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最後は「青さん独断のベストテン」

2009年03月30日

 今回で、「青さんの温泉出会い旅」は終了です。これまでご愛読いただきました皆さまに、心から感謝申し上げます。
 最後は、私の好きな温泉ベストテンです。これは、あくまで私の個人的な好みです。施設が古かったり、接客が洗練されていなかったりするところがありますし、女性には利用しづらい混浴浴槽が主浴槽になっている場合もあります。そこは、お許しください。

 また、客室に露天風呂が付くような特別な部屋は別として、1泊2食が3万円も4万円もするような道内の高級温泉宿は、縁がなく評価ができませんので対象になっていません。

■私の好きな宿ベスト10
 ①養老牛温泉・湯宿だいいち…滞在が楽しくシマフクロウに会える確率が高い。

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湯宿だいいちにはいろいろな露天風呂がある

 ②上ノ湯温泉・銀婚湯…ぜひ、広い敷地内の、宿泊者専用の隠し湯巡りを。

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銀婚湯の外観

 ③旭岳温泉・湧駒荘…名湯の正苦味泉(しょうくみせん)の湯は最高。
 ④ぬかびら源泉郷・山湖荘…居心地のいい和風モダンの宿。4月19日まで改装でお休み。
 ⑤雌阿寒温泉・野中別館…野鳥のさえずりと赤エゾ松の甘い香りに包まれる朝は最高。
 ⑥ホテル福原別館・山田温泉…然別湖の北、6月~10月だけ営業する名湯。

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6月から10月までしか営業しない山田温泉

 ⑦新見温泉・新見本館…伝統の湯治宿。朝日に輝くやまやまを眺めて入る露天が好き。
 ⑧八雲温泉・おぼこ荘…町営から民営になりサービス向上。囲炉裏(いろり)料理がいい。
 ⑨鹿部温泉・鹿の湯…料亭の伝統を受け継ぐ和風旅館。海の幸を堪能できる。

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純和風旅館の鹿の湯

 ⑩北湯沢温泉・御宿かわせみ…施設は古いが、おかみさんの気遣いと河原の露天風呂がいい。

■好きなお湯ベストテン
 ①ニセコ五色温泉旅館…硫黄の香りが漂う、火山の恵みいっぱいの濃い湯。

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大好きなニセコ五色温泉

 ②旭岳温泉・湧駒荘…5つの源泉から4種類の湯。特に正苦味泉は名湯。
 ③ニセコ薬師温泉…湯船の下からわき出る新鮮な湯はみごと。

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湯船の底からわき出るニセコ薬師温泉

 ④モッタ海岸温泉…食塩硫化水素泉でラジウム泉。飲むと塩加減がよくおいしい。
 ⑤湯の川温泉・日乃出(ひので)湯…主浴槽は46度と熱く、私は10秒が限度。
 ⑥北見温泉・ポンユ三光荘…トロリとして、つるつるする湯が心地いい。
 ⑦川湯温泉・湯の閣…道内一がつんとくる強烈な酸っぱい湯。
 ⑧幌加温泉・ホロカ温泉旅館…浴室は解析物が堆積して鍾乳洞のよう。
 ⑨豊富温泉ふれあいセンター…石油混じりの濃い食塩泉は肌触りがとても優しい。

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石油混じりで肌にやさしい豊富温泉

 ⑩愛山渓温泉・愛山渓倶楽部…金気臭があり少しきしきしする湯。

■番外編(順不同)
 ・いとう温泉…支笏湖の湖面が目の高さ。チップのおいしい初夏と、紅葉の秋が好き。

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いとう温泉の露天風呂から風不死岳を望む

 ・コタン温泉露天風呂…美しい屈斜路湖の風景は見飽きることがない。

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冬のコタン温泉露天風呂にはハクチョウがやってくる

 ・コタン温泉・丸木船…休止中のアイヌ詩曲舞踏団「モシリ」のライブが聞きたい。
 ・鶴居温泉・グリーンパークつるい…タンチョウ観察の拠点に最高。湯もいい。
 ・羅臼・熊の湯…女性専用もある露天風呂。ちょっと熱いが野趣たっぷり。
 ・然別峡・鹿の湯…混浴ですが渓流にせり出してつくられた露天風呂がいい。
 ・登別温泉さぎり湯…登別温泉街にある温泉銭湯。湯の質は折り紙つき。
 ・幌加温泉・鹿の谷(かのや)…泉質抜群。エゾシカに会える。
 ・十勝川温泉・はにゅうの宿…肌がつるつるする褐色のモール温泉。
 ・野付温泉・浜の湯…上空をカモメが舞う、漁港のそばの銭湯。

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野付温泉・浜の湯の露天風呂

 このブログを訪問されたすべての皆さま、取材にご協力いただいた皆さま、コメントや励ましのメッセージを寄せていただきました皆さま、北海道新聞社メディア局の皆さま、大変お世話になりました。この場をお借りしまして心よりお礼を申し上げます。長い間、ありがとうございました。

お風呂での「謎の水死」にご注意

2009年03月19日

 日本では、1年間に14000人も、お風呂で亡くなっています。もちろん、その中には温泉も含まれていて、実は、私の親せきも1人、旅先の温泉の大浴場で倒れてしまいました。宴会でお酒を飲み、酔ってご機嫌だったそうです。
 これまでは、寒い浴室と熱い湯という急激な温度変化で血圧が上がり、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中を起こすと考えられていました。
 ここからは、NHKが、今年の1月29日に放送した「ためしてガッテン」によるのですが、実は最近の研究で、このような原因であるとハッキリ言えるのは1割程度で、ほかの1万人以上が、浴槽で、ほとんど肺に水が入っていない「謎の水死」をしているというのです。番組を見た人も多いのではないかと思いますが、安全な入浴のために、とても示唆に富む内容でしたので、その一部ではありますが、ご紹介します。

 この番組によると、危険な湯とは、42℃~43℃という熱めの湯です。
 40℃以下のぬるい湯に入った場合は、血圧は入浴直後から、ゆっくり低下していきます。これは、体がゆっくり温められ、抹消(まっしょう)血管が徐々に拡張していくからです。

 ところが、42℃~43℃あたりの熱い湯に入ると、体が熱に驚いて末梢血管を収縮させ、血圧が急上昇します。これは、生体の「驚がく反応」で、これが引き金で、心筋梗塞や脳卒中を起こすこともありますが、問題は、その後なのです。

 いったん急激に上昇した血圧が、今度は、8分間以上も下がり続けます。
番組が行った、健康な成人男性を使った入浴実験でも、入浴直後に120ぐらいまで上がった最高血圧が、8分後に90まで下がってしまいました。
 低血圧症の診断基準は最高血圧が110~100以下とされていますから、これは異常値です。最高血圧が100を切ると、意識障害が起こる可能性があるそうです。
 これは、「驚がく反応」の反動で、人間の体の習性が、上昇した血圧を下げようと働くからです。

 このようにして、異常な低血圧が起こると、脳に血液が行きにくくなり、意識障害(失神)を引き起こす可能性が高くなるというのです。「気持ちのいいのぼせ感」が失神につながる恐れがあるわけで、「気持ちよく、風呂で眠ってしまった」というのは、こうした原因が考えられるそうです。
 これは、まずいですね。
 で、「謎の水死」には、このメカニズムが働いていると考えられるのだそうです。
 風呂で意識を失った状態で、肺に少量の水が入ることが引き金になって、ショックを起こし、心臓が止まるというのです。怖いですね。

 では、道南地方の温泉にある46℃~47℃というような、高温の湯の場合は、どうなのでしょう。血圧は急激に上がるものの、血圧が下がり過ぎるほど長時間入っていられないので、「謎の水死」の危険は考えられないそうです。
 では、どういう人が危険で、どうすればいいのでしょうか。番組によると、以下のような注意が述べられています。

●入浴死のリスクの特に高い人
 熱い風呂が大好きな人(驚がく反応の結果、血圧低下を起こしやすい)
 動脈硬化のある人(血管にしなやかさがないため、血圧が急上昇・急降下しやすい)
 高血圧の人(もともと血圧が高い人ほど、下がるときの幅も大きい)
 65歳以上の人(動脈硬化、高血圧になっている割合が高い)
 飲酒後に入浴する人(飲酒や食事のあとは、血圧が下がっている)

●入浴事故を防ぐには
 湯温は40℃以下(驚がく反応を起こさない目安。ただし個人差がある)
 風呂から立ち上がるときはゆっくりと(急に立ち上がることでも血圧が急激に低下する)
 食後1時間以内の入浴は避ける。

 以上は、「ためしてガッテン」の内容を要約した、NHKのホームページから引用させていただきました。番組は、家庭での入浴を想定したものでしたが、注意点は温泉でも同じです。安全な入浴のための参考にしてください。

 温泉では、風呂につかる前に、かけ湯をたくさん行うとよいといわれます。また、飲酒後や、食後すぐの入浴は避けるよう注意書きが掲示されていますね。
 熱めの湯の長湯は危険ということでもあります。お風呂でのぼせた経験のある人や、湯につかっていて、眠てしまったことがある人は、特に注意しましょう。
 「驚がく反応」を起こさないよう、みなさん、十分注意をして、大いに温泉を楽しんでください。


 注:番組では「謎の溺死」と表現していましたが、ここでは、常用漢字を使用する新聞表記のルールに従い、「謎の水死」と置き換えさせていただきました。

四季折々温泉旅に出掛けましょう

2009年03月18日

 北海道の四季を楽しむ温泉の旅に出掛けましょう。私が宿を選んでみました。料金は1泊2食が1万円前後で、高くても2万円以内を目安にしてみました。人気宿が多いので、ゴールデンウイークや観光シーズン、年末年始などは、早めに予約をしないと、すぐ満室になってしまいますのでご注意を。

①桜を楽しむ
 桜の名所はたくさんありますが、道南の私のお薦めは、函館市の函館公園や五稜郭(ごりょうかく)公園、そして松前町の松前公園でしょう。函館市内なら、ベイエリアの新しいホテル、ラビスタ函館ベイ。
 松前まで足をのばすのであれば、知内温泉・ユートピア和楽園か、松前町の温泉旅館・矢野ですね。松前は桜の季節が長く、4月下旬から5月中旬まで美しく咲き誇ります。

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ラビスタ函館ベイ

②ツツジを楽しむ
 5月から6月にかけて山を彩るのはツツジです。道南の恵山はツツジの名所です。恵山温泉にある恵山温泉旅館と石田温泉がお薦め。
 北見市留辺蘂の温根湯温泉もツツジの名所です。老舗の大江本家が代表格ですが、湯の質にこだわりたいなら、少し旭川寄りにある、塩別つるつる温泉や、北見寄りにある、ポンユ三光荘がいいですね。

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ポンユ三光荘

③新緑を訪ねる
 北海道の新緑は5月です。どこにいっても美しいのですが、残雪と新緑のコントラストが美しい大雪山系はいかがでしょう。黒岳のふもとにある層雲峡温泉なら銀泉閣。

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新緑の層雲峡・銀河の滝

④湖を訪ねる
 北海道の湖はカルデラ湖が多く、その周囲は温泉の宝庫です。洞爺湖、支笏湖、然別湖、阿寒湖、屈斜路湖、摩周湖と代表的なものだけでもこれだけあります。私が好きなのは、チップ(ヒメマス)釣りが解禁される初夏なら支笏湖の北側、丸駒温泉のすぐ側にある、いとう温泉ですね。ここの露天風呂が好きです。
 また、屈斜路湖のコタン温泉には、アイヌ詞曲舞踏団「モシリ」の運営する温泉民宿の丸木船があります。
 神秘の湖といわれるオンネトーの側にある雌阿寒温泉・野中温泉別館も大好きです。

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野中温泉別館の内風呂

⑤自然体験を楽しむ
 四季折々、さまざまな自然体験ができる温泉地があります。一押しは、東大雪の、ぬかびら源泉郷です。山湖荘や中村屋が人気ですが。リーズナブルにという方には、ひがし大雪ぬかびらユースホステルがあります。いろいろな宿の風呂に入れる「湯めぐり手形」など、ユニークな取り組みもあって楽しめます。

⑥山を楽しむ
 本格的な登山とまではいかなくても、高山の景観と温泉を楽しみたいという方には、旭岳温泉がいいでしょう。ロープウエーで7合目まで登ることができますし、温泉もいい。私なら、湯の質が抜群の湯本湧駒荘ですね。翌日は、天人峡の羽衣の滝や十勝岳の望岳台などを訪ね、美瑛の丘などを楽しんで富良野へドライブします。
 もう一つお薦めはニセコです。ニセコ五色温泉・五色温泉旅館が好きですね。お勧めはイワオヌプリのお花畑の散策です。また、本格的な登山になりますが、ニセコアンヌプリの登山口もすぐ近くです。

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旭岳・姿見の池から眺める噴気

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湧駒荘

⑦海を楽しむ
 道南の恵山岬にある水無海浜温泉は、海水浴場にもなっています。ただ、潮の満ち引きで、海中に没したり、湯がなかったりするときもありますので、ご注意を。入浴可能時間は、下記の、函館市椴法華(とどほっけ)支所のホームページで確認できます。
http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/todohokke/

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水無海浜温泉

 桧山管内・乙部町の乙部温泉・光林荘もお薦めです。乙部町の元和台海浜公園には波の荒いときでも海水浴ができる「海のプール」があります。

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光林荘の男性内風呂

 積丹半島の先端にある、温泉旅館北都は目の前が海です。釣り船もあって、釣り道具の貸し出しもあります。

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温泉旅館北都の男性内風呂

⑧湿原を楽しむ
 釧路湿原の周囲にはいい温泉がいっぱいあります。私のお薦めは、標茶町の茅沼温泉・憩いの家かや沼と、カヌーツアーなどが体験できるシラルトロ湖温泉・ロッジシラルトロ。

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憩いの家かや沼の男性露天風呂

⑨花火を楽しむ
 洞爺湖温泉のロングラン花火大会が有名ですが、もっと盛大に、間近で打ち上げられる花火を楽しむなら、8月中旬に道南の鹿部町で開かれる「しかべ海と温泉(いでゆ)の祭り&花火大会」でしょう。花火は、たいてい第3土曜日です。雨天の場合は翌日に順延されます。今年の日程は、まだ発表されていないので、同町のホームページなどで、ご確認ください。お薦め宿は、会場となる鹿部漁港のすぐ側にある温泉旅館鹿の湯と温泉旅館吉の湯です。

⑩紅葉を楽しむ
 紅葉が早いのは大雪山系です。9月下旬、大雪高原温泉を拠点にした沼巡りは大人気です。大雪高原温泉・高原山荘は大好きな宿です。
 定山渓温泉から中山峠も紅葉の見どころです。北海道の紅葉は「黄葉」と書かれることもあるほど、黄色が支配的ですが、スケールの大きさが感動を呼びます。

⑪夕焼けを楽しむ
 日本海の夕焼けはスケールが大きく感動的です。特に、道北の豊富町のサロベツ原野から眺める夕日は、利尻山の美しいシルエットが印象的です。豊富温泉の個性的な湯は、ぜひ、一度、お試しください。泊まるなら、ニューホテルサロベツ、日帰り入浴なら、ふれあいセンターがいいでしょう。石油成分が浮く濃い食塩泉は肌当たりが柔らかく、よく温まります。

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サロベツ原野から眺める夕焼け

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ニューホテルサロベツ

⑫冬の道東観光を楽しむ
 北海道の冬は、積雪や吹雪で道路事情が不安定なため、ドライブは敬遠したくなりますが、道東は穴場です。雪は少ないし、晴れの日が多く、見どころもいっぱいです。
 タンチョウを見るなら鶴居村の鶴居温泉・グリーンパークつるい、ホテルTAITOがお薦め。冬の摩周湖を見るなら川湯温泉・湯の閣や御園ホテルです。

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タンチョウ

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グリーンパークつるい

⑬ウインタースポーツを楽しむ
 スキーやスノーボードを豪快に楽しみたいというなら、ニセコでしょう。「ニセコグラン・ヒラフ」のゲレンデ下にあるのがホテルスコット。となりに、連絡通路でつながった「ぽぽろの湯」があります。
 
⑭宿の滞在を楽しむ
 道内にも、1泊2食が3万円以上するような高級温泉宿が増えています。値段の高いところは、それなりにサービスも施設も整っていますから、あえて、ここでご紹介するまでもないでしょう。
 2万円以内で泊まれるお薦めは、中標津町の養老牛温泉・湯宿だいいち。八雲町の温泉旅館銀婚湯です。温泉ファンにはよく知られていますが、滞在することが楽しいいい宿だと思います。

プチ湯治のすすめ

2009年03月04日

■お知らせ
 私がこのコーナーで、温泉のご案内を担当して、ちょうど4年が経過しました。「温泉インフォ」の企画記事からブログに衣替えして2年です。このたび、4月からのサイトリニューアルを機に、卒業させていただくことになりました。ご愛読いただきました皆さんや、取材にご協力いただいた皆さんに、心から感謝申し上げます。
 今月は、いままでの温泉取材のまとめのようなものになるかもしれません。お薦めの温泉の紹介も盛り込みますので、どうか、お付き合いください。

■プチ湯治のすすめ
 温泉取材をしていると、湯治のお客さんに出会います。
 戦後、国民全員を対象にした健康保険制度ができるまでは、入院はとてもお金のかかることでしたから、温泉が慢性病の治療の場でした。いわゆる「湯治」です。長期滞在する人は、自炊をします。現在も、自炊ができる湯治場が北海道にもたくさんあります。
 さまざまな症状に悩む人々が湯治に訪れています。神経痛やリウマチ、腰痛、交通事故の後遺症、糖尿病、胃腸病、脳梗塞(こうそく)などの神経まひのリハビリなどいろいろです。

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湯治の伝統を受け継ぐ見市温泉の男性露天風呂

●何が効くのか
 湯治の伝統がありながら、温泉を利用する病気治療についての研究はなかなか実を結んでいませんが、最近になって、いろいろなことが分かってきました。
 湯で温まることによって、体内のヒート・ショック・プロテイン(熱ショックタンパク)が増えるのだそうです。この物質は、あらゆる生物が持っているもので、細胞を保護したり、傷ついた細胞を修復したりして、体を元気にしてくれるものです。
 普段、健康な人は、2泊3日のプチ湯治で、この数値がピークになり、数ヶ月、抵抗力がアップするそうです。
 また、新鮮な温泉は、皮膚の汚れを落とすだけでなく、殺菌し、若返らせるように働きます。気分をリラックスさせ、ストレスを解放する効果もあります。

 このプチ湯治では、ごちそうの食べ過ぎやお酒の飲み過ぎはいけません。食事を通常のものにします。湯治プランのある宿では、1泊3食で、症状に合わせた献立を工夫してくれます。1日に3回の入浴が目安だそうで、長湯はいけません。年に、2、3回が理想だそうです。
 どうです、健康維持のためにやってみませんか。

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美人の湯で知られる十勝川温泉・はにゅうの宿

●女性はお友達どうしで
 プチ湯治は家族や友人らと出掛けて行ってもいいのですが、男性の場合は、やはり、のんびりした一人旅が基本でしょう。私は、施設が古くて安っぽい造りでも、衛生的で掃除が行き届いているなら気になりません。いつでも、新鮮な源泉が豊富に掛け流されている風呂があることが一番大事だと思っています。
 ただ、女性の場合は、気の合うお友達と一緒のほうが、何かと安全だと思います。

●どんな宿がおすすめか
 では、どんな温泉宿が湯治にむいているのでしょうか。
 湯治料金の設定がない値段が高い宿は、施設は整っていますが、多くの場合、料理が豪華過ぎてカロリーオーバーになります。そういう宿のスタッフは、サービスには気を配りますが、湯治についての知識はほとんど持ち合わせていないのが普通です。泉質についての知識すらない場合もあります。
 湯治の伝統がある宿は、施設は簡素でも、湯の質には定評があります。また、湯の入り方や症状に応じた食事などについて、ノウハウが蓄積されています。値段も安めです。
 割安な湯治料金の適用は3泊以上が普通ですが、探してみるとプチ湯治に最適の、2泊からの宿もありますし、ビジネスプランというのも利用できます。

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八雲温泉・おぼこ荘

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源泉が豊富にかけ流される、おぼこ荘の男性内風呂

 私のお薦めする宿をピックアップしてみました。プチ湯治ですので、自炊の温泉宿は含めていません。同じ宿で、他のプランより値段が安いのは、基本的に料理の違いだけですが、部屋が古かったり、日当たりが悪かったりする場合もありますから、予約の際に確認するといいでしょう。また、下記の金額には入湯税150円が含まれているものと、いないものがあります。おおよその見当だと考えてください。

●プチ湯治にお薦めのリーズナブルな宿
<6000円以下>
 見市温泉旅館…湯治プラン2泊以上1泊3食5500円
 カルルス温泉・鈴木旅館…1泊2食5400円~
 洞爺湖温泉・大和旅館…ビジネスプラン1泊2食5000円
 十勝川温泉・はにゅうの宿…1泊2食5700円~
<7000円以下>
 鹿部温泉・吉の湯…1泊2食6450円~
 八雲温泉・おぼこ荘…1泊2食6980円~、湯治で三連泊なら1泊3食5500円
 北見温泉・ポンユ三光荘…ビジネスプラン1泊2食6825円
 北見市・塩別つるつる温泉…くつろぎコース1泊2食6500円
 雌阿寒温泉・野中温泉別館…1泊2食6975円~

 *3泊以上だと、ニセコ新見温泉・新見本館や同・新見温泉ホテルなども1泊3食が6500円ほどになります。

グリーンタフ型の温泉とは

2009年02月27日

<はじめに>
 温泉は、普通、雨水などの天水や海水が、岩の割れ目などを通って地下深くしみ込み、地熱で温められたものです。
 活火山はもちろん、いまは活動していない、かつて火山だった地域の地下には、マグマだまりや、まだ高温の岩体があるうえ、水が地下にしみ込みやすい断層が多く、当然、温泉が豊富です。

 火山性の熱源がなくても、普通、地下を100m掘ると、地熱は3℃くらい上昇しますから、年平均気温が8.5℃の札幌市内だと、1000m掘ると、38.5℃くらいの温泉になるわけです。札幌市内の場合、地下1300mほどのところに、かつて海だった時代に海水を取り込んだ地層があって、濃い食塩泉が動力でくみ上げられています。

 北海道の地質構造を調べると、本州の延長である南西部と、千島列島の延長である東部の地盤が衝突して日高山脈を形成し、一つの島になったことがわかります。そのため、間に挟まれた、かつて海だった地層があったり、植物が堆積して変成した石炭層や泥炭層があったりして、実に多様です。
 ですから、温泉もバラエティーに富んでいます。石油や天然ガスを伴ってわき出る温泉や、鉄を溶かしてしまうような濃い酸性の湯もあります。硫黄の香りが漂う、温泉情緒がいっぱいの温泉地もあります。
 その中で、あまり知られていないのが、グリーンタフ型といわれる温泉です。

<グリーンタフ型温泉>
 北海道南西部や北海道中部の大雪山系から東部の知床半島まで、活火山がいっぱいあります。恵山や駒ヶ岳、有珠山、樽前山と恵庭岳、そしてニセコ火山群。十勝岳や旭岳、雌阿寒岳、羅臼岳もあります。
 しかし、これらの火山が生まれるもっともっと昔の1600万年ほど前には、この地域は深い海の底にあって、海底火山が激しい噴火を続けていました。この時代の地層には、強い圧力と熱で変成した、緑色を帯びた火山岩が大量に堆積していて、これをグリーンタフといいます(図参照)。

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北海道周辺のグリーンタフ地域

 その後、プレート運動によって大きく持ち上げられ、陸地となり、いまある火山が溶岩や火山灰を大量に噴出し、北海道の地形が作られました。
そのため、グリーンタフには、海水の中に溶け込んでいた塩分や石膏などの成分が取り込まれています。

 内陸部にありながら食塩成分の多い「定山渓温泉」や八雲町の「見市温泉」などは、かつて、地層に取り込んだ塩分が、温泉水に溶け出したものだと考えられています。

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豊平側河床からわき出る定山渓温泉

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定山渓温泉・ホテル山水の露天風呂

 また、近くに火山がないのに、中性やアルカリ性の純粋な硫酸塩泉がわき出ている場合があります。 ニセコ新見温泉や岩内町の朝日温泉、函館市南茅部の川汲温泉などは、グリーンタフに取り込まれた、石膏(硫酸カルシウム)が溶け込んだ、非火山性の「グリーンタフ型温泉」なのです。

 また、火山地帯の温泉でも、食塩泉がよく見られるのは、グリーンタフの地層の影響を受けているからでしょう。

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新見温泉本館

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新見温泉本館の露天風呂

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朝日温泉

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朝日温泉男性浴室

<種類が豊富な火山性の温泉>
 では、火山性の温泉とはどういうものをいうのでしょう。
 一般的には、マグマから発散される高温の火山ガスや水蒸気が、地下水に溶け込み、それが地層を流れ下るときにわき出てくるものです。
 ガスの中には、硫化水素や二酸化炭素のように、岩の割れ目を通って、意外なほど遠くまで運ばれるものもあります。この間に温度が下がり、冷たい地下水に溶け込むため、温度が25℃以下でわき出てくるものもあります。「硫黄泉」とか「炭酸泉」と呼ばれるものです。

