにお詫びのしるしをせっせと運ぶ話を想像していましたが、今回の「狐」は全く別のお話でした。
まだ狐や狸が人を化かすと信じられていた時代。
お祭りの夜のある出来事がきっかけで、周りの友達から「狐に憑かれたのでは」と怖がられ距離を置かれてしまった、甘えん坊の小さな男の子とお母さんのお話です。
「もし僕が狐に憑かれてしまったとしたら、お母さんはどうする?僕のこと嫌いになる?」
と不安がる男の子。
お母さんは「それじゃあお母さんもお父さんも一緒に狐になるよ。猟師に追われたら、お母さんが捕まっている間に、急いで逃げるんだよ。」
と愛情たっぷりに返します。
何だかお母さんの深い深い愛と、親子の絆の力を感じ、会場の後ろの方で一人胸がじーんと熱くなってしまいました。
そして皆さんが朗読する声を聞きながら、自分がまだ小さかった頃、布団の中で母親に絵本や童話を読んでもらった記憶が蘇ってきました。
怖い話はもっと怖く、楽しい話はもっと楽しく、悲しい話はとことん悲しく、物語の世界に引き込んでくれる夜の絵本タイムが大好きでした。
自分で読むよりも、お母さんに「おはなし」してもらう方が面白いと感じるから不思議です。
やっぱり話す人の声からにじみ出てくるものがそうさせるんでしょうか。
皆さんの朗読を聴いて胸がじーんとしたのも、物語の筋だけでなく、そんな「人の声」が持つ力のせいかもしれません。
初級クラスの皆さんの朗読を聞いた村井先生、
「聞いていて、どうしてこんなに手に汗をかくんだろうというくらいハラハラしました。でも、半年でこんなに人って変わるんだなと思います。」と、発表した方と同じくらい「ほっ」ているようでした。
先生によると、発表会当日の午前中の授業にはピリピリと緊張感がみなぎっていたようです。
先生の仰るとおり、「始まれば終わる」ものですね。
皆さん達成感で溢れているような表情をされていましたよ!

この後も、村井先生が持っているクラスの生徒さん発表が続きました。
長~くなってしまうので省略しますが、皆さんそれぞれの朗読、とても素敵でした。
当たり前ですが、それぞれが違う声、抑揚で個性的です。
そして驚いたのが、中級クラスの方々のお上手なこと!
もちろん、初級クラスの方の朗読もお上手ですばらしいのですが、また更に上を行くレベルの高さ。長い物語を「長い」と感じさせずに聴かせてくれます。
いや~、「聞いてみよう」くらいの軽い気持ちでお邪魔しましたが、朗読って奥深いですねぇ。こんなに面白い世界だとは思っていませんでした。
ただ一つ残念だったのは、時間の都合で肝心の村井先生の朗読を聞けなかったことです!
残念!!
今度の朗読祭りは、先生の朗読も聞けるようにばっちり時間調整しなくちゃ!(生)

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