 噴火口の近くからわく温泉には、温泉情緒を醸し出す、硫黄のにおいのする湯があります。一般的には硫黄泉といわれますが、正式な泉名はもっと複雑です。登別温泉、ニセコ五色温泉、ニセコ湯本温泉、雌阿寒温泉、川湯温泉などが有名です。

 また、噴火口に近いほど酸性が強い温泉になります。
釧路管内弟子屈町の川湯温泉は、屈斜路カルデラの中央に位置し、硫黄山(アトサヌプリ=標高512m)が源ですが、湯のpHは1.3という、鉄も溶ける強酸性の湯です。
 道南の恵山の火口から引湯する恵山温泉旅館はpH2.14。十勝岳の安政火口に近い十勝岳温泉・凌雲閣がpH2.3。ニセコのイワオヌプリの旧噴火口に泉源のあるニセコ五色温泉旅館はpH3.2です。こうした、酸っぱい温泉水には鉄やアルミニウムなどの成分も豊富で、火山からの恵みがいっぱい溶け込んでいます。

 噴火口付近から地下を流れ下る温泉水は、岩石と反応し、地下水と混ざったり火山ガスを取り込んだりしながら成分を変化させます。硫酸成分が減り、重曹成分が増え、やがて単純泉の方向へ変化していきます。pHは酸性から中性、アルカリ性へと変化します。
 ニセコを例に、標高の高い順に並べてみるとよくわかります。
①ニセコ五色温泉 含フッ素・食塩・苦味-硫化水素泉 pH3.2(弱酸性)
②ニセコ湯本温泉 単純硫黄泉(硫化水素型)pH4.72(弱酸性)
③ニセコ昆布温泉 含重曹-食塩泉 pH6.32(中性)
④昆布川温泉   含重曹-食塩泉 pH8.2(弱アルカリ)
重曹とともに食塩の成分が加わるのは、グリーンタフの影響だと思われます。
<参考>
pH3未満は強酸性
pH3~6未満は弱酸性
pH6~7.5未満は中性
pH7.5~8.5未満は弱アルカリ性
pH8.5以上はアルカリ性

 グリーンタフ地域は、古い時代に海底火山活動があった地域です。現在の火山と重複する地域も多いのですが、火山性の温泉とは、ちょっと違う泉質になることがおわかりいただけると思います。

温泉の主な泉質について-2

2009年02月03日

■単純泉
 温泉水1kg中の成分が1gに満たないが、源泉温度が25℃以上あるものです。
⑦単純泉、アルカリ単純泉
 単純泉やアルカリ単純泉は、含まれる成分量が少ないのですが、名湯といわれる湯がたくさんあります。肌当たりが柔らかく刺激が少ないので、肌の弱い人や病後、湯治などに適しています。東大沼温泉・旅館留の湯(とめのゆ)、カルルス温泉、阿寒湖温泉、層雲峡温泉、温根湯温泉など。
 北見温泉・ポンユ三光荘はアルカリ単純泉で、肌が石けんをぬったようにツルツルします。

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ポンユ三光荘はアルカリ単純泉

⑧モール温泉
 植物成分が堆積した亜炭層や泥炭層からわき出る褐色の湯です。「美人の湯」として知られる十勝川温泉では「モール温泉」と呼んでいます。この有機成分にはフミン酸が含まれ、肌をしっとりさせる保湿効果がありますが、有機成分は泉質名に記されないため、主に単純泉やアルカリ単純泉に分類されています。しかし、場所によっては、食塩泉や重曹泉でこの有機成分を含むものもあります。
 こうした褐色の温泉は、帯広市周辺のほか、石狩低地帯の札幌市東部から苫小牧市周辺にかけて、また、道東の釧路湿原の周囲でも見られます。

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十勝川温泉の湯は褐色のモール泉(はにゅうの宿)

●硫黄泉
⑨硫黄泉、硫化水素泉
 一般に硫黄泉と呼ばれるものには、硫黄のにおいの元である硫化水素を含むものと、含まないものがあります。新泉質名の場合は、最初の方に「含硫黄――」と記し、硫化水素を基準以上含むものなら、末尾に「――(硫化水素型)」と記述します。

例えば
 温泉情緒を醸し出す硫黄の香りがする、登別温泉・第一滝本館の「美肌の湯」は
 酸性-含硫黄-ナトリウム-硫酸塩泉(硫化水素型)(旧泉名:酸性硫化水素泉)です。

 また、温泉中の成分が1gより少ない場合は「単純硫黄泉」「単純硫化水素泉」「単純硫黄冷鉱泉」などと書かれています。冷鉱泉とは特殊成分を基準以上含む、源泉温度が25℃未満のものです。

 硫黄泉は殺菌力や解毒作用があり、ウルシかぶれや慢性皮膚病、切り傷に効くといわれます。また、硫化水素は皮膚から吸収されると毛細血管を拡張して血行をよくする働きがあり、動脈硬化症や高血圧症によいとされています。このように、湯治効果が高く人気がありますが、湯の刺激も強いので、肌の弱い人には注意が必要です。

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塩別つるつる温泉は硫黄泉

 北見市留辺蘂の滝の湯温泉や塩別つるつる温泉は単純硫黄泉の代表格でpHが9.5もあるアルカリ性の湯です。湯につかると石けんをぬったように肌がツルツルします。
 登別温泉、ニセコ五色温泉、ニセコ湯本温泉、雌阿寒温泉などは酸性の硫化水素泉です。

 ただ注意があります。銀を硫化水素泉につけると真っ黒に変色するので、入浴の際はアクセサリー類は身に付けないでください。

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ニセコ湯本温泉・雪秩父の男性露天風呂。手前の白濁した湯が硫化水素泉

●炭酸泉
⑩二酸化炭素泉
 二酸化炭素を含んでわき出てくる温泉です。二酸化炭素は皮膚から吸収され、毛細血管を拡張して血液の流れをよくします。高血圧や心臓病に効くとされています。湯の温度が高いとすぐに消え去ってしまいますので、新鮮なぬる湯でなければいけません。湯につかると、肌にびっしり気泡が付きます。
 積丹半島の先端にあるシララ温泉・温泉旅館北都(重曹泉)、蘭越町のニセコ薬師温泉(弱食塩泉)などがあります。ただ、これらの温泉の泉質名には、二酸化炭素の記述はありません。
 それは、「含二酸化炭素-」と泉質名に記載するには、温泉水1kg中に1グラムもの二酸化炭素が必要だからです。しかし、0.5gも含んでいれば、十分効能は期待できるという専門家もいるようです。ちなみに、シララ温泉・温泉旅館北都の二酸化炭素量は0.6525gです。残念ながらニセコ薬師温泉の場合は温泉分析書が古くて記載がなく不明です。道内には、まだ、何カ所も二酸化炭素泉があるのですが、温泉水を循環・ろ過しているため、大切な二酸化炭素が抜けてしまっている施設もあるようです。

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湯底から二酸化炭素と一緒にわき出る
ニセコ薬師温泉の透明湯

●ラジウム泉
⑪放射能泉
 通常、温泉水を分析する際には、空中に放出される放射性物質については調べないため、脱衣場などに掲示されている温泉分析書には記されていません。
 大量の放射線は遺伝子を傷つけ、ガンなどの重大な病気を引き起こしますが、「ホルミシス効果」といって、微量の放射線は免疫力や抗酸化機能を高め、健康や老化防止に役立つと言われています。
 ドイツやオーストリアではラドン浴が関節痛などの痛みの治療に利用され、顕著な効果を上げていますが、そのメカニズムはまだ解明されていないようです。

 地下にある岩石や鉱物の中には微量の天然放射性同位元素があります。ウランがラジウムに崩壊した後、ラドンに変わり、ラドンはラドンガスとして地殻の割れ目にそって移動し、温泉とともに地上に出てきます。
 γ(ガンマ)線を放出するラドンは、湯の中にはとどまらず空中に放出され、呼吸で人体に取り込まれます。
 鳥取県の三朝(みささ)温泉は「放射能泉」としてさまざまな効能があることで知られていますが、その放射線もラドンが放出するγ線です。

 北海道立地質研究所発行の「北海道立地質研究所報告第78号(2007年)」に掲載された論文「北海道の温泉ゆう出地から放出されるγ線」(秋田藤雄、柴田智朗)によると、道内の自然ゆう出の温泉地を中心に82カ所を調べた結果、γ線の値が一番高かったのは、根室管内中標津町の養老牛温泉で、二番目が後志管内島牧村のモッタ海岸温泉、三番目が十勝管内上士幌町の幌加温泉でした。モッタ海岸温泉は腰痛や骨折などのリハビリに効果が著しいという評判がありますが、放射線の効能なのでしょうか。

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モッタ海岸温泉の男性浴室と露天風呂

 温泉分析書に記載される正式な泉質名は、温泉法に基づく環境省の「鉱泉分析法指針」による「療養泉」の基準を満たした「鉱泉」についてだけ付けることができます。その詳しい説明は別の機会にさせていただきたいと思います。

温泉の主な泉質について-1

2009年02月01日

 旅行が大好きというお嬢さんから「泉質ってどんなものがあるのですか? 泉質名が書かれていてもぴんとこないのです」という質問を受けました。
 まあ、例えば、「泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉(旧泉名:含石膏-芒硝泉)」なんて書かれていても、湯のイメージは浮かんでこないかもしれませんね。

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茅沼温泉・憩いの家かや沼は食塩泉

 泉質には、「食塩泉」とか「硫黄(いおう)泉」「重曹(じゅうそう)泉」などと昔から呼ばれているものと、脱衣場などに掲示されている「温泉分析書」に書かれている泉質名がありますが、温泉分析書に書かれたものには、旧泉名と新泉名があります。新泉名は、1977年から国際基準にあわせて、主成分の物質名を記述する方法で付けられるようになったもので、今後は、新泉名に統一されていきます。

 温泉法に基づく正式な泉質名は大変複雑で、環境省の「鉱泉分析指針」に示されているものだけでも60種類以上あり、現実には130種類を超えるともいわれています。同じ泉質名でも濃さは違いますし、主成分以外の含有成分に違いがあります。人の顔と同じで、温泉は千差万別、変化に富むものなのです。

 ここでは、見た目や、肌触りなどで違いがわかりやすい、典型的なものを11種類にまとめてみました。
 お湯の特徴がわかれば、それが濃かったり薄かったり、あるいは、ほかの成分が混ざっているだけのことですから、どんなお湯なのかイメージしやすくなりますね。

■塩類泉
 火山ガスや岩石、海水などの成分を溶かし込んで、温泉水1kg中に溶けている成分が1g以上あるものをいい、以下のようなものがあります。

●食塩泉
①ナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)
 道内でもおなじみの泉質で食塩の成分が溶けています。その塩分が、いまの海水か化石海水かなどによって、濃さもいろいろです。特に濃いものは「―――強塩泉」と記述されます。よく温まり「熱の湯」ともいわれます。定山渓温泉、虎杖浜(こじょうはま)温泉、釧路管内標茶町の茅沼(かやぬま)温泉など。長沼温泉や神恵内村のリフレッシュプラザ998などは強塩泉です。

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海水より濃い、食塩泉のリフレッシュプラザ998の露天風呂

●重曹泉
②ナトリウム-炭酸水素塩泉(旧泉名:重曹泉)
 重曹成分が溶け込んでいて、肌がつるつる、すべすべになることから「美人の湯」とされています。支笏湖温泉や積丹半島先端にあるシララ温泉・温泉旅館北都などがあります。また、食塩が混ざった「ナトリウム-炭酸水素・塩化物泉」(旧泉名:含食塩-重曹泉)は豊平峡温泉など。

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重曹泉のシララ温泉・温泉旅館北都

●硫酸塩泉
③ナトリウム-硫酸塩泉(旧泉名:芒硝泉=ぼうしょうせん)
 芒硝(硫酸ナトリウム)は市販入浴剤の主成分の一つで、湯の肌触りを柔らかくします。また、下剤の成分でもあるため、飲むと便秘に効きます。乙部温泉・光林荘は食塩も含みます。白金温泉はマグネシウムやカルシウムの成分を含んでいます。

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乙部温泉・光林荘は芒硝泉

④カルシウム-硫酸塩泉(旧泉名:石膏線=せっこうせん)
 石膏成分には鎮静作用があり、切り傷ややけどにもいいといわれます。純粋な石膏泉は、きらきら光るほど透明できれいな湯で、肌当たりが柔らかく刺激が少ないため、湯治にも適しています。ニセコ新見温泉、雷電温泉など。

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雷電温泉・ホテル観光かとうの石膏泉は輝くように透明

⑤マグネシウム-硫酸塩泉(旧泉名:正苦味泉=しょうくみせん、せいくみせん)
 全国的にみても数少ない名湯といわれる湯です。口に含むと苦い味がします。高血圧、動脈硬化、肥満などに効くといわれます。旭岳温泉・湧駒荘の湯は、ナトリウムやカルシウムも含みます。

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正苦味泉がある旭岳温泉・湧駒荘のユコマンの湯

⑥酸性-アルミニウム・鉄Ⅱ-硫酸塩泉(旧泉名:酸性明バン・緑バン泉=さんせいみょうばん・りょくばんせん)

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鉄分の多い酸性緑バン泉の十勝岳温泉凌雲閣の男性露天風呂

 火口に近い所からわく酸性の湯で、硫酸アルミニウムは明バン、硫酸鉄Ⅱは緑バンといいます。さまざまな効能があるのですが、刺激が強いので肌の弱い人は避けた方がいい場合があります。恵山温泉や十勝岳温泉・凌雲閣、川湯温泉は食塩や硫化水素も含み酸性度が強い湯です。(つづく)

北湯沢温泉・河原の露天風呂-御宿かわせみ-②

2009年01月22日

 北湯沢温泉をはじめ、北海道南西部は、かつて海底で盛んに火山活動をおこなっていたところで、海の底がプレート運動によって持ち上げられ、そこに新しい火山活動で噴出した火山岩が堆積(たいせき)して、現在の地形になりました。
 もともと、火山活動が活発な場所ですから、地下には、いまも高熱を蓄えた岩体がたくさん存在しているようです。
 北湯沢温泉もその一つで、同地区の放出熱量は、層雲峡温泉、登別温泉、濁川温泉に匹敵する道内最大級です。

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御宿かわせみの露天風呂

 北湯沢温泉の温泉水の起源は、化学成分などの分析から、長流川(おさるがわ)流域全体の雨水や地下水などで、地下の比較的浅いところを流れ下るうちに熱せられ、堆積した火山岩の亀裂からわき出ています。
 北湯沢地区のボーリング調査では、深さ180m~200mの地点で、100℃前後の最高温度を記録しています。
 長流川の水位が増すと、温泉のゆう出量も増えるのですが、温度が下がることはないそうです。地下水量に影響されないほど大きな熱源があるからなのでしょう。

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露天風呂から下流の眺め

 さまざまな探査によると、北湯沢温泉の真ん中を流れる長流川沿いに約1000m、幅600m~900mの範囲の地下に、熱水をため込んだ部分があるようです。これは、川の西側より、東側に片寄っているそうで、地熱源は、北湯沢の東にある徳瞬瞥山(とくしゅんべつやま=標高1309m)周辺の地下にあるのではないかと考えられています。

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目の前に長流川の流れがある

 北湯沢温泉の水と熱は別々のものです。登別温泉のように、地下深部から熱をともない、化学成分を多量に溶かし込んでわき出てくる温泉水とは違うタイプなのです。

北湯沢温泉・河原の露天風呂-御宿かわせみ-①

2009年01月17日

 雪景色を眺めながら河原の露天風呂に入りたくて、伊達市の北湯沢温泉に出掛けました。
 札幌から国道230号で中山峠を越え、喜茂別町で支笏湖・苫小牧方面に向かう国道276号に入り、広島峠を越えて間もなく右折して国道453号を10キロほど行くと、川向こうに大型ホテルの「湯元名水亭」が見えてきます。北湯沢温泉です。

 今回の目的地は、さらに国道を400メートルほど進んだ左手にある「御宿かわせみ」(伊達市大滝区北湯沢温泉町39、電話0142-68-6665)。

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御宿かわせみは大正時代の料亭の伝統を継ぐ

 北湯沢温泉は、明治時代に開湯した歴史ある温泉地で、1957年(昭和32年)に国から国民保養温泉地の指定を受けています。

 「御宿かわせみ」は、1916年(大正5年)創業の料亭の伝統を引き継いでいて、食事をする広間にある透かし彫りの欄間や、立派な床の間などが、往時の繁栄をしのばせます。歴史を感じることのできる貴重な宿といえるでしょう。

 建物が古いうえ、長く設備投資がされず、修繕も自前の手仕事に頼っていたため、施設のあらが目立つのですが、昨年3月から、新しいご夫婦が切り盛りするようになって、全般的に改善が図られてきています。和食職人のご主人と、さわやかなおかみさんが、一生懸命応対している姿には好感がもてます。
 館内は掃除が行き届いています。以前は雑然としていた露天風呂に向かう通路も、だいぶ整頓されています。

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深さのある屋根付きの露天風呂(混浴)

 さて、目的のお風呂です。
 ここの湯は無色透明で、泉質は硫化水素泉です。高温のため若干加水して掛け流しています。溶け込んでいる成分量は少ないのですが、肌触りが優しく、よく温まります。
 浴室は、男女別の小さな内風呂と、混浴の、屋根のある深い露天風呂と河原の大きな露天風呂、女性専用の屋根のある小さな露天風呂があります。

 何と言っても、長流川(おさるがわ)の河原にある大きな露天風呂が気持ちいいんです。川面と同じ高さで、川の水に手が届く所にあります。
 少しぬるめの湯は長湯ができます。温まったら岩に腰掛け、冷めたらまた湯につかります。ぼーとしながら流れを見つめていると、知らぬ間に時間がたっていました。
 初夏の新緑も、秋の紅葉も、冬の雪景色も実に風情があります。

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河原の露天風呂が気持ちいい

 北湯沢温泉には、このほか、野口観光の大型ホテル「湯元名水亭 」「湯元第二名水亭」や「湯元ホロホロ山荘」、「温泉旅館たかはし」、「北湯沢ユースホステル」、「鯉の里なかむら」などの温泉宿があります。
 北湯沢山荘は配管破損のため、08年4月13日で「閉店」、休業しています。

 札幌市内中心部からだと、車で2時間半ぐらい。公共交通を利用する場合は、JR室蘭本線伊達紋別駅前から道南バス「倶知安行き」で約50分。「北湯沢温泉」下車です。

 北湯沢温泉の歴史は、1897年(明治30年)に原野の区画選定実測調査の際に道庁の吏員・藤原兵衛氏によって発見され、福島県人の上野梅吉氏が1901年(明治34年)2月に設立した梅吉温泉(後の横山温泉)の開業が始まりとされています。
 また、藤原氏は1913年(大正2年)に藤原温泉(後の観光ホテル)を経営、その後、次々温泉宿が開業します。1940年には伊達紋別-徳瞬瞥(とくしゅんべつ=後の新大滝)間に鉄道が開通。同年には、硫黄を生産した日鉄鉱業徳瞬瞥鉱山も開山(1971年閉山)しています。
 しかし、1883年(明治16年)に、上野氏が鉱泉を発見したという記述があるようで、また、上野氏の出身が宮城県人という記載もあります。開湯も、藤原氏が、発見後すぐに営業を開始したという話もあり、確認整理すべきことがあるようです。

雌阿寒温泉・野中温泉別館-2

2009年01月10日

 十勝管内足寄町の雌阿寒温泉・野中温泉別館(足寄町茂足寄、電話0156-29-7321)の温泉成分が豊富なことは前回ご紹介しました。

 この温泉は、雌阿寒岳の火山活動に由来するものです。雨や雪などの天水が地中にしみ込み、火山の熱を受け、火山性のガスを溶かし込んで自然ゆう出しています。

 野中温泉別館の内風呂は、くぎを一本も使わず、アカエゾマツやトドマツ材で手作りしたもので、湯の肌当たりと、木の柔らかな感触が調和し、名湯にふさわしい満足感をもたらします。

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野中温泉別館の男性内風呂

 透明な湯につかると、沈殿した白い湯の花が舞い上がって、白濁するように見えますが、また、すぐに沈んでいきます。
 おかみさんに話をうかがうと、湯口から注がれる湯は、実は、情緒を演出する「見せ湯」で、加温も加水もしない源泉は、浴槽の中へ直接、流し込まれています。

 浴室にはシャワーもカランもありません。石けんも置いていません。体の汚れは、湯を浴びて少しこすれば十分落とすことができます。髪を洗いたい場合は、洗面所を利用するといいでしょう。

 露天風呂は男女それぞれありますが、加温をしていませんから冬は少し温度が下がります。でも、寒風をほおに受けながら入る露天は最高です。

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男性露天風呂

 ただ、冬季の露天、特に夜間は注意が必要です。内風呂から外に出る戸が凍り付くのです。まるで鍵を掛けられたようにびくともしないことがあります。大人なら下部をドンドンとたたいて、エイッと引けば開きますが、子どもだと無理な場合もありそうです。子どもだけでは露天に出さないほうがいいでしょう。

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戸が凍り付きやすいので注意を

 アカエゾマツの原生林に囲まれた、この宿は、四季折々、魅力にあふれています。質素ですが、山の幸がていねいに調理された食事も好感がもてます。湯に調和した木の湯殿、最高の湯を、ぜひ堪能してください。

 幻の湖・オンネトーへはスノーシューやスキーがあれば便利ですが、長靴でも行くことができます。少し車で足を伸ばせば、タンチョウの訪れる釧路市阿寒町の「丹頂観察センター」(電話0154-66-3460)もあります。

 ここ、雌阿寒温泉には、ほかに2軒の宿があります。野中温泉別館と同じ経営の「野中温泉ユースホステル」と、「オンネトー温泉・景福」です。景福は、冬季は休業し、2009年は1月13日から3月7日までがお休みです。

雌阿寒温泉・野中温泉別館-1

2009年01月06日

 新年あけましておめでとうございます。
 2009年が皆さまにとりまして、よい年になりますよう祈念いたします。

 さて、本年の最初にご紹介するのは、十勝管内足寄町の雌阿寒温泉・野中温泉別館(足寄町茂足寄、電話0156-29-7321)です。ここは、極めて上質な湯を楽しめる、私の大好きな宿です。民営国民宿舎で施設は簡素ですが、1泊2食が8000円以下で利用できます。

 活火山である雌阿寒岳(標高1499m)の中腹、標高708メートルという高所に位置します。阿寒国立公園内で人の住んでいる一番高い所です。

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野中温泉別館の外観

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噴気を上げる雌阿寒岳

 雌阿寒岳は、昨年の11月18日と同28日に小噴火をし、火山活動は、現在も、やや高まった状態にありますが、小噴火は、いずれも水蒸気爆発で、マグマ活動によるものではないようです。
 札幌管区気象台が、火口周辺警報(噴火レベル2、火口周辺規制)を出していて、その内容は、「火口から500メートルの範囲に飛び散る大きな噴石に警戒が必要。風下側では降灰と小さな噴石に注意が必要」というもので、十分距離の離れた雌阿寒温泉の宿泊には問題ありません。

 ここの温泉は、含食塩・石膏硫化水素泉(がんしょくえん・せっこうりゅうかすいそせん)とされていますが、温泉分析書を見ると、陽イオンで一番多いのはマグネシウムで、陰イオンの硫酸と結びついて「正苦味(せいくみ)」成分となり、口に含むと苦い味がします。また、温泉情緒を醸し出す硫化水素臭がします。

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青みを帯びる雌阿寒温泉の湯

 湯は、はじめは透明ですが、白い石膏成分が湯の花として浴槽の底にたまります。また、メタケイ酸が非常に多く、湯が青みを帯びます。この青色は放っておくと、やがて白い濁りになります。メタケイ酸は天然の保湿成分といわれています。

 さらに特筆されるのは、この湯には遊離二酸化炭素が344mgも含まれていることです。温泉水に含まれる二酸化炭素は末梢(まっしょう)血管の血行をよくし、高血圧や心臓病に効能があるとされています。(つづく)

2008年を振り返って

2008年12月31日

 この一年、道内の温泉を振り返ってみると、原油価格高騰による燃料コスト上昇が経営を圧迫し、休館や廃業、売却といった深刻なニュースが目に付きました。特に、源泉温度の低い施設は大きな痛手を受けました。
 また、自治体などの第3セクターが運営する施設の委託管理者が、経営難から撤退する例が続いています。せっかく税金をつぎ込んで造った施設が無駄にならない知恵はないものでしょうか。
 一方、温泉街に客を呼び戻そうと、地域ぐるみの取り組みが行われています。
 さらに、温泉の、湯の質に対する認識が浸透して、源泉掛け流し浴槽の新設など、改善に取り組む動きも見られました。

 新しい温泉宿の傾向は、個人客をターゲットにした高級志向です。部屋数を減らし、サービスを手厚くし、客室露天風呂などを備えています。値段は1泊2食で25000円~35000円あたりからで、4万円、5万円というような宿もあります。
 こうした高級宿は、お金持ちや本州客をターゲットに、滞在の快適性と料理に力が入っています。でも、多分に、値段を上げることで、利益率を高めようという判断もあるようです。
 道内には、庶民が、家族や友人らと温泉を堪能することができる、1泊2食で1万円以下の良質な温泉宿がたくさんあります。多くが、飲み物の持ち込みが自由で、空の冷蔵庫が部屋に設備されています。1泊2食が、税込み6450円というところさえあります。もちろん自炊ができる湯治宿もあります。
 温泉の楽しみ方や利用方法は人それぞれです。これからも、多様な情報を提供できるよう頑張ってまいります。皆さまからの情報もお待ちしています。

 以下は、今年、私が気になった、道内の温泉に関するニュースを、一年分まとめてみました。

①洞爺湖温泉でサミット開催
 世界の目が洞爺湖温泉に集まりました。また、全国各地から警備にあたる警察官が動員され、周辺はもちろん札幌やニセコの温泉施設に滞在しました。しかし、地元からは、思ったほどの経済効果はなかった、という声が聞かれました。

②礼文島に初の温泉がゆう出
 礼文町が07年5月からボーリングを開始し、1300mの掘削で、08年1月24日、源泉温度50.2℃、ゆう出量は動力掲揚で最大毎分240リットルの温泉を掘り当てました。09年秋には、源泉掛け流しの湯を提供する、ニシン御殿をイメージしたデザインの温泉入浴施設が開業する予定です。泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(旧泉名:含芒硝-食塩泉)で、蒸発残留成分は1210mg/kgです。

③原油高騰が経営を圧迫。廃業、休業、売却が目立つ
 原油高は経営を圧迫した。また、カラカミ観光の阿寒ビューホテルの閉館は、大型ホテルの衰退を象徴する出来事でした。
  室蘭市・富士の湯温泉が08年3月で廃業
  北見市・滝の湯ニュー静林荘が08年8月で休業
  阿寒ビューホテルが08年10月20日で閉館
  登別温泉・オーベルジュゆふらんが08年10月で閉館
  白老町・湯元虎杖荘が08年11月で閉館

④施設売却後のリニューアルオープンが目立った
 日本人の旅行スタイルは、団体旅行から家族や友人との個人旅行に変化しています。対応するには、施設もサービスも変わっていかなくてはなりません。
  江差町・繁次郎温泉(旧湯乃華)08年4月
  旭岳温泉・旭岳万世閣ホテルディアバレー(旧こまくさ荘)08年6月
  小金湯温泉・湯元小金湯(旧黄金湯温泉旅館)08年3月
  ヒルトンニセコビレッジ (旧ニセコ東山プリンスホテル)08年7月
  支笏湖温泉 レイクサイドVILLA翠明閣(旧翠明閣)08年8月
  札幌市・森林公園温泉きよら(旧森林公園温泉)08年11月
  十勝川温泉・緑湯郷が再び「橘香苑」に 08年8月
  支笏湖観光ホテルを鶴雅グループが買収し09年春オープン予定

⑤三セク施設で委託管理者の撤退騒動と休館、閉鎖、営業再開
 三セク施設の営業は苦戦を強いられています。委託管理者が撤退し、次の管理者が見つからず営業再開ができないところや、しみず温泉フロイデのように、民間に売却したところもあります。
  置戸町・メモリーハウス営業再開の目途たたず
  遠軽町・白滝グランドホテル が1カ月ぶりに営業再開 08年3月
  弟子屈町・クアハウス屈斜路が08年3月で休館
  置戸町・勝山温泉ゆうゆが5カ月ぶりに営業再開 08年4月
  津別町・ホテルフォレスターくりんの里5カ月ぶりに営業再開 08年4月
  清水町・しみず温泉フロイデが2カ月ぶりに営業再開 08年6月
  北見市・滝の湯センターが10カ月ぶりに営業再開 08年10月
  喜茂別町・ふるっぷ温泉が湯量減で09年4月までに閉鎖
  夕張市・ユーパロの湯の営業は続くが委託管理者撤退騒動

⑥温泉掘削ブーム続く
 前年から、札幌圏での温泉銭湯の開業が続いています。また、既存ホテルによる温泉掘削熱も盛んです。
  札幌市・「極楽湯札幌美しが丘店」が4月オープン
  三笠市・三笠天然温泉太古の湯が6月オープン
  北広島市・札幌北広島クラッセホテルに温泉「楓楓」が8月オープンへ
  富良野市・新富良野プリンスホテルに「紫彩の湯」が10月オープン
  ニセコ町・ニセコノーザンリゾート・アンヌプリが11月から温泉利用開始

⑦野口観光がお湯重視の浴室改修
 温泉の湯の質を重視し、源泉掛け流し浴槽を造るなど、積極的な施設改修に取り組んでいるのが目を引きました。大いに期待したいと思います。

⑧火災全焼が3軒
 死傷者はなかったものの、宿の火事は大惨事になる恐れがあります。十分気をつけてほしいものです。
  ニセコ山田温泉が08年1月2日に全焼、08年12月から営業再開
  千歳市・祝梅温泉が08年1月4日に全焼、08年6月から営業再開
  川湯温泉・ホテル風月が08年4月20日に全焼

⑨登別温泉開湯150周年
 北海道を代表する温泉地、登別温泉が150周年を迎えました。記念して造られた「泉源公園」が7月20日にオープン。地域をあげて、集客の取り組みが続けられています。

⑩温泉地の復興を目指して、地域ぐるみで魅力づくり
 糠平温泉、川湯温泉など、源泉掛け流し宣言を切っ掛けにして、良質の湯をアピールする地域興しを行っています。糠平温泉では地名を「糠平」から「ぬかびら源泉郷」と変更する手続きも進めています。

 みなさん、よいお年をお迎えください。

青さんの温泉出会い旅インデックス

2008年12月31日

 これまでの、温泉情報の目次のようなものがほしいというご意見をいただきました。
そこで、地域別にまとめてみました。過去のデータは、年月別に保存されていますので、参考にしてください。見出しを統一するため、表現を少しだけ変えたものがありますが、お許しください。これまでに掲載されている温泉施設(野湯を含む)は、道南9軒、道央30軒、道北7軒、道東12軒の合計58軒です。

<道南>
■渡島・桧山
北海道一の歴史持つ知内温泉を訪ねました-1 2007年06月18日
北海道一の歴史持つ知内温泉を訪ねました-2 2007年06月19日
北海道一の歴史持つ知内温泉を訪ねました-3 2007年06月25日
道南、乙部町の光林荘の湯は最高!-1 2007年09月16日
道南、乙部町の光林荘の湯は最高!-2 2007年09月17日
野趣たっぷりの渓流を楽しむ宿-1 桜野温泉・熊嶺荘 2008年07月31日
函館のお薦めホテル-ラビスタ函館ベイ① 2008年09月11日
函館のお薦めホテル-ラビスタ函館ベイ② 2008年09月12日
道南・駒ヶ岳を望む流山温泉の魅力 2008年10月14日
初日の出と温泉-2水無海浜温泉 2007年12月26日
道南・恵山周辺の湯-①水無海浜温泉 2008年10月30日
道南・恵山周辺の湯-②恵山温泉 2008年11月10日
道南・恵山周辺の湯-③御崎温泉浜の湯ですが… 2008年11月18日
ポカポカ温まる温泉-③長万部温泉 2008年12月21日

<道央>
■石狩(定山渓、小金湯ほか)
定山渓温泉の紅葉は遅れ気味 2007年10月13日
定山渓の紅葉が真っ盛り 2007年10月22日
定山渓温泉の湯の起源をさぐる-1 2007年11月23日
定山渓温泉の湯の起源をさぐる-2 2007年11月23日
定山渓温泉の湯の起源をさぐる-3 2007年11月24日
定山渓温泉の湯の起源をさぐる-4 2007年11月25日
定山渓温泉の湯の起源をさぐる-5 2007年11月26日
定山渓温泉の湯の起源をさぐる-6 2007年11月27日
定山渓温泉「白樺の湯」を訪ねる 2007年10月14日
定山渓温泉の名湯「ホテル山水」 2007年10月15日
定山渓温泉・定山渓ホテル 2007年11月16日
黄金湯温泉旅館跡地に日帰り施設 2007年10月10日
小金湯温泉・まつの湯-1 2007年11月08日
小金湯温泉の新施設予想図 2007年11月09日
肩が凝って小金湯温泉へ2008年03月14日
GWは温泉でお花見を-1 定山渓温泉、いとう温泉 2008年04月23日*
小金湯温泉「湯元小金湯」を訪ねました 2008年04月29日
森林公園温泉が再開に 2008年10月23日
中小屋温泉に行ってきました-1 2007年04月12日
中小屋温泉に行ってきました-2 2007年04月16日
北広島市の竹山高原温泉 2008年01月27日
ポカポカ温まる温泉-①北村温泉・新篠津温泉 2008年11月27日*

■空知
ながぬま温泉に行ってきました 2007年05月02日
温泉の長期休業・万字温泉ヘビ事件-1 2007年10月06日
温泉の長期休業・万字温泉ヘビ事件-2 2007年10月07日
ポカポカ温まる温泉-①北村温泉・新篠津温泉 2008年11月27日*

■ 後志(積丹・ニセコほか)
海遊びを楽しめる温泉-1 日本海ふるびら温泉「一望館」 2008年06月17日
海遊びを楽しめる温泉-2 シララ温泉 温泉旅館北都 2008年06月19日
海遊びを楽しめる温泉-3 「リフレッシュプラザ温泉998」の1 2008年06月20日
海遊びを楽しめる温泉-3 「リフレッシュプラザ温泉998」の2 2008年06月21日
海遊びを楽しめる温泉-4 雷電温泉・ホテル観光加藤 2008年06月26日
海遊びを楽しめる温泉-5 ちはせ川温泉、モッタ海岸温泉 2008年06月30日
秘湯・朝日温泉に行ってきました-1 2007年07月09日
秘湯・朝日温泉に行ってきました-2 2007年07月19日
秘湯・朝日温泉へは積丹経由で 2007年07月19日
野趣たっぷりの渓流を楽しむ宿-2 雷電湯元・朝日温泉 2008年08月01日
ロッジチセハウスが廃業-1 2007年10月08日
ロッジチセハウスが廃業-2 2007年10月09日
ニセコに行ってきました・新見温泉-1 2007年11月30日
ニセコに行ってきました・新見温泉-2 2007年12月01日
ニセコに行ってきました・新見温泉-3 2007年12月03日
ニセコに行ってきました・新見温泉-4 2007年12月04日
ニセコに行ってきました・新見温泉-5 2007年12月04日
新見温泉の温泉水の起源についての補足 2007年12月05日
ニセコ五色温泉に行ってきました-1 2007年12月10日
ニセコ五色温泉に行ってきました-2 2007年12月11日
ニセコ五色温泉に行ってきました-3 2007年12月14日
名湯・ニセコ薬師温泉旅館-1 2008年05月02日
名湯・ニセコ薬師温泉旅館-2 2008年05月04日
名湯・ニセコ薬師温泉旅館-3 2008年05月09日
ニセコの湯巡り-①「五色の里 ニセコ山の家」 2008年08月31日
ニセコの湯巡り-②「国民宿舎雪秩父」 2008年09月16日
ニセコの湯巡り-③「昆布温泉 鯉川温泉旅館」 2008年09月24日

■胆振・日高(支笏・洞爺ほか)
虎杖浜温泉ホテルいずみで毛ガニ 2007年08月29日
秋色の支笏湖・いとう温泉-1 2007年10月25日
秋色の支笏湖・いとう温泉-2 2007年10月26日
秋色の支笏湖・いとう温泉-3 2007年10月27日
GWは温泉でお花見を-1 定山渓温泉、いとう温泉 2008年04月23日*
天然露天風呂がピンチ? 丸駒温泉 2008年04月15日
ポカポカ温まる温泉-④苫小牧のアルテン・ゆのみの湯 2008年12月23日

<道北>
■上川(表大雪)
旭岳の紅葉と旭岳温泉-1 2007年09月22日
旭岳の紅葉と旭岳温泉-2 2007年09月23日
旭岳の紅葉と旭岳温泉-3 2007年09月25日
旭岳の紅葉と旭岳温泉-4 2007年09月26日
旭岳の紅葉と旭岳温泉-5 2007年09月27日
凌雲閣・露天風呂からの絶景に酔う 2008年04月01日
美しい山に囲まれた十勝岳温泉・凌雲閣 2008年03月30日
十勝岳温泉へ向かう 2008年03月28日
層雲峡温泉と新緑に映える銀河の滝-1 2008年05月22日
層雲峡温泉と新緑に映える銀河の滝-2 2008年05月28日
層雲峡温泉と新緑に映える銀河の滝-3 2008年05月29日
大雪山系・山あいの一軒宿-1 大雪高原温泉高原山荘 2008年07月08日
大雪山系・山間の一軒宿-2 愛山渓倶楽部(1) 2008年07月14日
大雪山系・山間の一軒宿-2 愛山渓倶楽部(2) 2008年07月17日

■留萌・宗谷
名湯・豊富温泉と利尻-1 2007年09月28日
名湯・豊富温泉と利尻-2 2007年09月29日
名湯・豊富温泉と利尻-3 2007年10月01日
名湯・豊富温泉と利尻-4 2007年10月03日
名湯・豊富温泉と利尻-5 2007年10月05日
ポカポカ温まる温泉-②豊富温泉 2008年12月08日

<道東>
■十勝(東大雪、十勝平野ほか)
帯広の豚丼 2007年04月04日
糠平の温泉民宿山湖荘さんを訪ねる 2007年04月22日
大好きな糠平温泉へ 2007年04月18日
糠平温泉も海水に由来 2007年05月02日(長沼温泉の最後に記)
糠平温泉・温泉民宿山湖荘の蟹谷さん(1) 2007年05月23日
糠平温泉・温泉民宿山湖荘の蟹谷さん(2) 2007年06月05日
糠平温泉の全宿が「源泉かけ流し宣言」 2007年06月05日
野趣たっぷりの渓流を楽しむ温泉-然別峡・鹿の湯 2008年08月11日
間もなく冬季休業─然別湖の「ホテル福原別館 山田温泉」 2008年09月29日
初日の出と温泉-4 晩成温泉 2007年12月29日
大樹町・晩成温泉─ヨウ素が高濃度、赤褐色の湯 2008年02月25日
GWは温泉でお花見を-2 十勝川温泉、塩別つるつる温泉 2008年04月25日*

■釧路・根室(阿寒、川湯、釧路湿原ほか)
コタン温泉に行ってきました-1 2007年07月28日
コタン温泉「丸木舟」で創作アイヌ料理とライブを堪能 2007年07月30日
コタン温泉-冬は白鳥とともに 2007年08月02日
コタン温泉から摩周湖へ 2007年08月28日
初日の出と温泉-3コタン温泉 2007年12月28日
名湯・川湯温泉の魅力-1 2008年01月17日
名湯・川湯温泉の魅力-2 2008年01月17日
名湯・川湯温泉の魅力-3 2008年01月21日
名湯・川湯温泉の魅力-4 2008年01月22日
冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-1 2008年02月03日
冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-2 グリーンパーク鶴沼 2008年02月05日
冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-3 グリーンパーク鶴沼 2008年02月06日
冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-4 グリーンパーク鶴沼 2008年02月07日
冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-5 丘の上のレストラン 2008年02月14日
冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-6 茅沼温泉1 2008年02月16日
冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-7 茅沼温泉2 2008年02月18日
冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-8 茅沼温泉3 2008年02月18日

■網走(知床、オホーツク、北見ほか)
初日の出と温泉-1オホーツク温泉・ホテル日の出岬 2007年12月26日
北見温泉・ポンユ三光荘に行ってきました-1 2008年03月24日
北見温泉・ポンユ三光荘に行ってきました-2 2008年03月26日
GWは温泉でお花見を-2 十勝川温泉、塩別つるつる温泉 2008年04月25日*

■温泉ベストテン
青さんの道内温泉ベストテン 2007年12月31日

■その他の話題
温泉のまわりには、会いたい人がいっぱい 2007年03月30日
温泉の長期休業や廃業 2007年10月11日
温泉から帰ってきたら本が…「ママ、笑っていてね」 2007年12月05日
温泉に逃げ出したい-1 2007年12月19日
温泉に逃げ出したい-2 2007年12月20日
明けましておめでとうございます 2008年01月14日
以  上

ポカポカ温まる温泉-④苫小牧のアルテン・ゆのみの湯

2008年12月23日

 乗馬やカヌー、パークゴルフなどのスポーツや自然体験が楽しめるオートリゾート「アルテン」(苫小牧市樽前421番地4、電話0144-67-2222)に、海水なみに濃い食塩泉が楽しめる「ゆのみの湯」という温泉施設があります。

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アルテンの施設の中にある「ゆのみの湯」

 温泉水1㎏中に含まれる蒸発残留成分が35.24gと、海水と同じくらい濃い湯です。
 ちなみに、家庭用の200リットルの浴槽だと、食塩に換算して7kgも溶け込んでいることになります。

 ここの泉質はナトリウム-塩化物強塩泉(旧泉名:強食塩泉)で、露天風呂は源泉掛け流しです。この露天風呂の湯は黄土色に濁っていて湯の底が見えません。湯船に入るとき、気をつけないと段を踏み外して、つんのめることがあります。ご注意を。

 ここの湯は、食塩成分が多いのと同時に、メタケイ酸という成分も豊富です。温泉法では、メタケイ酸は温泉水1kg中に50mg以上あれば、それだけで「温泉」と名乗ることができる有効成分で、天然の保湿成分といわれます。その効果は100mg以上だと「強力な保湿効果」ということができます。ここの温泉分析書によると、189.1mgも含まれているのです。肌当たりが柔らかい、いい湯です。

 この湯の起源は、長万部温泉と同じく、古い時代に海の底で堆積(たいせき)した厚い地層に閉じこめられた化石海水です。ただ、長万部温泉の場合、湯と一緒に噴出するのがメタンガスですが、苫小牧は窒素ガスです。苫小牧の湯の貯(た)まっている地層の方が、少しばかり新しいようです。とはいえ何百万年も前の話ですが。

ポカポカ温まる温泉-③長万部温泉

2008年12月21日

 道南の長万部は、JR函館線に室蘭線が合流する、鉄道の要衝として栄えてきました。名産はカニで、駅弁の「かにめし」は有名ですね。

 ここに温泉が発見されたのは1955年(昭和30年)2月で、天然ガスの試掘中にガスと一緒に噴出しました。
 たちまち源泉付近に、わき出した湯がたまり、禁止したにもかかわらず、入浴する人であふれ、露天風呂状態になったそうです。
 町が、やむなく仮の入浴施設を造ると、11月には売店や食道、旅館が開業。あっという間に温泉街が出来上がりました。
 その後、新たな泉源も見つかり、1963年に設立した長万部温泉利用協同組合が管理し、現在8軒の温泉宿が営業しています。
 長万部駅から徒歩で約5分という街の中心部にあるので、ビジネス利用にも便利です。

 ここの温泉は、少し黄色みを帯びた透明で、しょっぱい湯です。泉質はナトリウム-塩化物泉(旧泉名:強食塩泉)。49.5℃で、ゆう出量は毎分600リットルです。
 何本かの源泉があり、含まれる成分の量にかなりの差があります。長温R6という源泉の成分を見ると、蒸発残留成分が、温泉水1㎏(約1リットル)中に30グラムあります。長温R2源泉の場合は10.4グラムです。こうした差は、地下水との混合割合の差だと考えられます。

 長万部は、海の近くですが、ここの、しょっぱい湯の起源は、現在の海水ではなく、太古の化石海水です。古い時代に海中で堆積(たいせき)した分厚い地層に取り込まれた海水で、地上から運ばれてきた植物成分などの影響を受けて変化したものと考えられています。

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長万部温泉ホテル

 長万部温泉ホテル(長万部町温泉町402番地、電話01377-2-2079)は、もともと、町営の国民宿舎でしたが、現在は民営です。
 1階に公衆浴場が、2階に宿泊者専用の浴室があります。施設は新しくはありませんが、源泉掛け流しのいい湯です。入浴料金が安いので人気があります。

 公衆浴場には8の字型の浴槽があり、小さい方が高温湯で、大きい方が中温湯です。露天風呂はありません。
 宿泊者専用の浴室は、扇形のこぢんまりした浴槽で、入り口に鍵が付いているので、家族風呂のように利用できます。
 宿泊料金は1泊2食のビジネスプランLタイプが7000円、デラックスプランDタイプが8500円です。通常、夕食には毛ガニが1人に1尾付くようです。
 
 落ち着いた雰囲気や、露天風呂、インターネット環境が整っている宿を、という人には丸金旅館(長万部町温泉町403番地、電話01377-2-2617)がお薦めです。  
 源泉掛け流しの和風旅館です。内風呂は男性浴室の檜風呂と女性浴室の石造りがあり、24時に男女入れ替えになります。露天風呂があるのはここだけです。
 料金は1泊2食、ビジネスプランが8550円、スタンダードプラン10650円、デラックスプラン12750円です。

ポカポカ温まる温泉-②豊富温泉

2008年12月08日

 化石海水が起源の濃い食塩泉の中には石油や天然ガスの発掘調査の際に発見されたものがあります。
 宗谷管内の豊富温泉はその代表といえるでしょう。1925年(大正14年)に、石油の試掘をしていて、地下800m~900mあたりから、高圧の天然ガスとともに噴出しました。めずらしいのは、温泉水に石油が混じっていることです。また、天然ガスは地元で燃料として利用されています。

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町営の日帰り温泉施設「ふれあいセンター」

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ふれあいセンターの側にある源泉井戸

 「温泉で油まみれなんて」とおっしゃる方がいるかもしれませんが、温泉ファンなら、一度は経験してほしい名湯です。
 黄色みをおびた湯は、肌触りがとても柔らかく、肌がしっとりします。長湯をしても湯疲れが少なく、実によく温まります。

 泉質はナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)です。温泉水1kg(約1リットル)中に含まれる総成分は11g以上あります。もし、食塩だけでこの濃度を作ろうとすると、家庭用の200リットルの浴槽だと、2.2kgも溶かさなければなりません。どれほど濃いのかが、わかっていただけると思います。

 豊富温泉の湯は、重曹と、メタホウ酸をかなり多く含むのですが、成分中に占める食塩の割合がダントツで大きいため、泉質名はナトリウム-塩化物泉とだけ記され、成分の豊富さが見逃されがちです。
 重曹は入浴剤によく使われている成分で、湯の肌あたりを柔らかくします。また、血管を拡張し、血行をよくするといわれています。さらに、消臭効果や洗浄作用もあります。
 メタホウ酸は、温泉水中ではホウ酸として溶けています。ホウ酸は洗眼剤に使われますが、静菌効果があるので、防腐剤にも使われる成分です。

 この豊富温泉が、いま注目を集めているのは、アトピー性皮膚炎や乾癬(かんせん)に特効があるからです。全国各地から、皮膚疾患に悩む患者さんが訪れ、湯治をされています。
 豊富温泉には、こうした患者さんが自炊して滞在できる町営の宿泊施設「湯快宿(ゆかいじゅく)」(豊富町豊富温泉、電話0162-82-2292)があり、また、町営の日帰り温泉施設「ふれあいセンター」(豊富町豊富温泉、電話0162-82-1777)には、湯治専門の浴室が設けられ、患者さんたちが、一般客に気兼ねなく利用できるようになっています。
 一般浴室の湯は、湯治浴槽とは違い、油分をろ過しています。それでも、湯の表面に薄い油膜が漂っています。

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スキー場のすぐ側にあるニューホテルサロベツ

 豊富温泉にはスキー場がありますからファミリーにもお薦めです。温泉街の一番山側にあるニューホテルサロベツ(豊富町豊富温泉、電話0162-82-1211)だと、すぐ側がスキー場です。

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ニューホテルサロベツの男性内風呂
温泉浴槽の奥に真湯の浴槽がある

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解析物が付着する温泉浴槽

 このホテルの湯は、温度を上げるため、熱湯を少し加水していますが、掛け流しです。
 浴場には、温泉浴槽のほかに、普通の水を温めた「真湯(まゆ)」浴槽と、ユニークな牛乳風呂があります。
 油膜の漂う温泉につかった後、石けんで体を洗い、真湯に入ってみましたが、石油臭はとれません。じゃあ、というので牛乳風呂に入ると、何と、石油と牛乳、両方のにおいがついてしまいました。
 とは言え、体は芯から温まりポカポカ、肌はしっとり、とてもいい温泉です。

 で、石油臭ですが、2、3日で取れます。ご心配なく。

ポカポカ温まる温泉-①北村温泉・新篠津温泉

2008年11月27日

 北海道は急に冷え込んで、11月としては20年ぶりにマイナス20℃を記録した町があります。
 寒くなってくると恋しくなるのが温泉ですね。今回は、よく温まる湯を紹介しましょう。
 入浴後、いつまでも体がポカポカする湯の代表は、「熱の湯」といわれるナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)です。
 食塩泉は、塩分が皮膚に付着して、入浴後、熱を逃げにくくするそうです。

 食塩泉は日本で一番多い泉質で、食塩成分が濃いお湯の起源は海水だといわれています。
 温泉水1㎏(約1リットル)中に、ナトリウムイオンが5.5g以上、塩素イオンが8.5g以上含まれている場合、「ナトリウム-塩化物強塩泉」と「強」の文字が付きます。

■起源はいまの海水か化石海水か
 こうした、濃い食塩泉にも、いろいろなタイプがあります。
 海に近く、海水が地層にしみこんで、地熱で温められたものや、大昔に、海底にあった地層が、当時の海水をため込んだまま成分を変化させた化石海水もあります。
 この化石海水の中には、石油や天然ガスを伴うものもあれば、そうでないものもあります。
 また、臭素やヨウ素を多く含んでいるものもあって、色もにおいも実に多様です。

■北村温泉と新篠津温泉
 最初に紹介するのは、北村温泉「北村温泉ホテル」(岩見沢市北村赤川156-7、電話0126-56-2221)と新篠津温泉「しんしのつ温泉アイリス」(新篠津村46線南3電話0126-58-3371)です。
 いずれもボーリングによって開発された温泉ですが、最初に掘り当てた深さは、北村が893m、新篠津が702mでした。かつて海の底で堆積(たいせき)した当別層といわれる地層に貯留された温泉です。
 大昔の化石海水と地中にしみ込んだ天水(雨や雪など)が混じりあっています。札幌市内で採掘される強食塩泉の井戸は、この地層からと思われます。

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北村温泉ホテルの内風呂

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しんんしのつ温泉アイリスの内風呂

 どちらも泉質は、ナトリウム-塩化物強塩泉(旧泉名:強食塩泉)で、内風呂も露天風呂も源泉掛け流し。
 北村温泉は、少し緑色がかった、いわゆる「ささ濁り」で、湯があふれ流れた浴槽や床が鉄さび色に染まっています。温泉水1㎏中の総成分は29.7gもあります。味はしょっぱくて、わずかに金気臭があります。

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北村温泉ホテルの露天風呂

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アイリスのこぢんまりした露天風呂

 アイリスの湯は鉄分が多い分、赤茶けた濁りで、総成分は29.14g。味はしょっぱく、少し金気臭があります。どちらも、よく似た成分構成です。肌当たりが柔らかく、すべすべして、とてもよく温まります。太古の時代に思いをはせ、化石海水の肌触りを楽しんでみてください。

■どんな地層からわく温泉か
 ここからは、ちょっぴり地質のお話です。興味のない方は飛ばしてください。
 いまから800万年くらい前は、札幌も、岩見沢も、もちろん北村も新篠津も、まだ深い海の底でした。北海道は2つに分かれていて、太平洋と日本海はつながっていていました。
 300万年くらい前から、地殻の動きによって、日高山脈のある東側の島と、本州側が押し合うようになって、距離が縮まってきます。海底で堆積した地層は褶曲(しゅうきょく)して押し上げられ、海が浅くなってきます。

 石狩川は太平洋に流れ出ていましたが、4万年ほど前、現在の支笏湖付近にあった火山が大噴火し、その火砕流が、湿地となっていた千歳や恵庭から札幌南部の藻岩山付近まで埋めつくしたといいます。これによって石狩川は日本海へ流れを変えました。

 6000年前は、温暖で極地の氷が溶け、海面が現在より3mほど高く、札幌の北部や北村、新篠津なども石狩湾の海底だったそうです。その後、海面が下がり、現在の陸地が現れました。

 温泉が採掘される「当別層」は、札幌市のとなり、江別市北部で、深さ1000mあたりから3500m付近まであるような、分厚い地層です。この強食塩泉をため込んだ地層は、新篠津や北村付近では、もう少し浅いところにあるのです。

道南・恵山周辺の湯-③御崎温泉浜の湯ですが…

2008年11月18日

 恵山温泉から海沿いの道々635号(元村恵山線)で、さらに先へ進むと御崎温泉浜の湯があます。御崎町内会の皆さんが使用、管理しています。

 これまで訪問者は、脱衣場にある募金箱に志を入れ、湯をお借りすることができたのですが、秘湯ブームで訪れる入浴客が増えるとともに、汚したり、散らかしたり、昼夜かまわず騒ぐなど、心ない人々も訪れ、トラブルが多発したため、現在、町内会以外の温泉利用を断っています。

 たいへん残念ですが、詳しいご紹介は、今回、見送らせていただきます。

 なお、湯は、カルシウム・ナトリウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物・炭酸水素塩泉(旧泉名:含土類・食塩-石膏泉)の源泉掛け流し。混浴です。

道南・恵山周辺の湯-②恵山温泉

2008年11月10日

 恵山岬の水無海浜温泉から国道278号にもどり、津軽海峡側の海岸に出て左折し、道々635号(元村恵山線)で恵山温泉を目指します。

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恵山温泉旅館

 恵山温泉の恵山温泉旅館(函館市柏野町117、電話0138-85-2041)は、活火山・恵山(標高618.1m)の火口原からわき出る、酸性度の高い濃厚な湯を引いています。冬季は低温の影響で泉温が下がるため休業しています。今年は温度低下が早いようで、12月中旬には休館し、4月下旬のゴールデンウイークに合わせて再開する予定です。

 ここの湯は、pH2.14という強酸性の酸っぱい湯です。温泉水に溶け込んでいる陽イオンにアルミニウムと鉄、カルシウムが非常に多いのが特徴で、陰イオンは80%が硫酸です。泉質名は、酸性・含鉄(Ⅱ)・アルミニウム-硫酸塩泉(旧泉名:酸性含明礬緑礬泉…さんせいがんみょうばんりょくばんせん)となります。

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成分が豊富な酸っぱい湯だ

 強い殺菌力があり、切り傷や皮膚病、痔疾(じしつ)に効能があると言われています。
これほど酸っぱい温泉となると、道内では川湯温泉くらいですが、成分の豊富さでは群を抜いています。
 湯は注がれるときは無色透明ですが、鉄分のせいで澄んだ褐色になります。白いタオルはオレンジ色に着色されてしまいます。石けんは泡立ちません。
 露天風呂はなく、内風呂だけですが、成分が豊富なせいでしょう、とても満足感の得られる湯です。

 また、ここの自慢は前浜の新鮮な魚介を堪能できることです。イカ漁のある時期は朝イカが山盛りいただけます。

 恵山漁港のそばにあった、大正3年から続く老舗旅館、石田温泉(函館市柏野町117-7、電話0138-85-2350)が、いまは恵山温泉のある柏野地区にあります。水害被害のために2002年に移転したのです。宿の名は「石田温泉」のままです。お湯は恵山温泉旅館と同じです。石田温泉は通年営業していますが、冬季は日帰り入浴と露天風呂が利用できない期間があります。

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2002年に移転してきた老舗旅館の石田温泉

 見どころもいっぱいです。恵山つつじ公園があるのもここで、5月~6月のシーズンには、60万本ものツツジが山を彩り、夏から秋にかけてはイカ漁の漁(いさ)り火、紅葉の季節ももみごとです。
 それと、冬にはめずらしいゴッコ(学名:ホテイウオ)料理が味わえます。

道南・恵山周辺の湯-①水無海浜温泉

2008年10月30日

 潮の満ち引きで、入浴時間が変化する、野趣たっぷりの海浜温泉があります。道南、渡島半島の東南端、恵山岬にある「水無海浜(みずなしかいひん)温泉」です。

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水無海浜温泉(写真は、いずれも、クリックすると大きく表示されます)

 恵山岬は市町村合併で函館市になりましたが、以前の椴法華(とどほっけ)村にあたります。
 国道278号(恵山国道)から恵山岬への案内表示に従って進み、椴法華港のすぐそばから、がけを登るようにつけられた道を行くと灯台のある、きれいに整備された恵山岬灯台公園に着きます。

 ここには見晴らしのよい温泉施設「ホテル恵風(けいぷ)」(函館市恵山岬町61番地2、電話0136-86-2121)があります。
 水無海浜温泉は、このホテルのそばを通って、海岸まで、一方通行路を下るとあります。10台くらいはとめられる駐車場が近くにあります。

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湯船の向こうに岩を思わせる波消し施設も設置されている

 大きな玉石の海岸は歩きやすいよう整備され、高さを違えて造った露天風呂があります。そこより少し高い位置に男女別の脱衣場があり、入浴のできる時間帯を張り出した掲示板などもあります。

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脱衣場

 海面の高さによって入浴できる場所が変わり、完全に海面下に没してしまうこともありますから、潮の状況を確認する必要があります。 
 入浴可能時間は、下記の「函館市椴法華支所」のホームページ
 http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/todohokke/
から、「観光」→「恵山岬・恵山岬灯台公園のNEX」→「水無海浜温泉の入浴可能時間」と進めば、公表されていますので、参考にしてください。

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海面下に没した湯船と恵山岬

 水無海浜温泉の泉質は、ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉で、約50℃の湯が浴槽の底の玉石の間からわき出ています。海水と混じり合いますが、温泉水はそれほど塩分を含んではいません。湯加減は潮任せで、海面が低すぎると熱くて入ることができません。

 ここの温泉は混浴ですが、海水浴もできるパブリックスペースにあります。夏場は、思春期の子どもたちも多く、水着で入る人がほとんどです。そうした時期は、男性も水着を着用するのがマナーかと思います。
 それ以外の時期はいろいろですが、水着での女性利用者がいる場合は、男性も水着を着用すべきだと、私は思います。

 また、悪天候や高波注意報が出されているような場合は、危険ですので絶対に近づかないでください。夏季は、フナムシがけっこういます。虫が苦手な方は覚悟がいるかもしれません。

 活火山の恵山(標高618.1m)の周りには、このほかにも、いくつかの温泉があります。岬の反対側、津軽海峡側の、恵山温泉や堤防の中に造られた御崎温泉「浜の湯」です。いずれも泉質が違い、温泉巡りが楽しめるところです。
 石田温泉と呼ばれていた大正3年から続く石田温泉旅館は、2002年に恵山温泉のある柏野地区に移転しています。
 ただ、恵山岬の突端(とったん)を通る道路はないため、国道278号で少し迂回(うかい)しなければなりません。

森林公園温泉が再開に

2008年10月23日

 森林公園温泉(札幌市厚別区厚別東4条7丁目1-1、電話011-897-4126)が再開したと聞いて、早速行ってきました。

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森林公園温泉 きよら

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プレオープンを知らせる張り紙

 経営が替わり、名称も、森林公園温泉「きよら」となりました。
 10月14日にプレオープンし、11月中旬に、家族風呂10室とともに正式開業になるそうです。

 ここは、露天風呂がコーヒー色をしたモール温泉で、肌がすべすべします。美人の湯で知られる十勝川温泉と同じです。札幌から北広島、恵庭、南幌、千歳、白老にかけて、こうした濃い色をした温泉があります。

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露天風呂は加温掛け流し

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足で恐縮ですが湯の色の濃さがわかりますか

 モール温泉は地層中の泥炭層を通過してわき出る湯で、肌の保湿効果があるフミン酸を豊富に含んでいます。コーヒー色もこのフミン酸によるものです。
 泉質はナトリウム-炭酸水素・塩化物泉(旧泉名:含食塩重曹泉)で、無味無臭です。露天風呂は加温掛け流しで、電解次亜塩素酸殺菌をしています。この殺菌法は塩素臭がなく、肌への刺激も少ないのが特徴です。

 この温泉の常連だったという近くに住む青年は、「再開されて本当にうれしい」と、露天風呂の長湯を楽しんでいました。

 ちなみに、プレオープン中の営業時間は、14時から22時まで、料金は大人420円です。

■道南・駒ヶ岳を望む流山温泉の魅力

2008年10月14日

 北海道の紅葉前線は道東、道央を通過して、道南に向かっています。道南は温泉の宝庫ですが、今回は大沼国定公園の流山温泉(七飯町東大沼294-1、電話0138-67-1726)をご紹介します。

 大沼国定公園には、美しい姿を見せる活火山・駒ヶ岳と、その噴火によってできた大沼、小沼、蓴菜(じゅんさい)沼などがあり、七飯町、森町、鹿部町にまたがっています。道南のリゾート地として施設が充実してきています。

 大沼のシンボル、駒ヶ岳は、激しい噴火を繰り返していますが、文書に残る最も古い記録は、1640年(寛永17年)の大噴火です。山頂付近が崩壊して岩屑(がんせつ)なだれが発生し、噴火湾まで達し、700人もの犠牲者が出ました。その後も、
 1856年(安政3年)
 1929年(昭和4年)
 1942年(昭和17年)と大噴火を繰り返しています。

 活発な火山の地下にはマグマが迫り、熱い岩体がありますから、周辺には温泉が豊富です。泉質もさまざまですから、温泉ファンには魅力的な場所です。

 流山温泉はJR北海道グループの「JRはこだて開発」が経営する日帰り温泉施設で、函館本線(砂原回り)には、「流山温泉駅」があり、すぐ近くにあるキャンプ場やパークゴルフ場も同社の経営です。

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流山温泉は流政之氏の斬新なデザイン

 この温泉の魅力の一つは、世界的な彫刻家・流政之氏による斬新なデザインでしょう。打ち砕かれた岩やなぎ倒された巨木、吹き寄せられたように積み上げられた枯れ枝は、まるで、噴火という大自然の災禍から復興に挑んだ人々の記憶をよみがえらせたようです。露天風呂から望む駒ヶ岳は、美しくも、時を超えて畏怖(いふ)するべき対象として圧倒的な存在感で迫ってきます。

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露天風呂から駒ヶ岳を望む

 もちろんいい湯です。源泉の温度が低下した場合、若干加温することがありますが、基本的に源泉掛け流しです。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉(旧泉名:含石膏・芒硝泉…がんせっこう・ぼうしょうせん)です。少し緑色を帯びた濁りがあります。
芒硝(硫酸ナトリウム)は市販の入浴剤の主成分です。温泉分析書を見ると、重曹(炭酸水素ナトリウム)もかなり含んでいて、これも入浴剤の代表的な成分。肌あたりが柔らかく、すべすべして刺激が少ないので、肌の弱い人やお年寄りにもやさしい温泉といえます。

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少し緑色を帯びた湯は肌に優しい

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内風呂からの眺めはワイルドだ

 この施設は、湯を銀イオン殺菌していますが、循環ろ過はしていません。銀イオン殺菌は、湯の通るパイプの途中に取り付ける装置で、湯に投入する塩素系殺菌剤とはまったく違って、酸化還元電位をマイナスに導きますから、湯は地中から上がってきたばかりのような新鮮さを得られるといわれています。掲揚した温泉水をタンクに貯留したり熱交換機の中を通したりするような場合に有効な殺菌方法といえるでしょう。

 もう一つ、人気なのが、レストラン「停車場」で食べられる「自家製生粉打ちそば」で有機・無農薬・無添加で、そば粉100%。そば好きにはうれしいですね。

 流山温泉は日帰り施設ですが、温泉と同じ会社が経営する「クロフォード・イン大沼」というリゾートホテルが大沼にあります。JR大沼公園駅から徒歩3分の便利さで、宿泊客は流山温泉まで送迎してくれ、入浴料が半額の400円になります。

 札幌からだと周辺観光をするにも車のほうが便利ですが、函館方面からならJRの普通列車が流山温泉駅に停まるので便利です。この駅のホームには、北海道新幹線の誘致を願って、本物の新幹線の車両が展示されています。また、流山温泉の敷地内にも客車が設置され、無料休憩所になっています。さすがJR、鉄道ファンはいろいろ楽しめるところです。

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流山温泉駅のホームに展示されている新幹線車両

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客車2両が無料休憩所になっている

間もなく冬季休業─然別湖の「ホテル福原別館 山田温泉」

2008年09月29日

 十勝管内鹿追町。大雪山国立公園の南端に然別湖があります。その観光遊覧船の発着場がある然別湖湖畔から6キロほど北に、ホテル福原別館・山田温泉(鹿追町然別湖畔、電話0156-66-2956)があります。

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大型ホテルのある然別湖畔から見る然別湖とくちびる山

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然別湖の北側にある秘湯・山田温泉

 昨年、引退のうわさが流れた名物支配人の浅野誠一さんご夫妻もご健在で、宿を切り盛りしています。
 この宿でしかいただけない山菜料理を楽しみ、温泉を堪能しました。
 温泉は、自然ゆう出の単純泉。透明で肌あたりの優しい湯で、もちろん源泉掛け流し。湯船にどばどばとおしみなく注がれ、あふれています。露天風呂はありません。

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山田温泉の夕食は山菜がたっぷり

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名物「葉っぱの天ぷら」

 山田温泉の夕食は山菜料理です。特に天ぷらは名物です(写真)。ビート以外はみな葉っぱで、以下の通りです。
 ヒレハリソウ
 アザミ
 ヨブスマソウ
 イラグサ
 ウド
 ヤマブドウ
 ヨモギ
 ビート
 それぞれ独特の風味で、塩を振り掛けていただきました。

 この温泉宿は、道路が冬季閉鎖になるため夏季のみの営業です。今年は10月12日が最終日で、以降は休館になり、来年6月1日に再開されます。

 山田温泉は、施設は古いのですが、掃除がしっかり行き届いています。
浴室と脱衣場だけは、雪で倒壊したため、昨年改修されて新しくなりましたが、50年以上前からの浴槽は健在です。

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どばどばと源泉が注がれる浴槽=男性浴室

 ただ、浴室にシャワー設備はありませんから、頭を洗うときはカランの湯を、おけで受けてかぶります。また、ヘアドライヤーがないので、持って行ったほうがいいです。シャンプー類は整っています。

 この宿は自家発電です。部屋にテレビや電話はありません。でも、ロビーで衛星放送は見ることができ、公衆電話もあります。携帯電話は、当然、圏外です。

 都会の喧噪(けんそう)を逃れ、ゆっくりとした大人の時間を過ごすのに、とてもいい宿です。
 1泊2食税込みで7000円は安いです。

ニセコの湯巡り-③「昆布温泉 鯉川温泉旅館」

2008年09月24日

 温泉に入ると、おなかがすきます。
 内臓が水圧に抗してエネルギーを消費するからだ、ということを、以前、聞いたことがありますが、本当でしょうか。別の機会に、専門家に聞いてみようと思います。

 次に訪ねる温泉は昆布温泉ですが、その前に、ソバを食べようと、ホテル甘露の森のレストランに入りました。ここに宿泊したときに夜食で食べたソバがおいしくて、気に入っています。でも、ほかのお客さんのテーブルから漂ってきたカレーの香りで、急に気が変わり「野菜カレー」をいただきました。もちろん野菜は地元のとれたて。満足しました。

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昆布温泉の鯉川温泉旅館

 昆布温泉では、鯉川温泉旅館(蘭越町湯里592、電話0136-58-2111)に立ち寄り入浴です。湯量が豊富で、大好きな湯です。
 1899年(明治32年)開業で、湯治の伝統を引き継ぐ和風旅館です。
 小滝を眺める露天風呂からは、紅葉が楽しめますから、これからの季節はお薦めです。

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タイル張りの男性内風呂

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湯口からとうとうと源泉が掛け流されている

 タイル張りで、時代を感じさせる浴室には、少し緑色を帯びた、やや濁った源泉がとうとうと掛け流されています。泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(平成17年7月22日付の成分分析書)で、メタケイ酸や遊離二酸化炭素の量も多いので、湯の肌あたりが柔らかく、飲泉もできます。
 温泉水には鉄分が含まれているので、浴槽が赤く鉄さび色に染まっています。成分が豊富で、とても満足感の得られる湯です。

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露天風呂の湯口には飲泉用のコップがあった

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小滝をながめながら四季折々の風情が楽しめる

 食事は部屋出しで、施設は少々古くても、日々、進化中です。1泊2食が8550円~10650円(税込み)という料金は割安感があります。お薦めの温泉宿です。

ニセコの湯巡り-②「国民宿舎雪秩父」

2008年09月16日

 ニセコ五色温泉から道々66号(岩内洞爺線)に入り蘭越町側へ下ると、湯本温泉郷があります。硫黄のにおいが立ちこめる「大湯沼(おおゆぬま)」があり、すぐ側にあるのが、町営の国民宿舎「雪秩父」(蘭越町湯里680番地、電話0136-58-2328)。広い露天風呂が自慢で、女湯には泥パックのできる「泥湯」もあります。

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大湯沼から各宿に温泉が引かれている

 ここには大湯沼から引いた、白っぽく灰色に濁った「単純硫黄温泉(硫化水素型)」と、独自泉源の「単純温泉」の2種類の湯があります。

 単純温泉は、少し茶色味を帯びた湯で、宿では「鉄鉱泉」と呼んでいます。湯に鉄分が含まれているため浴槽が赤茶けた析出物に薄く染まっています。ただ、温泉法や療養泉の定義を満たすほどの鉄分は含まれていません。
 でも、私は内風呂のこの湯が好きで、気がつくと、こちらにばかり入っています。湯が新鮮なように思えるのです。

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色々な浴槽がある露天風呂=男性側

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「鉄鉱泉」と呼ばれる湯は赤茶けた濁りがある

 単純硫黄泉は、灰色に濁って硫黄の香りが漂い、いかにも温泉という雰囲気を醸し出しますが、平成7年に分析した成分分析書によると、pHが4.72の弱酸性ですが、蒸発残留成分は温泉水1kg中に131mgと意外なほど少ないのです。

 ここには、昭和59年に調べた、単純硫黄泉の成分分析書も掲示されています。泉質名は同じなのですが、pHが5.84と中性に近く、蒸発残留成分は458mgと3.5倍、遊離二酸化炭素が507.9mgも含まれていました。二酸化炭素は療養泉に必要な1000mgには足りないものの、500mgを超すと十分効能が期待できるといわれていますから、いま、このお湯に入れないのは残念です。

 湯本温泉にはこのほか「ペンションアダージョ」「月見の宿 紅葉の音(あかはね)」があります。長く登山者に愛された「ロッジチセハウス」は昨年秋に廃業して現在は営業していません。

函館ベイエリアのお薦めホテル-ラビスタ函館ベイ②

2008年09月12日

 ラビスタ函館ベイのお湯は、海水なみに濃い食塩泉です。しょっぱくて、目に入るとしみます。
鉄分を含んでいるため、浴槽で茶色に濁っています。ひょっとすると石狩平野にある温泉のような、化石海水なのかなと思って成分分析書を見てみました。
 カルシウムやマグネシウム、塩素、硫酸などの項目を見ると、現在の海水組成と極めて似ていました。
 海水が地層中に浸透して温められたものだと思われます。
 この地域は、函館山もかつて火山であったように、活発な火山活動があったところです。いまも、地下深くに熱源になるような熱い岩体が残っていることが考えられます。
 食塩泉は「熱の湯」といわれ、体がよく温まります。これからの季節にはうれしいお湯ですね。

 で、源泉かけ流しのお湯もうれしいのですが、このホテルの露天風呂からの眺めが、また、すばらしいんです。
 露天風呂は屋上にありますから、山の上からだと見えないとも限りません。そこで、女性には、露天風呂に出る際に身にまとう「湯あみ着」が用意されています。バスタオルほどの大きさの布です。
 では、休憩室からの眺めもふくめ、360度の眺望をお楽しみください。逆光で暗い写真もありますが…。

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函館のお薦めホテル-ラビスタ函館ベイ①

2008年09月11日

 ニセコの湯巡りをちょっと中断して、函館の新しいタイプの温泉リゾートホテルをご紹介します。
 ラビスタ函館ベイ(函館市豊川町12-6、電話0138-23-6222)です。

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明治館のすぐ側に立つラビスタ函館ベイ

 函館といえば「湯の川温泉」がなんといっても有名ですが、このホテルは、赤れんがの倉庫が立ち並ぶ「ベイエリア」と呼ばれる場所に本年4月に完成してオープンした新しい施設です。リゾートホテルとしても、ビジネスホテルとしても利用しやすい気がします。
 私は、大沼方面を巡って、函館市内で外食をしようと、たまたま素泊まりで予約したのですが、大当たりでした。

 最上階の13階に温泉大浴場があり、源泉掛け流しの檜(ひのき)風呂などがあります。
 泉質は、塩分濃度が海水なみに濃いナトリウム-塩化物泉(旧泉名:強食塩泉)です。マグネシウムや鉄も多く含んでいます。湯口では透明な湯が、湯船では茶色の濁り湯になっています。
 内風呂からは函館山が正面で、歴史的建造物でもあるハリスト正教会やカトリック元町教会の尖塔(せんとう)も見えます。

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内風呂の檜風呂からの眺めがすばらしい

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湯口で透明な源泉が湯船では茶色に濁る

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檜風呂から函館山が正面に見える

 屋上に造られた露天には岩風呂と、源泉掛け流しで一人ずつ入る「檜風呂」「樽(たる)風呂」「陶器風呂」があります。
 露天風呂からは、函館港全体が見渡せ、海風に吹かれて湯につかっていると、時が過ぎるのを忘れてしまいました。

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露天の岩風呂

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露天の檜風呂は一人用の大きさ

 函館の観光スポットでもあるベイエリアに、いい温泉施設があれば、どれだけ便利だろうと思っていましたから、これはお薦めです。
 何年かぶりに、函館山からの夜景も楽しんでしまいました。

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函館山からの夜景

ニセコの湯巡り-①「五色の里 ニセコ山の家」

2008年08月31日

 なんだか、急に涼しくなって、私の住む、札幌市南区では、ナナカマドの街路樹が赤い実を付け、紅葉を始めています。
 ちょっと早い気がしますが、一雨ごと秋に近づき、山も里も緑が朽ちて、暖色に彩られていきます。
まさに、これからが温泉の季節です。

 ぶらりと、ニセコの湯巡りに出掛けました。
 札幌市内から小樽-倶知安経由でニセコ五色温泉をめざしました。倶知安町から道々58号(倶知安ニセコ線)を行きますが、ここは道が狭く、すれ違いに気を遣います。紅葉シーズンの週末は、あまり通りたくない道ですね。冬季は閉鎖されます。

 今回は、ニセコ五色温泉の「五色の里 ニセコ山の家」(ニセコ町ニセコ510番地、電話0136-58-2611)を訪ねました。以前、「国鉄山の家」として、長く愛されてきた山宿です。

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五色の里 ニセコ山の家

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とうとうと源泉が注がれる内風呂

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あふれ流れる浴槽の湯

 お湯は、「酸性・含硫黄―マグネシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)」で、pH2.8という酸っぱいお湯です。
 イワオヌプリ(標高1116m)の火口跡からわき出て、蒸発残留成分が温泉水1㎏中に4.865gも含まれている、成分の濃い温泉です。

 道路の向かい側にある「ニセコ五色温泉旅館」のお湯とは、成分表を比べると、少し違うのですが、まあ、ほとんど同じです。

 山の家のお風呂は、男女とも内風呂と露天風呂が1つずつあります。硫黄の香りがただよい、浴槽に注がれる湯は無色透明ですが、時間がたつと白濁して青みを帯びてきます。
肌あたりは柔らかく、満足感の得られるお湯です。

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開放的な露天風呂

 ニセコ五色温泉の湯の由来については、2007年12月14日付のブログ記事「ニセコ五色温泉に行ってきました-3」で説明しています。ご興味のある方は、過去記事を見てください。

野趣たっぷりの渓流を楽しむ温泉-然別峡・鹿の湯

2008年08月11日

 十勝管内鹿追町から車で約40分。30キロほど山の中に入ると、国設然別峡野営場があります。そこから約100メートルのところに、ユウヤンベツ川の中に突き出すようにつくられた無料の露天風呂、「鹿の湯」があります。
 手つかずの大自然と、木々に覆われた渓流を眺めながら湯につかると、長時間ドライブの疲れもどこかに飛んでいきました。

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鹿の湯

 川の流れにたとえて、人生のはかなさを書きつづった古典文学がありますが、確かに、川には、自分の内面と対座させ、感慨にひたらせるところがあります。

 この川をさかのぼると、さらに、テムジンの湯、イスゲンの湯、ピラの湯、チニカの湯などの天然露天風呂があります。石を積み上げた手作りの湯船は、一冬越すと、様相も変わります。

 夏は、全国各地から訪れるキャンパーでにぎわいますから、彼らが引き揚げた秋がねらい目です。
 ここは混浴です。女性はバスタオルなどを身に付けて入っています。

 すぐ側に、菅野温泉「七福の湯 かんの温泉」(鹿追町然別峡、電話01566-6-2848)があります。
 1913年(大正2年)開業の湯治宿で、「菅野の湯で治らない病気はない」と言われるほど、効能が知られる湯です。菅野温泉の話は、またの機会にしたいと思います。

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菅野温泉「七福の湯 かんの温泉」

野趣たっぷりの渓流を楽しむ宿-2 雷電湯元・朝日温泉

2008年08月01日

 朝日温泉(岩内町敷島内117-3、札幌予約センター電話011-281-5333、宿の衛星電話080-1870-1867)は、江戸時代の1844年(弘化元年)に開湯した歴史ある温泉です。
 電気も通じないし、無線もダメ。地上波テレビも映らない。もちろん携帯電話は「圏外」です。でも、自家発電と衛星電話で、どうにか現代社会との接点は確保できているという温泉宿です。もちろん部屋にテレビはありません。
 冬季(11月~5月初旬)は休業で、宿泊は、素泊まりか朝食付きのみで、夕食はありません。

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山道を3キロほど行くと朝日温泉に着く

 内風呂は硫黄の香りが漂い、注ぎ口の岩に透明な結晶や白い粉のような析出物が付着しています。湯は、注ぎ口では透明ですが、時間がたつと白く濁ってきます。内風呂も、混浴の露天風呂も源泉かけ流しのいい湯で、泉名は、含硫黄・カルシウム-硫酸塩泉(旧泉名:石こう硫化水素泉)です。

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女性内風呂

 沢筋に造られた混浴露天風呂は野趣たっぷりで、都会の喧噪(けんそう)を逃れてくる人々を癒やしてくれます。
 ただ、内風呂から露天風呂へは行けません。服を着て、玄関を出て、建物の裏側にまわると、沢に丸太橋が架かっていて、露天風呂があります。簡易な脱衣場もあります。
 沢の音や野鳥のさえずりを聞きながら緑に包まれて露天につかっていると、時間がたつのも忘れてしまいます。

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丸太を組んだ橋を渡って露天風呂へ

 朝日温泉へ行くには、車で国道229号を岩内町から寿都町方面へ進み、全長が3570メートルの雷電トンネルを抜け、弁慶の刀掛け岩が見えると、間もなく案内表示があり、左側に雷電温泉の入り口があります。そこから細い未舗装の山道で、3キロほど進んで、沢筋へ少し下ると、朝日温泉があります。
 天気が良くて路面が乾燥していれば、軽自動車でも大丈夫ですが、雨が降ったら、ぬかるんだり滑ったりしそうで、乗用車では危険な感じです。走行には、十分注意してください。

野趣たっぷりの渓流を楽しむ宿-1 桜野温泉・熊嶺荘

2008年07月31日

 渓流の風情を存分に楽しむことができる、大人向けの温泉宿をご紹介しましょう。
 露天風呂につかり、沢の音を聞き、小鳥のさえずりに耳を傾けていますと、川面をわたる風の感触が、実に心地よいものです。

 自然ゆう出する温泉は、川に浸食された露頭や川底から発見されることがあり、こうした立地を生かした、眺めのよい露天風呂のある宿を訪ねてみました。

 北海道で、渓谷美を楽しむ温泉といえば、まず、定山渓温泉と層雲峡温泉が挙げられますが、今回は、こうした大温泉地ではなく、部屋の中にまで、渓流の音が聞こえるような、静かな一軒宿を取り上げます。

 最初にご紹介するのが、道南、桧山管内八雲町の桜野温泉「熊嶺(くまね)荘」(八雲町桜野、電話0137-66-2564)です。
 国道5号を、八雲町市街から函館方面に10キロほどの距離にある野田生地区から道々573号を山側に約12キロ。案内看板に従って左折し、山道を300メートルほど行くと、こぎれいな一軒家のような宿に着きます。

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一軒家を思わせる熊嶺荘

 熊嶺荘のわきを流れる野田生(のだおい)川は、イワナやヤマメがよく釣れると場所として、渓流釣りの愛好家らによく知られています。宿のご主人は渓流釣りの名人で、当然、ここは、釣り人が、よく訪れる宿です。

 露天風呂からは渓流が見渡せ、四季折々風情があります。ただ、女性は、男湯を通らなければ露天風呂に出られないという問題があります。宿では、お客さんの状況を見て、浴室を男女入れ替えにするなどして、対応してくれます。

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野田生川の流れを見渡す露天風呂

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男性内風呂と床にこびり付いた温泉成分

 お湯は、ナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)で、内風呂も、露天風呂も源泉掛け流し。
 少し茶色の濁りを帯びた湯で、重曹成分もかなり含まれていますので、肌に優しく、よく温まります。

 この地域は、かつて、海の底で盛んに火山活動をおこなっていた「グリーンタフ」と呼ばれる地質で、その当時、岩石中に取り込まれた食塩成分が、湯の中に溶け出していると考えられています。成分や濃度が、定山渓温泉の湯と、似た傾向があります。

 食事は、ホタテとキノコをメーンにした、名物の「おぼこ鍋」や、川魚や山菜料理が楽しめます。また、ヤマメの骨酒もお薦めです。
 運がよければ「ヤマメの押しずし」にありつけるかもしれません。ただ、これは、ご主人の釣果にかかっています。

 野田生川の瀬音を楽しみ、山あいの一軒宿でのんびり過ごす、静かな時間は、何ものにも代え難い気がします。

大雪山系・山間の一軒宿-2 愛山渓倶楽部(2)

2008年07月17日

 大雪山系の温泉水の循環については、次の4系統があるとされています。これまでの調査を経ても、熱水経路に不明な点があり、そうした個所には、「?」マークを付けました。

 ①旭岳系(旭岳噴気→中岳温泉?→勇駒別温泉→天人峡温泉)
 ②有毒温泉系(有毒温泉→中岳温泉?→愛山渓温泉)
 ③白水川系(黒岳・桂月岳→白水川→層雲峡温泉)
 ④高原温泉系(白雲岳?→ヤンベ・高原温泉→ヤンゲタップ源泉)

 愛山渓温泉は、有毒温泉系といわれるもので、旭岳温泉や層雲峡温泉とは、熱水の系統が違っています。有毒温泉は、旭岳と黒岳の間にある御鉢平という大噴火口跡にあります。御鉢平の中は有毒ガスが発生するため、立ち入り禁止になっています。

 この有毒温泉は、温度が82度で強い酸性です。それが、登山道の脇にゆう出する中岳温泉になると、温度は54度に下がり、弱酸性になります。さらに、愛山渓温泉まで下ると、49度中性の湯になるのです。

 標高の高いところから、地中を下流に向かって流れる熱水が、地層中の岩石と反応し、地下水の混入も受け、成分も温度も変化するのです。そんな旅をしてきたお湯に思いをはせながら、大雪山系中心部から生まれた、ここだけでしか味わうことができない温泉を堪能してください。

大雪山系・山間の一軒宿-2 愛山渓倶楽部

2008年07月14日

 パソコンに、ウイルスチェックソフトのバージョンアップをしている最中に、不具合が生じて、ダメになってしまいました。
 で、ご紹介しようと準備しておいた原稿も、写真も全滅。パソコン内の保存データは、すべて消え去ってしまいました。 とはいえ、ブログの更新をお待たせして申し訳ありません。みなさん、バックアップはこまめに取りましょう。

 気を取り直して、書き直しました。

 今回ご紹介するのは、愛山渓温泉・愛山渓俱楽部(くらぶ)(上川町愛山渓、電話01658-2-3887)です。
 旭川方面からだと、国道39号で、上川管内愛別町を抜け、上川町安足間(あんたろま)地区をすぎて間もなく、案内看板に従って、道々223号へ右折します。その後は、ひたすら上り詰めると、標高1030メートル地点に愛山渓倶楽部があります。

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愛山渓倶楽部の外観

 以前は途中から砂利道でしたが、現在は、温泉まで舗装道路になりました。
 ただ、雪で道路が閉ざされる冬季(11月から4月まで)は営業していません。

 ここは、北海道第二の高峰である北鎮(ほくちん)岳(標高2244m)への登山口としても知られ、黒岳のある層雲峡方面に縦走したり、旭岳のある旭岳温泉方面に抜けたりすることもできるので、登山家たちに人気があります。

 お湯は、ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉(旧泉名:含正苦味-重曹泉)の源泉掛け流しです。鉄分を含むため、浴槽や床は鉄さび色の析出物がこびりついています。湯は、白っぽく濁っていて、口に含むと、強い金気臭があります。
 内風呂だけですが、満足感の得られる、いいお湯です。

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鉄分で赤く染まった浴室

大雪山系・山あいの一軒宿-1 大雪高原温泉高原山荘

2008年07月08日

 夏は、海もいいけど山が好き、という人には大雪山系の温泉旅をお勧めします。
 黒岳(層雲峡温泉)や旭岳(旭岳温泉)なら、ロープウエーを利用すると、手軽に高山に足を運べます。十勝岳(白金温泉、吹上温泉)なら、雄大な風景を楽しめる望岳台まで車で行けます。
 登山者に愛される、数ある温泉の中から、登山の素人でも高山の雰囲気を楽しめる、山あいの一軒宿をご紹介しましょう。

 最初は、大雪高原温泉「高原山荘」(上川町層雲峡高原温泉、電話01658-5-3818)です。住所は「層雲峡」となっていますが、層雲峡温泉とは約25キロ離れていて、標高1240mの高所にある一軒宿です。
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高原山荘の外観

 秋の紅葉時期には、シャトルバスが運行され、一般車両の乗り入れが規制されますが、夏季は大丈夫。大雪湖沿いの国道から、細い山道を登ります。

 この温泉宿は、雪に閉ざされてしまうため、6月上旬から10月上旬まで、年に4カ月間しか営業しない、まさに、秘湯です。一周6㎞の高原沼巡りハイキングが人気です。

 本格的な登山になりますが、お花畑がきれいな緑岳(標高2019m)や、白雲岳(標高2229.5m)を経由して黒岳や旭岳方面に向かう縦走もできます。

 ただ、ここはヒグマの生息地です。高原沼巡りをする場合も、「高原山荘」のそばにある「ヒグマ情報センター」で入山の受け付けをし、注意事項の説明を受けてください。服装などは、軽登山程度の装備が望ましく、軽登山靴か長靴を準備していきましょう。
 入山は午前7時から午後1時まで、下山は午後3時までと規制されています。

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高原山荘の側にある「ヒグマ情報センター」

 温泉は白濁する酸性硫化水素泉で、その香りが温泉気分を満足させてくれます。湯は、源泉温度が高いため、2割ほどわき水を加水してかけ流しています。

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男性内風呂

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開放感のある男性露天風呂

海遊びを楽しむ温泉-5 ちはせ川温泉、モッタ海岸温泉

2008年06月30日

 後志管内島牧村には、泉質のくっきり異なる3つの温泉宿がありますが、今回、お薦めするのは、「ちはせ川温泉旅館」と「モッタ海岸温泉旅館」です。

 島牧村には、砂浜の、大平海岸や江ノ島海岸に海水浴場があり、毎年、家族連れでにぎわいます。宿まで、多少距離はありますが、値段が安く、温泉も上質。食事は、近海の生きのいい魚介を味わうことができます。

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ちはせ川温泉旅館の外観と露天風呂

 ちはせ川温泉旅館(島牧村江ノ島、電話0136-74-5409)は、国道229号から約6キロ山側に入ります。
 温泉は、鉄分を含む、赤茶けた色の湯で、源泉を若干加温し、かけ流ししています。泉質はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(旧泉名:含食塩-重曹泉)です。
 道南の名峰・狩場山(標高1520m)の登山口でもあり、登山客にも人気の宿です。
 食事はウニやアワビなど、地場の旬の魚介を使った海鮮料理が自慢です。

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モッタ海岸温泉旅館の外観と露天風呂

 モッタ海岸温泉旅館(島牧村栄浜362-1、電話0136-74-5336)は、開湯からまだ33年ですが、腰痛や骨折などのリハビリに効果が顕著だと、評価が年々高まっています。
 温泉は源泉かけ流しで、泉質は食塩硫化水素泉。天然ラジウム含有量は、鳥取県の三朝温泉なみで、道内随一。海を見渡せる内風呂と露天風呂があります。
 食事は、近海の旬の魚介が多彩に食卓を飾り、施設も新しく、温泉ファンの人気宿にもなっています。

海遊びを楽しむ温泉-4 雷電温泉・ホテル観光加藤

2008年06月26日

 海に沈む夕日の美しさを満喫するなら、雷電温泉の「ホテル観光かとう」(岩内町雷電温泉、電話0135-62-1425)がお薦めです。
 見晴らしのいい露天風呂から「弁慶の刀掛け岩」を眺め、海風に吹かれながら、輝くように透明で美しい湯を楽しんでください。

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見晴らしのいい露天風呂から眺める「弁慶の刀掛け岩」

 泉質は、カルシウム-硫酸塩泉(旧泉名:石膏泉)です。肌当たりは軽いのですが、しっかり温まります。石膏泉は、精神の鎮静効果がありますから、のんびりリラックスしたい人にはぴったりですね。

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湯船からは源泉がとうとうとあふれ流れている

 近くには、雷電海水浴場があり、岩場ではカニ釣りなど、磯遊びを楽しめます。キャンプ場は、岩内町市街の山側、ニセコいわない国際スキー場の西側に、設備の整った「いわないオートキャンプ場Marine View(マリン・ビュー)」(岩内町野束350-8、電話0135-61-2200)があり、コテージもあります。

海遊びを楽しめる温泉-3 「リフレッシュプラザ温泉998」の2

2008年06月21日

 ここの源泉は、あまりに、濃くて、パイプが1カ月ほどで詰まってしまうのと、温度が60.6℃と高いため、地下水を少し加水し、「スケール除去剤」という薬剤を使っています。そのため、実際に湯船に注がれている湯は、ほぼ、海水なみの濃度になっています。それでも、十分に濃いです。

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リフレッシュプラザ温泉998の露天風呂

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露天風呂の湯船に付着した析出物

 ちなみに、家庭用浴槽(200リットル)に、海水並みの湯をつくるには、7キログラムの塩を投入しなければなりません。大変な量が溶け込んでいることがわかります。

 脱衣場には、源泉と湯船に投入している湯の、両方の成分分析表が、きちんと掲示されています。
少し、残念なのは、源泉には二酸化炭素(炭酸)が、温泉水1キログラム中に412ミリグラムも含まれているのに、42.2ミリグラムまで減少していることです。

 この濃い源泉の由来を考えてみましょう。現海水の影響が強いと、当然、海水と組成が似てきます。海岸に近くても、天然ガスや石油を伴うような化石海水なら、硫酸成分が消え、マグネシウム、カルシウムもかなり減少します。
 リフレッシュプラザ温泉998の場合は、マグネシウムが5分の1に減り、硫酸も半減していますが、ナトリウムは1.5倍に、カルシウムも若干増えています。化石海水とまではいえないものの、地層中で岩石とのイオン交換がかなり行われているとみられますから、現海水の影響を強く受ける古い海水といったところでしょうか。

海遊びを楽しめる温泉-3 「リフレッシュプラザ温泉998」の1

2008年06月20日

 海水の1.3倍の濃さという源泉をもつのが、後志管内神恵内村にある「リフレッシュプラザ温泉998」(神恵内村大川116-1、電話0135-76-5100)です。

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海水浴シーズンにはにぎわいをみせる前浜海水浴場

 神恵内村には、「前浜海水浴場」があります。キャンプができる「青少年旅行村」(電話0135-76-5148)も近くにあり、ロッジやバンガローが整っています。
 ただ、残念なことに、同旅行村の入り口にあった温泉施設「竜神荘」が、温泉の湯量が減って、昨年11月から休館しています。再開の見通しは立っていません。
 でも、同旅行村からリフレッシュプラザ温泉998までの距離は、約4キロ。車でならすぐです。

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休館中の竜神荘

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リフレッシュプラザ温泉998

 浴室には、サウナや気泡湯などもありますが、温泉水を使っているのは主浴槽と露天風呂です。鉄分の影響で、黄土色に濁った、塩分の濃いお湯です。重曹成分も多く含まれ、肌当たりがなめらかで、つるつるします。

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黄土色をした濃い温泉=男性露天風呂

海遊びを楽しめる温泉-2 シララ温泉 温泉旅館北都

2008年06月19日

  シララ温泉・温泉旅館北都(積丹町西河町14-2、電話0135-46-5800)は、積丹半島の先端、積丹岬と神威岬の中間付近の、国道229号沿いにある一軒宿です。
 温泉ファンと、海釣りの愛好者には知られた穴場といえる温泉宿です。
 釣り船プランや用具のレンタルもあり、手ぶらで訪れても船釣りが楽しめます。前浜の新鮮な魚介料理が食べられるレストランも併設していて、温泉同様に日帰りでも利用できます。

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神威岬もすぐそばにある

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温泉旅館北都の外観

 海水浴は、道立の野塚キャンプ場(問い合わせ先:0135-44-2111積丹町商工観光課)が2㎞ほど積丹岬側にあり、にぎわっています。ただ、正式な海水浴場ではないため、監視員などはいませんので、安全管理は自己責任ということになります。設備は、水洗トイレなどが整っています。

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温泉旅館北都の男性浴室からは日本海が望める

 シララ温泉は、海辺にあるのに、食塩成分が少ない、ナトリウム-炭酸水素塩泉(旧泉名:重曹泉)で、二酸化炭素(炭酸)を、たくさん含んだ湯です。源泉を、そのまま湯船に注いで、かけ流しにしています。鉄分を含むため、少し赤みをおびています。

 浴室はこぢんまりした内風呂だけですが、温泉水1㎏中に652.5㎎も炭酸を含んでいるため、全身に気泡がまとわり付き、血行を促進してくれます。重曹泉特有の、肌当たりが柔らかで、疲れない湯です。

■海遊びを楽しめる温泉-1 日本海ふるびら温泉「一望館」

2008年06月17日

 心地よい初夏の日差しが戻ってきました。北海道神宮祭も終わり、中学、高校の制服も夏服に衣替えです。
 そこで、夏を先取りして、海遊びを楽しめる、お薦めの温泉を紹介しましょう。

 最初は、後志管内古平町の歌棄(うたすて)海水浴場と「日本海ふるびら温泉 一望館」(電話0135-42-2290)です。温泉に宿泊施設はありませんが、歌棄海水浴場の山側には、キャンプ場の「家族旅行村」(電話0135-42-4200)があり、5人用「ケビン」が10000円+入村料(大人500円、高校生以下300円)で借りられます。
 家族旅行村から海水浴場までは、徒歩で5分くらい。温泉の「一望館」まで、車で5分ほどです。家族連れにお薦めですね。

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高校の校舎を利用してつくられた「一望館」

 そこで、一望館のお湯ですが、泉名はナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)です。鉄さび色をした、濃い食塩泉で、若干の加水と塩素消毒をしていますが、循環ろ過はしておらず、かけ流しています。露天風呂はありません。
 内風呂は四角い浴槽が2つに仕切られ、42度と40度に調整されています。

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鉄さび色の濃い食塩泉がかけ流されている

 一望館は、旧古平高校の校舎を利用してつくられ、見晴らしのいい、高台にあります。

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一望館のある高台からの眺め

層雲峡温泉と新緑に映える銀河の滝-3

2008年05月29日

 層雲峡温泉は大雪山系黒岳(標高1984m)のふもとにあり、黒岳ロープウェイとペアリフトを乗り継ぐと7合目まで行けます。でも、訪れた日は、リフトの切り替え工事期間で運休でした。5月30日からは運行されます。北大雪の雄大な眺めを楽しめます。

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層雲峡黒岳ロープウェイ駅

 銀泉閣は、層雲峡で一番ロープウエー駅に近い宿で、夏山シーズンになると、多くの登山者が訪れます。そんな登山者を迎えてくれるのが、宿独自で設置した足湯と飲泉所です。
 足湯には、足の血行を回復させ、疲れを癒やす効能があるといわれています。湯に足をつけているだけで、全身が温まってきます。一度、試してみてはいかがでしょうか。

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銀泉閣の足湯「足つぼの湯」の外観(上)と内部

 温泉水は、ミネラルが多く含まれているため、「飲む野菜」とも言われます。鉄分やカルシウム、ナトリウム、マグネシウムなどを豊富に含んだ温泉水を、飲んでみてください。
 無味無臭で、飲みやすいのですが、一回に飲む量は100ml から200ml までで、1日に飲む量は、1000ml までとされています。

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新鮮な温泉水を飲むことができる銀泉閣の飲泉所

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層雲峡の銀河の滝

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層雲峡の新緑

層雲峡温泉と新緑に映える銀河の滝-2

2008年05月28日

 銀泉閣の湯は、7種類の自家源泉を混合しています。無色透明、無味無臭で、混合した湯は57℃になり、pHは7.6です。脱衣場には、この混合した湯の成分分析書が掲げられています。

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もうもうと湯気の立ち上がる内風呂=男湯

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露天風呂は少しぬるめで長湯ができる=男湯

 男女とも、内風呂と露天風呂に湯船が1つずつあります。湯は、42℃に調整していますが、露天風呂の方が若干ぬるめです。また、サウナもあります。
 加水も加温もしていない源泉が、湯船から、とうとうとあふれていて、心地よく、肌触りも柔らかです。

 湯に含まれる蒸発残留成分は1㎏中に0.459グラムで、泉質は単純泉です。
 定山渓温泉の湯と比べてみますと、定山渓の湯は、ナトリウム-塩化物泉(食塩泉)で、3グラム以上の成分が含まれていますが、そこから、食塩成分を全部抜き取ると、大ざっぱではありますが、似たような成分構成になります。主な成分が、重曹(炭酸水素ナトリウム)と芒硝(硫酸ナトリウム)ですから、入浴剤のようですね。

 銀泉閣と同じ濃さの湯を家庭の浴槽(200リットル)でつくるには、入浴剤(30グラム)が3袋必要です。それなりの量が含まれていることがわかりますね。

層雲峡温泉と新緑に映える銀河の滝-1

2008年05月22日

 激しい風雨をついて、層雲峡温泉まで行ってきました。高速道路を利用すると、札幌インターから2時間半ほどで着きます。これなら日帰りも可能です。
 本当は、温根湯温泉まで行きたかったのですが、出掛けるのが遅れたため、無理をしないことにしました。なんせ、私のワゴン車は、強風にあおられて、ハンドルがとられます。安全第一です。

 今回の目的は、温泉と、新緑に彩られた「銀河の滝」です。層雲峡は、サクラやツツジは少ないのですが、新緑の風景には見応えがあります。

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新緑に映える銀河の滝

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銀泉閣(左)

 今回の温泉宿は銀泉閣です。お土産店などが軒を連ねる「層雲峡キャニオンモール」にあり、一見、山荘風の外観ですが、和室中心の和風温泉ホテルです。
 収容人員が1000人規模の大型ホテルが立ち並ぶ温泉街にあっては小規模な宿ですが、自前の源泉を持ち、すべて源泉かけ流しの良質な湯を提供しています。
食事は夕食も朝食も部屋出し。地場で採れた山菜など、一手間かけた料理が並びます。

名湯・薬師温泉旅館-3

2008年05月09日

 薬師温泉は開湯が1891年(明治24年)という伝統のある温泉です。古くは「成田屋」という名前でした。開湯以来、湯治の伝統を受け継ぐ名湯です。

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薬師温泉旅館の外観

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成田温泉と書かれた1957年(昭和32年)当時の成分分析書

 薬師温泉は、1917年(昭和6年)に鉄道省が発行した「温泉案内」によると、昆布温泉の中の一つとして紹介されています。昆布温泉には7つの湯宿があり、①成田②黒沢③湯本④青山⑤宮川⑥紅葉谷⑦仁世古(にせこ)です。
 この中で、駅から一番近く、交通の便もいいとされたのが、現在の薬師温泉で、成田の「成田屋」と黒沢の「保楽園」という二軒の湯治宿がありました。ちなみに函館線昆布駅から4キロで、道路が整備され、自動車や馬車が行き来していましたが、駅から徒歩で行く人も多かったようです。
 ただ、記述には「設備は完全とはいえない。主として自炊制で、付近からは岩魚(イワナ)や山女(ヤマメ)などがとれる」とあります。

 湯本は現在、国民宿舎「雪秩父」などのある湯本温泉、青山、宮川、紅葉谷は現在の昆布温泉で、仁世古は現在の五色温泉です。かなり広い範囲が、昆布温泉だったんですね。

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現在の湯本温泉にある国民宿舎「雪秩父」

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現在の昆布温泉の老舗「鯉川温泉旅館」

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現在の五色温泉「ニセコ五色温泉旅館」

 このほか、「温泉案内」にはニセコ地域で、蘭越町の新見温泉と、倶知安町の山田温泉が掲載されています。いずれも、名湯ですね。

名湯・薬師温泉旅館-2

2008年05月04日

 ニセコ周辺の地図を見ていただくとわかりますが、ニセコアンヌプリの北側にあるイワオヌプリ(標高1116メートル)の旧噴火口近くから、南の蘭越町昆布の尻別川付近までの間に、たくさんの有名温泉があります。標高の高い方から主なものをあげると
ニセコ五色温泉
ニセコ湯本温泉
ニセコ昆布温泉
ニセコ薬師温泉
ニセコ昆布川温泉
となります。
 いずれも、イワオヌプリ周辺の地下にある同一の熱源に由来する温泉と考えられますが、泉質がくっきり違っていて、湯巡りには最適です。私は、このコースが大好きで、その日の気分で2、3カ所立ち寄ります。

 薬師温泉の湯の起源については、次のようなことがわかっています。
 雨や雪などの天水が、最近の火山活動で堆積(たいせき)した第4系火山岩類の地層からしみ込み、いまから1400万年ほど前に海底で盛んに火山活動をしていたときにできた、比較的に浅いところにある第3系火山岩類の層にたまり、200~220℃の熱で温められ、火山性の二酸化炭素ガスを取り込み、わき出してきたものです。この間に数年(5年くらい?)を経過しているそうです。

 温泉成分は、平成18年11月に分析していますが、その前は昭和32年3月25日の分析でした。新しい分析では、過去のものより、全体的に含有成分がほんの少しだけ少なくなっていますが、全体的なバランスは同じといえましょう。ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、炭酸ガス(二酸化炭素)をたくさん含んでいます

名湯・ニセコ薬師温泉旅館-1

2008年05月02日

 きょう、ニセコ薬師温泉旅館(蘭越町日の出370、電話0136-58-3057)に行ってきました。一年半ほど前に訪れたときには、おじいちゃんと、客に「いらっしゃい」の一言もない、やる気の見られない若者一人が応対していました。施設内は雑然としていて汚らしく、脱衣所も浴室も、まったく掃除が行き届かず不潔でした。
 いくら名湯といわれる温泉でも、これでは、とてもお薦めはできない、という思いを抱いていました。

 ところが、どういうわけか、きょうの朝、突然、「薬師温泉に行きたい」と思ったのです。なぜだかは、まったくわかりません。
 風邪は、まだ鼻のまわりに残っているのですが、体力は回復しつつあります。こういうときは、行くしかありませんね。さっそく、車で、札幌から中山峠を越え、留寿都村からニセコ方面を目指しました。

 定山渓付近は、新緑の中に満開のサクラが咲き、のどかで、柔らかな色彩に包まれています。中山峠の緑はまだこれからですが、天気がよく、少しかすんだ羊蹄山をながめながらのドライブは快適でした。

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ぬる湯の名湯・ニセコ薬師温泉旅館

 蘭越町にあるニセコ薬師温泉旅館は山あいの一軒宿です。
 施設の向かいに設置してある自動販売機で入浴札を購入します。大人300円という安さです。

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自動販売機は宿の玄関の向かいにある

 のれんをくぐると、施設は古いままですが、なんと、きれいに片づいているではありませんか。管理する人が変わっていました。
 脱衣場も浴室もこれならOKといえる状態です。部屋もきれいになったそうです。今度は、泊まりに来ようと決めました。

 薬師温泉には内風呂が2つあります。両方とも泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(旧泉名:含重曹-食塩泉)ですが、一つは「透明湯」、もう一つは「濁り湯」と呼ばれています。
 「透明湯」は、もともとは一つの浴槽を、いまは、しっかり湯船の底まで男女に仕切っていますが、「濁り湯」は混浴です。いずれも、浴槽の底から温泉がぷくぷくとわき出ていて、かけ流しです。これ以上新鮮な湯はありませんね。

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「透明湯」は男女半分ずつ完璧に仕切られている=男湯

 最初に入ったのは「透明湯」です。こちらは、湯船の底まで見える澄んだ湯で、深さが120センチくらいあります。深いです。小さな子どもは背が立ちません。プールのように、はしごで出入りします。
 湯に炭酸が含まれていて、全身に気泡がつきます。少し、甘いような、しゅわっとした味がし、金気臭があります。温度は37℃くらいでしょうか、ぬるいです。でも、長湯をしているうちに、額に汗が伝わってきました。

 いったん、脱衣所で服を着て、「濁湯」に移りました。こちらは、赤茶けた色に濁っていましたが、この色は、日によって変化するのだそうです。こちらは混浴ですが、私のほかに客はいません。ぜいたくな独り占めです。

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湯の色が日ごとに変わるという「濁湯」は混浴

 こちらも、けっこう深いのですが、足をかけたり座ったりできる段差があるので、はしごはついていません。平成18年11月の成分分析書によると温度は36.3℃となっていますが、それよりだいぶん温かく、たぶん、39℃くらいはあるのではないでしょうか。ぬるめですが、温まれます。気温が上がってくると、湯の温度も上がってくるのだそうです。

 「濁湯」に先に入ると、「透明湯」が冷たく感じてしまいますから、ぜひ、「透明湯」から入ってください。ただ、濁湯は混浴なので、苦手な方は、透明湯で、汗がしたたるまで長湯をしてください。湯冷めはしないはずです。

小金湯温泉「湯元小金湯」を訪ねました

2008年04月29日

 ゴールデンウイーク(GW)を、皆さんはどうお過ごしですか。
 私は風邪をひいてしまいました。微熱があって、ひどい鼻炎と、少々の咳(せき)が出ます。少年野球の応援で、霧雨の降る早朝からグラウンドにいたのが原因のようです。すっかり冷えてしまいました。

 こういうときは温まるに限ると思って、小金湯温泉に3月末にオープンした日帰り温泉施設「湯元小金湯」を訪ねました。サクラがちょうど満開です。

 廃業した「黄金湯温泉旅館」を、隣接する小金湯パークホテルを経営する工藤産業(本社・札幌市)が購入し、同パークホテルをリニューアルすると同時に、黄金湯温泉旅館跡地に日帰り温泉施設を新設し、統合しました。

 浴槽の湯は、源泉を加温し、循環と放流を組み合わせ、銀イオン殺菌と塩素系薬剤による殺菌をしています。湯は無色透明で、肌がツルツルします。
 ただ、施設が新しいため、新築独特の溶剤やコンクリートのにおいが強く、温泉風情を醸し出す硫黄のにおい(硫化水素臭)が立ちこめるようになるには、いましばらくかかりそうです。

 入浴料金は大人800円で、タオルとバスタオル、浴衣がセットになっています。小学生は浴衣なしで450円です。げた箱や脱衣ロッカーが、いちいち100円玉を用意しなくても利用できることなど、配慮が行き届いています。
 フロントの応対もよく、ゆったり時間を過ごそうという人にはいいでしょう。ただ、ドライヤーを使うときのヘアブラシやクシは用意されていないので、持参しましょう。

 となりにある「旬のお宿まつの湯」が2時間大人500円、小人300円、1日大人1000円、小人600円ですから、値段設定に絶妙なバランスを感じます。
 私の好みでいうなら、いまのところ「まつの湯」のほうが、湯に力があるような気がします。小金湯温泉の両施設が競い合って、いい湯とサービスを提供してもらえることを期待します。

 ちなみに、風邪は悪化しました。あたりまえか!

GWは温泉でお花見を-2

2008年04月25日

 帯広市の隣町、音更町の十勝川温泉もちょうどGWあたりが見ごろになりそうです。「音更サイクリングターミナル・はにゅうの宿」は、桜がいっぱいある十勝ガ丘公園のすぐ上にあるのでお薦めです。また、音更町の鈴蘭(すずらん)公園は桜の名所で、ライトアップされ、夜桜見物が楽しめます。

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桜の木の後ろが「はにゅうの宿」=十勝ガ丘公園から

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「はにゅうの宿」の大きな湯船には源泉がかけ流されている

 十勝川温泉は、「美人の湯」として知られています。亜炭層からゆう出する温泉には、植物性成分であるフミン酸が含まれていて、この成分には肌の保湿効果があります。
 ここのお湯の色はフミン酸によって褐色です。肌当たりは柔らかく、軽いのですが、色のせいなのか、とても満足感の得られるお湯です。露天風呂はありませんが、料金が安く、応対もさわやかで、気に入っています。

 北見市留辺蘂付近もゴールデンウイーク(GW)後半が見ごろになりそうです。
 「塩別つるつる温泉」、「滝の湯温泉ニュー静林荘」、「北見温泉ポンユ三光荘」は、いずれも私のお気に入りです。肌がつるつるする透明な湯です。また、温根湯温泉のツツジの季節も間もなくです。
 塩別つるつる温泉の露天風呂からは桜が眺められます。また、旧館の内風呂「竜神の湯」は地元の温泉通に好まれています。

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塩別つるつる温泉の露天風呂

GWは温泉でお花見を-1

2008年04月23日

 好天が続いて、すでに、札幌市内では桜が咲き誇っています。ことしのゴールデンウイーク(GW)は、家族や友人らと、温泉花見に出掛けませんか。

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 そこで、ゴールデンウイークにお花見を楽しめる温泉を探してみました。
 いま、道南の松前はソメイヨシノが満開です。全道的に、1週間から10日ほど、開花が早いようです。 例年、5月10日前後から開花するところが狙い目ですね。札幌近郊では定山渓温泉や支笏湖周辺が該当します。

 定山渓観光協会では「もう、桜が咲き始めましたよ。ゴールデンウイークは、真っ盛りになりそうです。散策路では、エゾエンゴサク(青)やカタクリ(ピンク)、ニリンソウ(白)など、いま花盛りです」と来訪を呼びかけています。また、恒例の「渓流こいのぼり」も5月11日まで、さわやかに渓谷を彩ります。

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いとう温泉露天風呂の入り口

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いとう温泉露天風呂(男性側)

 支笏湖ビジターセンターは、「桜はゴールデンウイークがちょうど見ごろになりそうです」とのこと。支笏湖温泉、いとう温泉、丸駒温泉と、どこもお薦めですね。ただ今年に限っては、丸駒温泉の天然露天風呂と、いとう温泉露天風呂は、支笏湖の水位が低いため、湯が少なく温度も低めです。予約の際に状態を確認したほうがいいかもしれません。
 支笏湖温泉は、全国的にも数が少ない、純粋な重曹泉で、湯につかると、肌が、セッケンを塗ったようにツルツルします。特に、支笏湖北海ホテルは、源泉を若干加温するだけで、かけ流しにしています。お薦めです。

天然露天風呂がピンチ? 丸駒温泉

2008年04月15日

 支笏湖の丸駒温泉旅館に行ってきました。
 好天に恵まれ、恵庭岳や風不死(ふっぷし)岳がくっきり望めました。
 丸駒温泉は、支笏湖の地底からわき出る天然露天風呂が魅力です。

 昨年秋に訪れたときには露天風呂の水深が95センチで、ちょうどいい深さでした。でも、今年の春は、支笏湖の水位が低く、露天風呂は深さが50センチあるかないかです。わき出てくるあぶくも見えず、すぐさめてしまうからでしょう、湯は35~36℃くらいの低温でした。
小学生の二男がしゃがんで入っても、湯が胸のあたりまでしかなく、くしゃみが出たので、早々に退散しました。私は、この露天風呂が大好きで、本州からのお客さんを伴って、よく訪れるのですが、今年はピンチです。

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水位の低くなった天然露天風呂
(すべての写真はクリックすると拡大されます)

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支笏湖と露天風呂を結ぶ水路部分

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昨年秋の天然露天風呂。水位は95センチだった。

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昨年秋は水路に湖水が満ちていた

 昨年の6月は、支笏湖の水位が高くて、男性露天風呂の深さが137センチもありました。2000年6月には160センチにもなったことがありますが、このときは、80年ぶりという記録だそうです。大人でもおぼれてしまいますね。
ですから、ここの露天風呂には、救命浮輪が備え付けられています。本当です。

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昨年の救命浮輪。今年は脱衣所の棚の上に

 男性浴室には温度の違う3つの浴槽があり、さらに、見晴らしのいい展望露天風呂があります。このお湯は、時間がたつと鉄分のせいでうす茶色ににごります。泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉(旧泉質名:含土類・石膏-食塩泉)です。すべて源泉かけ流しのいい湯です。

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見晴らしのいい、展望露天風呂=昨年秋

 ここの湯守さんは、毎日、午後11時から清掃にかかります。まず、湯をすべて抜き、男性内風呂の一番大きな浴槽から掃除を始めます。それは、湯をためるのに時間がかかるからだそうです。掃除は、機械ブラシをかけ、それから手作業で隅々をこすります。床や洗い場など、すべての作業が終えると、朝になるそうです。

 浴槽の温度管理が一番難しいと言います。源泉の湯量と気温、天気など、さまざまな要因が関係するんですね。
 天然露天風呂は自然任せです。支笏湖の水位ばかりは、いかんともし難いようです

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支笏湖の対岸、モーラップから恵庭岳を望む。
恵庭岳のすそ野が湖に接する部分に丸駒温泉がある。

凌雲閣・露天風呂からの絶景に酔う

2008年04月01日

 凌雲閣は1963年(昭和38年)開業ですが、1992年に大改修され、私がよく訪れていた時代とはすっかり変わっています。混浴だった露天風呂も、このときから男女別々になりました。ただ、落ちてきたらおしまいだなと、いつも考えてしまう男性浴室の大岩は健在です。

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男性露天風呂からカミホロカメトク山(中央)を望む

 大きな浴槽と露天の湯は、鉄分のために真っ茶色です。小浴槽は透明ですが、酸性度が高く酸っぱい湯です。どちらの湯も、肌触りは柔らかいのですが、きしきしした感じです。
 ポンユ三光荘の湯が透明でアルカリ度が高く、ツルツルするのとは正反対と言えるかもしれません。

 凌雲閣のように酸性度の高い温泉は、火山の噴気口に近いところからゆう出します。硫黄山に近い川湯温泉や、イワオヌプリの山腹にあるニセコ五色温泉などが、すぐ頭に浮かびます。凌雲閣も十勝岳安政火口のすぐ側にあるのです。

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湯につかって眺める風景は実に美しい

 それにしても、露天風呂から眺める景色は最高です。私は雪景色が一番好きです。ついつい、長湯をしてしまいます。

美しい山に囲まれた十勝岳温泉・凌雲閣

2008年03月30日

 十勝岳温泉・凌雲閣(上富良野町十勝岳温泉、電話0167-39-4111)は、標高1280メートルに位置します。道内では一番高い所にある温泉宿で、名峰・富良野岳や、十勝連峰への登山口として登山家たちによく知られています。私も、20代という肉体的に栄光の時代、登山が趣味で、…いや、ほんとに。で、何度も訪れました。

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十勝岳温泉・凌雲閣

 ですから、私には、凌雲閣といえば「登山基地」「山の家」「山小屋」といったイメージが強く残っています。当時は、宿泊客のほとんどが登山者だったような気がします。玄関には泥のついた登山靴が散乱し、雑然とした光景が懐かしく思い出されます。

 その後、秘湯ブームで脚光を浴び、全国各地から観光客が訪れる、人気宿になってしまいましたが、本質的には、いまも登山者の宿だと思っています。
 泥によごれ、岩にこすれたリュックサックやズボンで下山してきた登山者が、荷を下ろし、よごれた靴下のまま風呂に向かいます。こうした客が主人公なのであって、オシャレなリゾートホテルや、高級料理を出す割烹(かっぽう)旅館とは生き方が違う、という思いが私にはあります。

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真っ白な雪をまとった山々が美しい

 曲がりくねった急坂を登り切って、駐車場に車を止めました。空は晴れ、空気は澄んで、周囲を真っ白な山々が取り巻いています。また、山にやって来たぞ、という若い時代と同じような感慨が満ちてきます。春山のシーズンです。
 完全にメタボリックな体形になった私には、もう、訪れる資格はないのではなかろうか、というような、青臭い懐旧の念が、ちらりと脳裏をかすめましたが、そんな思いは振り切って、凌雲閣の、少し雑然とした玄関をくぐりました。

十勝岳温泉へ向かう

2008年03月28日

 ポンユ三光荘ですっかりツルツルになったほっぺをなでながら、快適なドライブです。向かう先は、十勝岳温泉の凌雲閣です。

 私のカーナビは、地図データが少々古いうえ、冬季閉鎖の道路情報にはまったく関心がないらしく、真夏と同じ、白金温泉経由のルートを教えてくれます。美しい女性の声で、「300メートル先、左折です」「ここ、左です」「2時間たちました、休憩しましょう」などと語りかけながら、私のドライブに付き合ってくれるわけです。そのうち、「眠たくなりましたね、歌を一緒に歌いましょう」などと言い出しかねませんね。

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白金温泉に向かう道から十勝岳を望む

 この季節、十勝岳の望岳台方面から「吹き上げ温泉」や「十勝岳温泉」に抜ける道が開いているはずはないのですが、冬の白金温泉街は久しぶりなので、立ち寄ってみました。

 でも、温泉街に人の姿はありません。車も通りません。いったいどうしたのだろう。誰もいないぞ。ええっ、ひょっとしたら…、みんないなくなってしまったのだろうか…、などという空想が、一瞬、脳裏をかすめたのですが、そんなことはあるはずもなく、高級な四輪駆動車が一台、のろのろ運転の私の車を、さっそうと追い越して行きました。

北見温泉・ポンユ三光荘に行ってきました-2

2008年03月26日

 お天気に誘われて、抱える仕事をほったらかしにしたまま温泉に行っちゃいました。ちょっぴり良心がとがめたのですが、帰ってから一気に片付ければ間に合うだろうという、楽観的というか、無謀というか、ノー天気というか…。
 まあ、それで、いま、これを書いている、いま、たいへんなことになっています。締め切りの雪崩状態。
 おまけに、義理の欠けない送別会があったり、息子と固い約束を交わした日ハムのナイター観戦があったりして、結局、眠るはずの時間しか、削れるところがありません。自業自得といえばそれまでですね。私は年末と年度末が大嫌いです!

 石北峠の東側に位置する温泉には、北見市留辺蘂の各温泉のほか、白滝村の白滝温泉、丸瀬布町の丸瀬布温泉、置戸町の鹿の子温泉、おけと湖温泉おけと悠林館などがあります。いずれも無色透明な単純泉で、pH(ペーハー)はアルカリ性を示す傾向があります。源泉の温度は40~50℃くらいです。

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浴槽には源泉が惜しみなく注がれている=ポンユ三光荘

 それにしても、ポンユ三光荘の湯は肌がツルツルします。なんだか石けんを塗ったような感じです。翌日も、顔がツルツルして、ひげをそりながら、ついついにやけてしまいました。
いまさら50男の肌がツルツルしたところで、どうなることもないのですが、がさがさしているよりは、やっぱりいいものですね。

 翌日も好天です。
 北見市周辺の畑作地帯は、黒土が出て、もう、耕しているところもありました。道路はきれいに乾燥して、石北峠のドライブも快適。さあ、今日はどこに行こうか。まったく異なる泉質の湯に入りたいと思いました。ちょっぴり遠回りをして帰ることにしました。

 ちなみに、ポンユ三光荘の1泊2食は、ビジネスプランで1人1室6450円。この温泉で、この値段、安いです。私は、浴衣が少々小さかったこと以外、文句は何もありません。シャワートイレも完備していました。一つ、不思議だったのが、食堂の引き戸がやたらに大きいことです。

北見温泉・ポンユ三光荘に行ってきました-1

2008年03月24日

 すっかり春めいた日差しに誘われて、北見市留辺蘂(るべしべ)の温泉を訪ねました。
 留辺蘂は温泉の宝庫で、大型ホテルや温泉街のある温根湯温泉がよく知られています。
 このほか、滝の湯温泉のニュー静林荘、塩別つるつる温泉などがあります。
 今回は、留辺蘂でも、北見市街側に近い、北見温泉「ポンユ三光荘」(北見市留辺蘂町泉360、電話0157-42-2288)に泊まりました。

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ポンユ三光荘の外観

 ポンユとはアイヌ語で「神の湯」とか「小さな湯」という意味があるそうです。
 宿の説明によると、昔、負傷した動物たちがくぼ地にわき出る湯につかり、傷を癒やしているのを見つけた先住民のアイヌが、そこにササ小屋を建てたのが、この温泉の始まりだとされています。
 1898年(明治31年)に、温泉の権利を譲り受け、温泉旅館の営業が始まりました。

 ここには、二つの源泉があります。
一つは、開業当時からの源泉で、源泉温度が38度の弱アルカリ単純泉、もう一つは1977年(昭和52年)にボーリングをした、源泉温度42度のアルカリ性単純泉でpHが9.52もあります。
 内風呂には2つの浴槽があり、それぞれの源泉が惜しみなくかけ流されています。どちらの湯も、無色透明で、湯口から流れ出る湯を口に含んでみると、ほんの少しですが硫化水素臭があります。

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大きな浴槽が42℃、奥の小さい方が38℃の源泉

 38度の湯は、ぬるめなので、いつまででも、つかっていることができます。心地よくて、そのうち、眠ってしまいそうになりました。湯の中で、体の表面がツルツルして、なんだか、自分が溶けているような気がしました。
 留辺蘂の温泉は、滝の湯温泉にしても塩別つるつる温泉にしても、驚くほど肌がツルツルします。まるで石けんを塗ったような感じです。
 なぜこれほどツルツルするのかは、よくわかっていませんが、アルカリ成分が、体表の皮脂に作用して、石けん成分をつくるから、という説もあるようです。

肩が凝って小金湯温泉へ

2008年03月14日

 子どもの雪合戦大会の準備を手伝って、雪玉運びを半日やったら、肩も背中もパンパンに張ってしまいました。首をねじると痛くて…。
 日ごろの運動不足が痛感されます。

 ということで、つらくて仕事にもならないので、温泉に入りに行きました。定山渓温泉の打たせ湯のある日帰り施設に行ったのですが、なんだか、いまひとつしっくりしなくて、小金湯温泉の「まつの湯」に入り直しました。
 泉質は単純硫黄泉で、湯から硫黄のにおい(硫化水素臭)が立ち上がり、温泉気分を高めてくれます。湯は弱アルカリ性で肌当たりが柔らかです。
 露天風呂にのんびりつかりました。

 湯は、源泉温度が低いため、いったんタンクにため、加熱しています。加熱した源泉に温度の低い源泉を足して適温にしているそうです。浴槽の湯は、循環・ろ過、殺菌をし、湯が減った分だけ源泉が補充される方式をとっているそうです。

 短時間に温泉二軒をはしごしたせいか、小金湯温泉を出たときは、熱の膜を着ているような感じがしました。家に着いてからも、いつまでも体のしんがポカポカ温まっていました。

 温泉に入った翌日は、いくぶん凝りが回復したのですが、次の日にはもうダメで、最悪状態です。また温泉に入りたいのですが、仕事が…。

大樹町・晩成温泉─ヨウ素が高濃度、赤褐色の湯

2008年02月25日

 冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅からの帰路、十勝管内大樹町の晩成(ばんせい)温泉(大樹町晩成、電話01558-7-8159)に立ち寄りました。十勝川が太平洋に流れ出る河口から、直線距離で23キロほど襟裳岬寄りの海岸にあります。
 海からの日の出を見ることができる温泉として、12月に紹介しましたが、ここの湯にはめずらしい特徴があります。高濃度のヨード(ヨウ素)を含んでいるのです。

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海のすぐ側にある晩成温泉

 ヨードというと、年長の方は消毒薬のヨードチンキを連想されるのではないでしょうか。あるいは、うがい薬や、咽頭(いんとう)に塗るルゴール液でしょうか。いずれにしても赤褐色のイメージですね。

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晩成温泉の湯は赤褐色

 晩成温泉の湯は写真のように、まさに赤褐色です。でも、ヨードチンキのような強い香りはありません。わずかに何かのにおいはあるのですが、私の鼻が利かないのか、よくわかりませんでした。湯は、循環利用しているので飲むことはできませんが、かなりしょっぱい味がします。

 ヨード分を示すヨウ素イオンは、地下水1キログラム中10ミリグラムを超えれば高濃度とされ、晩成温泉の12.2ミリグラムは、温泉としては全国的にみても極めて高い数値だそうです。殺菌作用や疲労回復効果が期待されるそうで、療養利用についての研究が待たれます。

 晩成温泉の泉質はナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)で、温泉水1キログラム中の蒸発残留成分が9.6グラムもある濃い温泉です。食塩泉ですが、肌がつるつになる重曹成分も多く含んでいます。
 ゆう出量は毎分310リットルと豊富ですが、源泉温度が18℃と低いため、加温し、循環ろ過・殺菌をして利用しています。

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太平洋が見渡せる男湯の大浴槽

 晩成温泉は内風呂だけですが、大浴槽と高温風呂、サウナや打たせ湯もあります。赤褐色の透明な湯は肌当たりが柔らかく、よく温まります。
 露天風呂はありませんが、デッキに出て、目の前の太平洋を眺めながら涼むことができます。
 ただ、この日は寒すぎるので外に出るのはやめました。

 なお、今回使用した温泉分析書のデータは、2005年4月28日に、東京の(財)中央温泉研究所が分析したものです。1995年に道立衛生研究所が分析した際には、ヨウ素イオンは15.6ミリグラムでしたから、数値は少し下がっています。

 現在、ヨウ素は、天然ガスやチリ硝石、石油などの副産物から工業的に生産されています。日本はヨウ素の輸出国で、世界第2位の生産量を誇ります。最大の生産量地は千葉県で、次が新潟県です。当然、これらの県にはヨウ素を含む温泉があります。

冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-8…茅沼温泉の2

2008年02月18日

 「憩いの家かや沼」の食事は、夕食、朝食ともレストランでいただきます。料理は和食膳(しょくぜん)で、地場の食材を生かし、ボリュームもあります。酒のさかなに最適な小鉢ものが多彩で、飲んべえにはうれしい限りです。でも、全部食べると塩分とり過ぎかな。
 私は、この旅は節制して読書に励むつもりですから、生ビールの中ジョッキ1杯と、お銚子(ちょうし)1本で切り上げました。

 部屋にもどり、明日はどうしようかな、などと考えてはみたのですが、おなかが一杯で、ほろ酔いですから、まあ、明日になってからにしようと、どこまでも行き当たりばったりでいくことにしました。

 読書は、今年、直木賞を受賞したばかりの「私の男」(桜庭一樹、文藝春秋)を前日から読み始めています。
 著者の桜庭一樹は1971年生まれの女性作家で、昨年、「赤朽葉家の伝説」で日本推理作家協会賞を受け、吉川英治文学新人賞や直木賞の候補にもなっていたので、気になる若手作家でした。
 「私の男」は、北海道の紋別市と奥尻島、東京を舞台に、津波で家族を失った少女と、養父となった若くて独身の男の物語です。
 読者を引きつけ、読ませる作品です。ただ、好みは分かれるほうですね。

 で、夜中にもう一度温泉に入り、部屋に戻ってから、汗が引くまでと思って、また読み始め、結局、午前3時ごろまでかかって読み切ってしまいました。
 こりゃあ、明日の運転がつらいかな、なんて思いながら眠りました。

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露天風呂から眺める朝日

 朝は、夜更かしをした割には、すっきり目が覚めました。
 さっそく朝の露天風呂です。
 朝日が差していますが、空気はカーンと冷えています。でも、湯につかると、じわっと、しみるように全身が温まって、活力がわいてきました。

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ヒノキ造りの露天風呂

 そうだ、太平洋を見ながら帰ろう。そう思いました。

冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-7…茅沼温泉

2008年02月18日

 タンチョウの舞やエゾシカの群れ、真っ白な雪をまとった枯れ色の湿原、ゆったりと流れる釧路川。この一日、厳冬の釧路湿原と対峙(たいじ)して、大自然の美しさと奥深さに心を打たれました。湿原の外側を酪農地帯が取り囲み、道路や鉄道、町もあります。人々の営みと世界的に貴重な保護区域が、これほど隣接して共存していることに驚きも感じます。

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雪と枯れ色の湿原のふちをJR釧網線が通る
(写真はクリックすると大きくなります)

 シラルトロ湖の北岸にある「憩いの家かや沼」に到着したのは夕方です。湖は真っ白な雪原でした。
 ここは、1978年(昭和53年)に開業した標茶町の保養施設です。湯量が毎分450リットルと豊富で、源泉温度は47.2℃と理想的です。泉質はナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)で、温泉水1キログラム中の成分(蒸発残留物)が9.62グラムもある濃い温泉です。
 温泉水の成分、水分、熱源の由来は「グリーンパークつるい」と同じと考えられます。雨や雪などの天水と、太古の時代の化石海水が地下で混じり合い、地層深部からの伝導熱で温められたものです。

 内風呂には温度の異なる浴槽が3つあります。
 広々とした岩風呂は40~42℃、少し浅い浴槽は42~43℃です。熱めが好きな人には45~46℃の「源泉の湯」があります。これは、かなり熱いです。
 また、湖を望むヒノキ造りの露天風呂は、たぶん42℃くらいでしょう。ぬるくもなく、熱くもない適温でした。
 「岩風呂」だけ、温度調節のため、少し加水していますが、ほかは、すべて源泉そのままのかけ流しです。
 ここのお湯は、つかると肌がすべすべし、大変よく温まります。
 内風呂の写真を撮ろうとしたのですが、もうもうと立ち上がる湯気で写りませんでした。

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憩いの家かや沼の露天風呂

 夕食前の時間、のんびり露天の湯につかり、手足を伸ばし、ぼーっとしていると、ずいぶん遠くまで来たものだなあ、という感慨が満ちてきました。地理的な距離だけではなく、都市の騒々しさや世俗の煩わしさから遠く離れているという実感です。自然に笑みがこぼれてきます。まさに、温泉ひとり旅の魅力です。

 釧路湿原は現在、「国立公園」「天然記念物」「鳥獣保護区」「ラムサール条約登録湿地」に指定されています。

冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-6

2008年02月16日

 「ハートン・ツリー」のある丘から、鶴居村の冬の景色を眺めながら標茶町の茅沼温泉を目指すことにしました。

 道々243号から道々1060号に入ると、もう、釧路湿原東部の核心部分ともいえる場所です。コッタロ展望台から眺める枯れ色の湿原、ゆったりと流れる釧路川、エゾシカの群れが道路に出ていました。

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静かに流れる釧路川

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道路を横断するエゾシカの群れ

 JR釧網線の踏切を渡ると摩周国道391号に出ます。すぐ側に塘路湖やシラルトロ湖など湿原の湖があり、夏にはカヌーやキャンプを楽しむ人々が集います。

 この日の宿は茅沼温泉「憩の家かや沼」(標茶町茅沼、電話015-487-2121)にしました。シラルトロ湖のほとりにある宿です。

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茅沼温泉「憩の家かや沼」

冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-5

2008年02月14日

 「たぶん、明日…」という約束を破ってしましました。ごめんなさい。
 さて、夕日を楽しみながら食事のできるレストランですが、「グリーパークつるい」から、道々53号を鶴居村市街とは反対側に進むと、右側の丘の上にありました。
 新聞やテレビなどでも紹介されていますから、ご存じの方も多いと思います。ファームレストラン「ハートン・ツリー」(鶴居村雪裡496-4、電話0154-64-2542)です。丘の上にある、かわいらしいレストランです。

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丘の上にある「ハートン・ツリー」

 オーナーシェフの服部佐知子さんは、阿寒町出身ですが、大阪で料理を学びました。大阪生まれの夫と91年に北海道に移住。98年にこのレストランを開業し、2000年にはファームイン(農家民宿)も立ち上げました。
 「北の大地のエコビレッジ! 食と自然と交流と!」を合言葉に、都会人と農村を結ぶ、さまざまな活動をしています。

 丘を登り切ってレストランの前の駐車場に車を止めると、最初に出迎えてくれたのは、ミニブタのブホちゃんです。中型犬ほどの大きさの黒いブタ君です。捕まえようと、そっと近づいたのですが、すばしこく逃げられてしまいました。それを見ていた、木の柵に止まったカラスが私に向かって「カー」とうれしそうに鳴くではありませんか。なんというレストランでしょう。でも、ここは、実にほのぼのしています。

 腹ぺこの私が注文したのはチキンのミルクカレーのセットです。サラダと風船のように膨らんだ焼きたてのナンが付いています。特産の牛乳をベースにした、香辛料の利いた黄色い色のスープカレーに、チキンステーキがひたっています。スパイシーで、一さじ口に含んで、すっかり、うれしくなってしまいました。これは、いけます。

 タンチョウも見たし、温泉にも入ったし、おいしいランチもいただいてエネルギー補給もオッケーです。釧路湿原の奥深くを目指そう、という気分です。さあ、今日はどこに泊まろうか。

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ハートン・ツリーのある丘からの眺め

冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-4

2008年02月07日

 「グリーパークつるい」の湯は、肌当たりが柔らかく、肌がすべすべして、よく温まります。源泉かけ流しの湯が、湯船からあふれ、実に気持ちよくなります。
 内風呂と露天風呂を行ったり来たりしながら、体のしんまでしっかり温まったところで上がりました。

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湯量がたっぷりの露天風呂は、つい長湯になります

 フロント担当の廣瀬公子さんもタンチョウが大好きで、「滑ってよろけるタンチョウもいるんですよ。つい笑ってしまいます」と、見ていると時間を忘れてしまうそうです。また、夕日に染まって飛ぶ姿が、とてもいいとおっしゃいます。
 たしかにタンチョウは、美しくて、コミカルで、寒いのに、いつまで見ていても飽きないですね。

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2点とも、鶴居村伊藤サンクチュアリで
(写真はクリックすると大きくなります)

 「グリーパークつるい」にもレストランがあるのですが、夕日を楽しみながら食事のできる、見晴らしのいい場所を、あえて教えていただきました。続きは次回(たぶん明日)に。

冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-3

2008年02月06日

 「グリーンパークつるい」は、昨年春までは国民年金の保養施設でしたが、現在は民間会社が経営しています。経営が代わっても、良質の湯を守る姿勢が変わらないのは、温泉ファンにはうれしいことですね。

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グリーンパークつるいの内風呂

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グリーンパークつるいの露天風呂

 温泉水1キログラム中の固形成分は4.5グラムあり、ほとんどが食塩成分で、太古の化石海水に由来します。温泉水の水分は、雨水などの天水と化石海水の混合したものです。
 色は、薄茶色の透明で、これは、地下の泥炭層から取り込んだ植物性有機成分によるものと思われます。pH(ペーハー)は8.55ありますからアルカリ性で、湯につかると肌がツルツルします。

 鶴居村付近は、2万年ほど前は陸地でしたが、1万年から6000年くらい前は、気温の上昇によって極地の氷が溶け、海面が上昇して、海の底になりました。しかし、3000年くらい前に、海面が下がって陸地が広がり、現在のような釧路湿原が誕生したといわれています。根釧堆積(たいせき)盆地には、海の時代に堆積した泥炭層があり、また、地下1000~1500メートル付近には、温泉水を大量に貯蔵している地層が広く分布しているようです。

 この地域の地温は、地下温度の測定などによって、深くなるにつれて同じ比率で高くなることがわかっています。地下の浅いところに特別な熱源はないので、地下深くにある基盤となる岩盤からの、伝導的な熱が、温泉の熱源と考えられています。
 ただ、100メートル掘ると何度温度が上昇するかを示す地温こう配は、約4℃~5.4℃とやや高めです。この地域の北方には、阿寒国立公園から知床国立公園に続く、火山活動の盛んな地帯があることから、地下深いところで影響を受けているのでしょう。

冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-2

2008年02月05日

 タンチョウは、日本では最も大きい鳥で、全長が140センチメートルもあります。全体は白色ですが、のどから頸(くび)にかけてと、翼の先端などが黒く、頭の赤が印象的です。

 さて、ここまで来たのですから、日本中からプロカメラマンが集う鶴居村の伊藤サンクチュアリをめざします。なぜここにプロカメラマンが集うかというと、背景に森や起伏があり、絵になるからでしょう。私も、ほんのちょっぴりタンチョウにレンズを向けてみました。

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3点とも伊藤サンクチュアリで

 釧路市阿寒町から鶴居村へ行くには、国道240号の釧路市阿寒町から道々243号で道々53号に出ます。低い峠を2つ越えますが、この間の距離は21.6キロ。伊藤サンクチュアリまで26キロほどです。路面は、峠付近が圧雪ですが、ほとんどは写真のようにアスファルト面が出ています。

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道東は積雪が少なくドライブは快適だ

 タンチョウを眺めていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。体が冷えたので、こういうときこそ温泉ですね。
 この日は、「グリーンパークつるい」(鶴居村北1丁目5番地、電話0154-64-2221)を訪ねることにしました。

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良質の湯を提供し続けるグリーンパークつるい

 ここは、国民年金保養施設として1983年に開湯して以来、公共温泉としてはめずらしい、源泉かけ流しの良質な湯を提供し続けています。2001年から、地下1000メートルを超すボーリングによって得られた、毎分500リットルという湯量豊富な、新しい源泉が使われています。泉質はナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)です。味は、ちょっぴり薄めの昆布茶くらいです。肌がツルツルし、とてもよく温まる湯です。

冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅-1

2008年02月03日

 タンチョウの舞が見たくて道東の旅に出ました。
 釧路湿原は、冬枯れ色の原野に純白の雪が輝き、エゾシカが道路際にまで顔を見せます。
 根釧堆積(たいせき)盆地にある鶴居村から標茶町にかけての温泉は、太古の化石海水を含む食塩泉が多く、保湿性のある植物性成分を含み、肌がすべすべになる美人の湯です。
 どこに泊まるという計画も立てず、行き当たりばったりの一人旅です。

 愛用のリュックサックには、この機会に読書をしようと、3冊詰め込みました。
 大学生に「カラキョウ」と呼ばれて話題の新訳「カラマーゾフの兄弟」(ドストエフスキー・亀山郁夫訳、光文社)の第1巻と、直木賞作品の「私の男」(桜庭一樹、文藝春秋)、「落語DE枝雀」(桂枝雀、ちくま文庫)。果たして読めるのでしょうか。

 初日は、札幌の出発が遅れ、午前11時になったので、帯広に泊まろうかとも考えたのですが、ここには悪友がいるので、読書どころか、翌日の予定すらあやうくなりそうです。「ぱんちょう」の豚丼もガマンして通過しました。

 結局、阿寒湖温泉の近くに宿をとり、夜は読書、翌朝9時には出発して、まず、阿寒国際ツルセンターを訪ねました。分館のタンチョウ観察センターでは、写真のように、野生のタンチョウをたくさん見ることができました。

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阿寒国際ツルセンター別館のタンチョウ観察センター

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タンチョウ観察センターのタンチョウ

北広島市の竹山高原温泉

2008年01月27日

 この冬、降雪の少なかった札幌にもドカ、ドカっと大雪が降って、まあ、いつもの感じかな、という雪の積もりようです。でも、急に積もったため、道路除雪が追いつかず、車線が減少して、あちこちで交通渋滞を引き起こしています。
 昨日は、石狩市に住む叔母たちと法事のため北広島市に向かったのですが、高速道路が吹雪のため通行止め。札幌新道は渋滞で、2時間以上かかってしまいました。

 大雪になると除雪が大変ですし、いろいろ生活に支障をきたすのですが、実は、私、子どものころから、大雪になると、なぜかウキウキしてしまうのです。特に、初雪の日の朝など、うれしくなって、いつもより早く家を飛び出し、学校へ出掛けたものです。
 こんな話を、りんご園農家の友人にすると、変なヤツだと言われたものです。
 ただ、吹雪の中を運転するのはいやですね。本当にこれだけは怖い。

 で、北広島市には竹山高原温泉(北広島市富ヶ岡896、電話011-373-2827)がありますね。
 ここの温泉水はコーヒーのような色をした湯で、肌がツルツルします。泉質はアルカリ単純泉なのですが、地下の亜炭層を通過してくるため、植物性の有機物をたっぷり溶かし込んでいて、褐色透明という、独特な色をおびています。その中のフミン酸には、肌の保湿性を高める美容効果があるとされています。

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コーヒー色の美人の湯、竹山高原温泉

 湯は、源泉の温度が27℃と低いため、加温し、循環ろ過・殺菌していますが、大きな岩組みの露天風呂はたっぷり積もった新雪に囲まれ、とても風情がありました。内風呂から露天風呂までの通路に湯を掛ける装置が備えられ、足の裏が冷えるのを防ぐ工夫があります。こんな気配りはうれしいですね。

 週明けから道東の旅に出ようと思っています。どんなお湯とどんな人々に会えるか楽しみです。

名湯・川湯温泉の魅力-4

2008年01月22日

 川湯の湯がよく似ているといわれるのが群馬県の草津温泉です。
 日本温泉協会のデータによると、草津温泉は、温泉の自噴ゆう出量日本一で、その量は毎分23300リットルです。一般的な家庭浴槽(200リットル)で、およそ117杯分に相当します。すごいです。登別温泉の3.3倍にもなります。

 温泉街の中心にある有名な「湯畑(ゆばたけ)」の泉質は、酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)で、pH2.1です。ここにも活発な火山活動を続けている草津白根山が近くにあります。
 成分もpHも、たしかに川湯温泉の湯とよく似ていますね。

 酸性度が高い湯は殺菌力が強く、傷によく効くといわれます。熱い湯につかると肌がぴりぴりするほどです。ですから、肌の弱い人は長湯を避け、上がる前に真湯につかるといいでしょう。草津温泉では、酸性度の強い湯のため、歯を蝕む人が多いのが悩みなのだそうです。

川湯温泉の魅力-3

2008年01月21日

 川湯温泉は硫黄山の火山活動に関係していると書きましたが、その温泉水の起源について調べてみました。
 川湯温泉の湯は、天然ゆう出ないしは30メートルよりも浅いボーリング井戸から得られています。これより少し深く掘ると、出てくるのはただの井戸水になるのだそうです。

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川湯温泉・湯の閣の露天風呂「草原の湯」

 一般的に火山性の温泉水は、地下の深い所では中性の食塩泉で、これが、地層の割れ目を上昇してくる際に圧力が低下してガスと液体に分離し、それらが地下水に混入して温泉水になるようです。

 硫黄山から川湯温泉にかけての地下温度測定などによって、硫黄山付近から、地下の浅いところを北に向かって狭い温泉水の流れがあり、これが川湯温泉の湯の川で地表に流れ出ていることがわかっています。
 硫黄山の地下深くから地層の割れ目を伝わって熱水が上昇し、ガスや水蒸気の一部は硫黄山の噴気となり、地下水と混ざりあった成分は温泉水となって地下を流れているのです。

 川湯温泉の湯は「高塩濃度の硫酸塩泉」で「酸性度がきわめて高い」のが特徴です。
 また、マグマに含まれる揮発性物質を非常に多く含んでいることがわかっています。

 先日、書き忘れましたが、北海道を代表する温泉地、登別温泉の代表的な湯もpH2.1と強酸性です。噴気を上げる有名な地獄谷がすぐ側にありますね。

名湯・川湯温泉の魅力-2

2008年01月17日

 川湯温泉は各宿が独自の泉源を持っていて、成分は微妙に異なります。
 たとえば、川湯を代表する宿の一つ、御園ホテルは「酸性・含イオウ-ナトリウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉」。温泉浪漫の宿・湯の閣の場合は「酸性・含イオウ・鉄(Ⅱ)-ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)」です。
 源泉の温度は、ほとんどが42~56℃で、温泉水1キログラム中の蒸発残留成分は、おおむね2500ミリグラム程度です。

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川湯温泉の源は硫黄山の火山活動にある

 火山の噴気口付近からわく温泉には強い酸性を示すものがあります。道南の、恵山の火口から引湯する恵山温泉旅館はpH2.14、十勝岳の安政火口に近い十勝岳温泉・凌雲閣がpH2.3、ニセコのイワオヌプリの旧噴火口に泉源のあるニセコ五色温泉旅館はpH3.2です。
 川湯温泉は、屈斜路カルデラの中央に位置して噴気を上げる硫黄山(アトサヌプリ=標高512m)の北側3キロほどの所にあって、この火山活動と密接に関係しています。

名湯・川湯温泉の魅力-1

2008年01月17日

 道東を代表する温泉地・川湯温泉の歴史については、さまざまなところに書かれていますから、ここでは、群馬県の名湯・草津温泉とよく似ているといわれる、湯の特徴とその起源の話から始めましょう。ぜひ、一度は体験してほしいお湯です。

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もうもうと湯気を上げる川湯温泉街にある足湯

 川湯温泉の湯は、無色透明で、少しイオウの臭いがし、たいへん酸っぱく、酸性・アルカリ性を示すpH(ペーハー)が2以下という強酸性です。最もpHが高い井戸は0.93という調査結果があります。
 ちなみに、日本で一番酸性度が高いとされているのは、秋田県の玉川温泉で、pH1.05ですから、それ以上です。これほど酸性度が高いと危険ですから、他の源泉と混合しないと使えませんね。

 pHは、通常0~14までの数字で表し、7が中性、7より小さいと酸性、7より大きいとアルカリ性になります。温泉分析書では、次のように分類することになっています。
pH3未満は強酸性
pH3~6未満は弱酸性
pH6~7.5未満は中性
pH7.5~8.5未満は弱アルカリ性
pH8.5以上はアルカリ性

明けましておめでとうございます

2008年01月14日

 明けましておめでとうございます。
 新年早々、記憶を失いました。
 何というか…、まあ、飲み過ぎなのですが。

 その日は、新年会とその二次会の後、ススキノにある美人女将(おかみ)の居酒屋に、19時ごろから常連が集まるというので、顔を出しました。
 私の記憶によれば、升の振る舞い酒をいただき、紅白なますに箸(はし)を付け、友人らと談笑して、午後10時半ごろタクシーで、さっと帰宅したわけです。
 切り上げが早かったせいか、翌日は、二日酔いもなく朝から快調です。

 で、夕方。
 「スーパーでワインに合うチーズ買ってくるわ」と私。
 「昨日、買ってきたでしょう」と妻。
 「………?」
 「ほら」と冷蔵庫から取り出したのは、デパートの小さなビニール袋に入った、手のひらサイズの丸く平べったいチーズです。
 「…俺、そういえば、チーズ買ったような気がしてきた…」

 数日後、女将によると、私は上機嫌で店に現れ、升酒と日本酒をいただき、お土産だといって持参した、猛烈に臭い大きなチーズを皆に勧め、友人の背中をポンポンたたきながらワインをがぶ飲みし、各席をにぎやかに巡り、お雑煮を一気に食べ、お金を払って帰ったそうです。
 「つむじ風のようだった」とか。
 はあ、そうでしたか、まったく覚えていません。

 こうなると心配なのは、大きな迷惑をかけやしなかったか、という一点です。
 「いいのよ、楽しかったんだから」と女将。
 「………」
 「○○さんにだけメールしといたらいいかも」とカウンター席に居合わせた常連のY嬢。
 「はい、そうします」
 で、まあ、その他いろいろ。
 とりあえず「モッチャン、タカスギ先生 悪かった」

 でも、正直なところ、いまだ、他人のことのようで信じられません。
 どんな年になることやら。

 前置きが長くなりましたが、2008年の最初は、道東の弟子屈町にある川湯温泉です。
 阿寒国立公園の東側、屈斜路湖や摩周湖近い温泉地です。湯量が豊富で、大型ホテルが林立し、お土産店や飲食店が立ち並ぶ温泉街を形成しています。

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川湯の温泉街を流れる湯の川

 観光客が多いのは夏ですが、冬の寒さを売り込もうと、ダイヤモンドダストをテーマにしたイベントや星空ウォッチング、かんじきツアーなど冬の体験型観光にも力を入れています。
 ここは、世界遺産の知床や、タンチョウの舞う釧路湿原にも近いことから、全国各地はもとより、中国や韓国などからの団体客も多数訪れます。
 草津温泉とよく似た泉質を持つ川湯温泉は魅力いっぱいです。

青さんの道内温泉ベストテン

2007年12月31日

 温泉の取材で今年もあちこち訪ねました。ご協力をいただいたみなさん、大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。

 この一年、「一番いい温泉はどこですか」「一番好きな温泉はどこですか」という質問をよくいただきました。一軒だけ挙げろと言われると、正直なところ困ります。いい温泉宿がたくさんあるうえ、目的や予算によってお薦めの宿は変わるからです。

 とはいえ、あえて、私自身が、ひとり旅や温泉仲間と行くための、2007年道内温泉宿のベスト10を挙げてみます。温泉宿にも相性があります。これは、あくまでも私の趣向による独断です。
 私の基準は、①お湯が新鮮②施設が清潔③女性専用の浴室がある④地場の食材を生かした食事⑤もてなしの姿勢⑥ふさわしい料金─といったところです。ただし、今回は1泊2食の最低プランが2万円以上する宿は対象外としました。理由は、簡単、ちょっと高いかなって思ったからです。

■一度は泊まってほしいお薦めの宿
 ①養老牛温泉・湯宿だいいち…行き届いたもてなしに満足度ナンバー1。
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湯宿だいいちの露天風呂には趣向を凝らしたいろいろな湯船があります

 ②旭岳温泉・湧駒荘…5つの源泉が楽しめ、湯の質が抜群。
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いろいろな泉質が楽しめる湧駒荘の内風呂

 ③新見温泉・新見本館…湯治の伝統守る奥ニセコの名湯は健在。
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奥ニセコの名湯・新見本館

 ④上ノ湯温泉・銀婚湯…世俗を忘れ、ゆったりくつろげる和風旅館。
 ⑤コタン温泉・丸木舟…アイヌ詩曲舞踏団モシリと心洗われる屈斜路湖の魅力。
 ⑥糠平温泉・山湖荘…もてなしの心と四季折々の体験型観光。宿は日々進化。
 ⑦雌阿寒温泉・野中別館…アカエゾマツの香りに包まれる朝の露天風呂は最高。
 ⑧ニセコ五色温泉旅館…豊富な成分は火山からの贈り物。
 ⑨乙部温泉・光林荘…成分の濃い湯と庶民的な和風旅館。
 ⑩愛山渓温泉・愛山渓クラブ…質素な表大雪の登山拠点。赤く染まった湯。

■一度は体験してほしいお薦めの湯(順不同です)
 湯の川温泉・日乃出湯(函館市)…とにかく熱い主浴槽に挑戦してみよう。
 恵山温泉旅館(函館市)…苦くて渋くて酸っぱい強烈な酸性泉。
 モッタ海岸温泉旅館(後志管内島牧村)…国内有数のラジウム泉。
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モッタ海岸温泉の浴室から日本海を見渡す

 登別温泉・さぎり湯(登別市)…登別温泉の外湯(温泉銭湯)で泉質抜群。
 しんしのつ温泉・アイリス(石狩管内新篠津村)…ぽかぽか温まる濃い食塩泉。
 豊富温泉・ふれあいセンター(宗谷管内豊富町)…石油分混じる食塩泉。
 滝の湯温泉・ニュー静林荘(北見市)…肌がとてもつるつるする湯。
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湯がとうとうとあふれるニュー静林荘の内風呂

 十勝川温泉・はにうの宿(十勝管内音更町)…モール温泉の源泉かけ流し。
 幌加温泉・ホロカ温泉旅館(十勝管内上士幌町)…浴槽の床はまるで鍾乳洞。
 川湯温泉(釧路管内弟子屈町)…どの宿も源泉かけ流しで強烈に酸っぱい湯。

 こうして列挙してみると、やはり温泉ファンに評価の定着した宿や施設が多いですね。良質な湯を守る温泉宿は、これ以外にもたくさんあります。ぜひ、みなさんの、2007年のナンバーワンを教えてください。
 では、みなさん、よいお年をお迎えください。

初日の出と温泉-4

2007年12月29日

 昨日は御用納めで、ススキノはたいへんな人出でした。みなさんは、どうお過ごしでしたか?
 私は、少々、二日酔いですが、まあ、手のかかる仕事は終えたので、これから仕事部屋の片付けと掃除に専念できそうです。

 どうしても海からの初日の出をという人には、十勝管内大樹町の日帰り温泉施設、晩成温泉が、元日の朝、6時から開いています。露天風呂はありませんが、浴室から太平洋を見渡せ、お天気さえよければ日の出を見ることができます。大樹町の初日の出の時刻は6時56分です。

 晩成温泉の湯はナトリウム-塩化物泉(食塩泉)ですが、重曹成分や臭素、ヨウ素を多く含み、褐色透明です。循環・ろ過、塩素系殺菌剤を使用していますが、特徴のある湯です。

 ただ、毎年、温泉で初日の出を拝もうという人々が訪れるので、混み合うようです。
 お天気がどうなのか気になりますね。

初日の出と温泉-3

2007年12月28日

 海からのご来光はあきらめ、道東の屈斜路湖を染める初日の出ならどうでしょう。美幌峠には、毎年500人ほど訪れます。その後は、白鳥たちの集う、コタン温泉露天風呂ですね。あるいは、コタン温泉露天風呂につかったまま、厳かに夜明けを迎えることもできます。
 残念ながら冬の夜明けごろの写真がないので夕景をお見せします。白鳥たちは夜中も朝もここにいます。

 私は、訪れるたびに、ここは神々が宿るところという思いにとらわれます。崇高なものによって精神が洗われるような気がするのです。

 いずれにしろ、厳冬期早朝の湖畔の露天風呂ですから、服を脱ぐ前に、湯加減を十分調整してください。裸でもたもたしていると凍傷を負います。いや、ホント。強烈なシバレです。

 ここは無料の施設です。散らかしたり騒いだりせず、マナーをしっかり守ってください。
 また、一応男女に分かれていますがほとんど混浴です。写真の左側が女性、右側が男性。それぞれ脱衣場があります。水着やバスタオルの着用がOKなので、女性は準備をお忘れなく。お天気に恵まれるといいですね。

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冬のコタン温泉露天風呂には白鳥も集う=夕景

初日の出と温泉-2

2007年12月26日

 海からの初日の出は、オホーツクや太平洋沿岸に行けば見ることができますが、せっかくなら温泉につかり、極楽気分で拝みたいと、罰当たりなことを考えてしまいます。しかし、年越しの温泉宿はどこも満杯です。
 そこで、函館市の恵山岬にある露天風呂、水無海浜温泉はどうかと考えました。ただ、ここは潮位の関係で入れない時間帯があります。
 大みそかの夜の入浴可能時間は22時から23時、2008年1月1日の午前は4時から6時10分となっています。日の出時間を調べると、恵山岬は6時57分なので、年越しも、日の出も、ちょっと厳しいですかね。

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潮位によって入浴可能な時間変わる水無海浜温泉

初日の出と温泉-1

2007年12月26日

 年越しは、いつも家族と過ごしてきたのですが、20歳くらいのとき、友人と初日の出を拝もうと、大みそかの夜、滝川市からオホーツク海沿いの雄武町までドライブをしました。

 30年以上前のことですから、国道273号の浮島トンネルはまだなく、未舗装の浮島峠は、新雪が10センチほど積もり、通過車両のタイヤの跡がまったくない、真っさらです。降り積もった雪の結晶がヘッドライトを反射し、道が、どこまでも銀色に輝いていました。

 滝上町でちょうど年越しになり、初詣客でにぎわう神社で、お神酒をいただきました。
 途中で仮眠をとり、沢木漁港でご来光を仰ぎました。
 すぐ側に「日の出岬」があり、いまは、露天風呂からオホーツクを一望できる「オホーツク温泉・ホテル日の出岬」があります。

 帰りのことはまるで覚えていないのですが、おふくろが、友人の分も用意してくれたおにぎりが、やたらと大きかったことが記憶に残っています。

温泉に逃げ出したい-2

2007年12月20日

 12月は締め切りに追われてキツイのですが、この時期、私の大好きな推理小説の新刊が出るのです。先日も、ときどき、お酒をご一緒する作家・東直己氏の新刊「探偵、暁に走る」(早川書房、本体価格2000円+税)が出版され、これが、また、仕事のじゃまをするのですね。ほんとうに困ります。こういう本こそ、温泉ひとり旅に持っていくのに向いています。
でも、まだ行けない…。
 もう一つ、最近、仕事のじゃまをするのが落語です。ええ、ちょっとはまってます。桂枝雀落語大全というDVDを見て、「上方落語 桂枝雀爆笑コレクション」(ちくま文庫)を読んで、おせんべい食べて…。
あっ、居眠りしてた。

温泉に逃げ出したい-1

2007年12月19日

 ライターにとって12月というのは、すべての締め切りが例月より1週間以上前倒しになり、団子状態で、あっぷあっぷ。結構キツイです。
 仕事関係や、義理ある仲間との忘年会は欠かせませんから、例年だとアルコール漬けになるのですが、今年は違います。

 道路交通法の改正で、翌朝の酒気帯び状態も厳しく摘発されるようになったので、朝から車を運転する場合は、飲まないようにするか、早めに切り上げています。最近、酒の抜けが悪いのです。遅い時間まで付き合うときはウーロン茶にしています。やればできるものですね。

 じゃあ、健康的な暮らしかというと、そうでもありません。一歩も外に出ない睡眠不足の日が増え、一日4食になり、さらに口が寂しくなって、おせんべいをボリボリやっているうちに太ってきました。現在、人生最高体重更新中! 本当にまずいです。
 行ってきたばかりなのに、もう、温泉に逃げ出したい。

ニセコ五色温泉に行ってきました-3

2007年12月14日

 ニセコ五色温泉は、ニセコ連山で最も新しい火山であるイワオヌプリ(標高1116m)の旧火口跡から、わき出しています。
 ここの温泉成分の特徴は、酸性の硫酸塩泉の割に食塩成分が濃く、マグネシウムが非常に多いことです。また、マンガン、亜鉛、アンモニウム、鉄、ホウ素などもかなり含まれています。成分が多様で濃いのです。
 露天風呂につかりながらこの濃い湯を満喫しました。まさに、ここの湯は、生きのいい火山からの贈り物なのです。

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からまつの湯の露天風呂で濃いお湯を満喫

 この温泉水については詳しい分析が行われていています。
 酸素や水素、硫黄などの同位体測定によって、水分の起源は、大半が降雨などの天水ですが、地下から上がってくるマグマ水も混入していることがわかっています。マグマ水には非常に多くの成分が凝縮していますから、多様な成分はこれに由来するのでしょう。

 トリチウム濃度の測定で、地中での循環時間が長いか短いかがわかるのですが、ここの湯は、比較的に浅いところで加熱されて上昇してきた、新しい天水だといいます。ちなみに、以前、紹介した新見温泉などは長時間、地下深いところを循環した湯です。

 ニセコ五色温泉の地下には、500~600℃以上の熱源があって、温泉水がたまっている所は、347℃前後の熱水状態です。そこから水蒸気と亜硫酸ガス、塩酸ガス、硫化水素、二酸化炭素などとともに上昇して、比較的に浅いところで地下水と混ざりあい、50~80℃になってわき出ています。

ニセコ五色温泉に行ってきました-2

2007年12月11日

 冬季も営業しているのは、山小屋風のニセコ五色温泉旅館です。ここには3種類の宿泊施設があります。一般客が宿泊する棟と、素泊まり用の別館、湯治客が自炊できる自炊棟です。チェックインが午後2時でと少し早いので、何度も入浴したいという温泉ファンにはうれしいですね。

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すっかり雪に包まれたニセコ五色温泉

 一般の宿泊棟には浴室が2つあります。日帰り入浴客も、こちらを利用します。ニセコアンヌプリを見渡せる「展望風呂」と、木肌の感触が心地よい「からまつの湯」で、いずれも内風呂と露天風呂があります。
 距離は近いのですが、脱衣場が別ですから、裸のまま移動するわけにはいきません。せめて、ズボンとシャツは着用しましょう。
 貴重品ロッカーは廊下にありますから、いちいち出し入れする必要がなくて便利です。

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木肌の感触がいい「からまつの湯」の内風呂

 私は、からまつの湯が好きです。硫黄の香りがただよう青みをおびた透明な湯ですが、浴槽の底にたまった湯の花が立ち上がると白く濁ります。黒っぽく染まったエゾマツ材の床や浴槽が白い湯を引き立てます。

 湯口の熱い湯を口に含むと、酸っぱくて複雑な味がします。ちなみにPH3.2です。
 泉質は、含フッ素・食塩・苦味-硫化水素泉です。温泉水1キログラム中の蒸発残留成分が5113ミリグラムもあります。これは、家庭用の浴槽200リットルに換算すると、1キログラム以上になります。食塩1キロの分量を想像していただければ、濃い温泉だということをおわかりいただけるでしょう。
 ちなみに、いま、私の手元のある、家庭用入浴剤は200リットル用で30グラムですから、34袋分の濃さに相当します。

ニセコ五色温泉に行ってきました-1

2007年12月10日

 新見温泉の輝くように透明で、さらりとした湯の後は、少し濃いお湯に入りたくなりました。ニセコには、多種多様な温泉がありますから、より取りみどりです。今回は、ニセコ五色温泉に向かいます。

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間近にニセコアンヌプリが迫ってくると間もなくニセコ五色温泉だ

 新見温泉は無味無臭の中性硫酸塩泉でしたが、五色温泉は、硫黄のにおいがただよう酸性の硫酸塩泉です。イワオヌプリの火口跡からゆう出する濃い温泉で、実は、私の大好きな湯なのです。

 ところで、この前、新見温泉の湯の起源について、その後、硫黄の同位体測定など新しい調査が行われているのか道立地質研究所の人に聞いてくると約束しましたが、金曜日に行ってきました。残念ながら、その後、ニセコについての詳しい調査は行われていないようです。

 ただ、火山の中腹にわく温泉といっても、マグマ水が主な起源という例はほとんどないようです。水分の起源は、大半が雨や雪などの天水なのだといいます。それが地下深く浸透して、高温の岩体に熱せられたり、高温の火山ガスを溶かし込んだりしながら、ゆう出するというのが専門家の見解です。

 この、地中にしみ込んだ天水が、熱せられて上昇してくる際に、色んな地層の岩石成分を溶かし込んだり地下水と混ざり合ったりするものですから、実に多様な成分構成になるのです。

新見温泉の温泉水の起源についての補足

2007年12月05日

 新見温泉の泉質について、典型的なグリーンタフ型温泉というふうに、12月4日に書きましたが、別の説もあるようです。
 かなりマニアックな内容になりますので、興味のない方は飛ばしてください。

 グリーンタフ地域に分布する硫酸塩泉は、天水が古い地層中に浸透し、かつて取り込まれた海水成分(硬石膏:CaSO4や食塩:NaClなど)を溶かし出してきたものであると説明できる、とされてきました。
 しかし、食塩成分をほとんど含まない単独硫酸塩泉の場合、鉱山などの鉱床をつくる高温熱水が関係すると思わせるものが、かなりあること、また、大部分の泉源の上流部の地層に熱水がかかわった鉱化変質帯が存在することから、海水起源以外の、鉱床関連型の起源も考えられるというものです。

 鉱床などで普通に存在する硫化鉄や炭酸塩鉱物、粘土鉱物などが広く分布する場合、天水が浸透して通過する際に、硫化鉄の酸化によって硫酸を生み出すというものです。この硫酸が炭酸塩鉱物を溶かし、CaSO4(カルシウム-硫酸塩泉:旧泉名・石膏泉)タイプの単独硫酸塩泉ができるという考えです。

 新見温泉の場合、新しい説を裏付けるように、貯留層が新しい火山でつくられた浅い地層で、上流部に黄鉄鉱を含む地層や褐鉄鉱床もあります。温泉の西側にはマンガン鉱床があることもわかっています。
 ただ、1975年の1号泉の分析では、単独硫酸塩泉とはいえないだけの食塩成分はあったことが分かっていますから、グリーンタフ型で食塩成分は枯渇したといいうことも考えられるわけです。さて、どちらが正しいのでしょうか。あるいは、両方の要素があるのでしょうか。
 新見温泉と泉質がよく似ている、岩内町の雷電温泉や朝日温泉は、グリーンタフ時代の地層に貯留槽があることがわかっています。
 硫酸成分のS(硫黄)の同位体測定などで、起源をさぐるようなことが必要ですね。
 最新の研究は、どこまで進んでいるのでしょうか。このあたりは、道立地質研究所の皆さんに聞いてみることにします。

ニセコに行ってきました・新見温泉-5

2007年12月04日

 新見本館の第一浴場は1号泉の湯です。泉質は第二浴場の2号泉とほとんど同じ、中性のカルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉です。
 この1号泉、1975(昭和50)年の分析では食塩(NaCl)濃度がかなりあったのですが、2006(平成18)年の調査では、その食塩成分だけ、すっぽりとなくなっていました。長い年月のうちに泉質が変わることはよくあることです。

 火山の山腹には、噴気活動に伴う酸性の硫酸塩泉はよくありますが、北海道で、中性やアルカリ性の純粋な硫酸塩泉で自然ゆう出しているのは、新見温泉のほかには、岩内町の朝日温泉や函館市南茅部の川汲温泉、登別市の川又温泉くらいしかありません。これらは、非火山性の「グリーンタフ型温泉」といわれています。

 ニセコは、地質学ではグリーンタフといわれる地域で、いまから1400万年くらい前は海底で盛んに火山活動がおこなわれていたところです。そこがやがて陸地になり、いまある新しい火山(第4紀火山)の活動でニセコ山系ができました。
 新見温泉は新しい火山の山腹にある温泉ですが、成分を見ると、カルシウムイオンと硫酸イオンの多い典型的なグリーンタフ型温泉です。雨や雪などの天水が地中深くにしみ込んで、温められた熱水が、古い時代の海水成分を閉じ込めていた地層を通過してくる途中で成分を溶かし込んできます。その付近の海水の食塩成分だけが先に枯渇してしまったのかもしれませんね。
 成分分析書を見ると、岩内町の雷電温泉の泉質とそっくりなのに驚きます。雷電温泉の湯も、透明な実にきれいな湯で、それでいてよく温まります。

 ちなみに、カルシウムイオンと硫酸イオンがくっつくと、医療用のギプスなどに使われる白い石膏(せっこう)になります。新見温泉の泉質は旧泉名でいうと含芒硝-石膏泉(がんぼうしょう-せっこうせん)です。
 芒硝とは硫酸ナトリウムのことで、入浴剤によく使われる成分です。また、飲むと便をやわらかくして出しやすくします。
 湯の肌当たりが軽く、刺激が少ないので、肌の弱い人や高齢者、湯治療養などに向くお湯だといえるでしょう。

ニセコに行ってきました・新見温泉-4

2007年12月04日

 新見本館は、1泊2食で8150円、10150円、12150円と3タイプがあります。いずれも入湯税150円込みです。値段の差は、夕食の料理の品数が2品ずつ増えるのだといいます。
 大食漢の私ですから、何のためらいもなく、一番高いコースにしようとしたのですが、「かなりの量になりますよ」という、おかみさんのアドバイスを受け入れ、自重して10150円のコースにしました。メタボリック症候群の入り口に立つ身としては実に理性的な判断です。

 長湯をした後、ごろりと、うたた寝をしているうちに夕食の時間になりました。
 食事は部屋出しです。青々としたギョウジャニンニクのしょう油漬けやイモ団子汁など、山の幸を巧みにアレンジした料理は多彩で、ヘルシーです。
 ビール中びん1本と、地酒の「ニセコ」の2合びんを付けてもらいました。まあ、これぐらいは許容範囲ですね。

 ところが、夜中に、おなかが空いたらどうしようと、気がつくわけです。
 「おにぎり2個をお願いします」
 「お夜食ですか?」
 「おなか、空きますよね」
 「そうですか…」
 1日に4回も、ごはんを食べるのですか? と、仲居さんは素朴な疑問を持つわけです。たしかに、そこに、私のメタボリックの原因があるわけで…。
 でも、夜中って、おなか、空きません? ダメですかね。食べちゃうんですが。

 で、一応、勉強をしようと、学術書などを持参したのですが、とてもとても、ビールと日本酒2合が効いて、すぐにごろんです。

 目がさめたら午前0時で、夜食のおにぎり2個をぺろりと平らげ、もう風呂もめんどうくさくなって、また寝ちゃいました。

 寝不足だったとはいえ、7時半に寝たわけですから、午前6時にはもう眠れなくなって、露天風呂に行きました。まだ暗いのですが、ゆっくり夜が明けてきます。ぬるめの湯につかり、ニセコ山系の目国内岳(めくんないだけ:標高1202.6m)の、とんがった頂のあたりを眺めていました。
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露天風呂から朝日に色づいた目国内岳を望む

 夕方と違って風はほとんどなく、露天風呂から上がる湯気がわずかにそよぐ程度です。空が朝日に色づきはじめたのは7時少し前でした。

 たった1泊、程よい湯疲れと若干の酒で、ひたすら眠り続けただけなのですが、2、3泊したように癒やされました。

ニセコに行ってきました・新見温泉-3

2007年12月03日

 新見本館の、湯気に満たされた第一浴場も私ひとりです。内風呂には2つの浴槽があって、熱めの湯と、それよりも少しぬるめの湯です。計ってはいませんが、44~43℃と40~39℃くらいでしょう。輝くように透明な湯があふれています。
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第一浴場には浴槽が2つある

 ここには温泉による蒸気風呂と打たせ湯があります。また、飲泉設備もあります。
 まず、コップ一杯の温泉水を飲みました。温度は60℃くらいあり無味無臭ですが、ただのお湯より口当たりが柔らかくて飲みやすい気がします。
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飲泉設備

 それから打たせ湯をじっくり浴びました。いすに腰掛け、メガネを外し、頭に湯を受けると、頭蓋(ずがい)骨がゴーっと鳴って、うわー気持ちいい、頭も凝ってるわ、(本当か?)って感じです。
 私は慢性的な肩こりで、いつも理髪店で「こちこちに凝ってますね」と言われます。ですから、次は肩です。右に左に位置を変えながら背中の方も、普段は考えられないほど、のんびりと浴びました。でも、まだ午後4時前です。夕食までたっぷり時間があります。
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蒸気風呂と打たせ湯

 蒸気風呂は、息苦しくなるほど熱くはありません。汗が流れるくらい温まったので、浴室のいすに腰掛けクールダウンしました。
 最後は熱い湯につかって上がりましたが、ついつい長湯になる湯ですね。
 部屋にもどって座布団を枕にゴロリと横になると、すっと眠り込んでしまいました。

ニセコに行ってきました・新見温泉-2

2007年12月01日

 新見温泉には新見本館と新見温泉ホテルの2軒があります。今回は、本館の方に泊まりました。
 私が着いたのは午後2時半。ここはチェックインが同2時ですからOKです。しゃきしゃきした仲居さんが、二階の、見晴らしのいい部屋に案内してくれました。
 温泉に着いたら、何よりお風呂です。浴衣に着替えて、露天風呂がある第二浴場に向かいます。新見本館には浴室が2つあって、第一浴場には温度の違う浴槽が2つと、蒸気風呂と打たせ湯があります。
 季節はずれのウイークデーですから宿は空いているとのことです。案の定、風呂には私以外に客はいません。内風呂には、透明できれいな湯がとうとうとあふれています。泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉で、源泉かけ流しです。
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第二浴場の内風呂

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雪の露天風呂

 内風呂で温まってから露天風呂に出ると、いやあ、寒いです。足の裏が痛くなるほど冷たくて、ドボンと飛び込んでしまいました。少しぬるめの湯についつい長湯をしてしまいます。夜と、朝にも入ろうと決めて、第一浴場に向かいました。
 ここの露天風呂は基本的に混浴です。でも、午後10時から同11時までは女性専用になります。それと、混浴の時間帯は、バスタオルを体に巻いて入浴してもよいことになっています。

ニセコに行ってきました・新見温泉-1

2007年11月30日

 国道230号で中山峠を越え、留寿都村から真狩村に入ります。この日の羊蹄山は、半分、雲に隠れていましたが、それはそれで初冬らしい風景です。
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 今回は、国道5号に出て蘭越町に向かいます。目指すは新見温泉の新見本館(蘭越町新見1、電話0136-57-5231)です。
 新見温泉は標高が520メートルありますから、雪が積もっています。道路はきれいに除雪されていて快適に走れます。でも、ふぶくと、ちょっと怖い感じがしますね。まあ、北海道の冬道はどこでもそうですが。
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定山渓温泉の湯の起源をさぐる-6

2007年11月27日

■源泉に3つのタイプがある?
 定山渓温泉の泉源は豊平川の川床約800メートルに集中しています。
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 写真は、クリックすると大きくなります。上が定山渓大橋から西側の川床を見たもの、下は月見橋から東側を見たものです。コンクリートで固めた泉源がたくさんありますね。また、四角い湯小屋もあります。

 この源泉の取り口で、河川水の混入があるため、微妙に温度や成分に違いがあるようです。また、この河川水の混入は豊平川の水量の変動に影響されることがわかっています。同じ宿のお湯でも、微妙な違いが出てくるわけです。

 ちなみに、河川水の混入割合は、0~14.1%でした。手元の資料によると、調査のためにサンプルを取った17本の泉源のうち、5%以上混入があったのは7本。最も混入の多かった泉源は河川水が14.1%混入しているうえ、地下で炭酸水素泉(HCO3)タイプの温泉水6.7%を混ぜ込んでいるのだそうです。いやあ、よく、こんなことまで、わかるものなのですね。

 そうすると、定山渓温泉の湯には、次の3タイプあることになります。
 ①地下から上がってきた熱水が100%の源泉。
 ②河川水が少し混入した源泉。
 ③河川水と、ほんの少しだけHCO3タイプの温泉水が混じった源泉。

 でも、混入割合が小さいので、はたして、湯の肌触りで違いがわかるのかどうか、私には自信がありません。ただ、無色透明な源泉と少し黄緑色に濁った源泉の違いは、これらの混入に関係があるような気がしますが、どんなものでしょう。

 いかがでしょう? 定山渓の温泉水の由来についてご紹介しました。
 今回の内容は、主に「平成11年度 定山渓温泉保全調査報告書-第3次」(産業技術総合開発機構、2000年11月)によるものです。定山渓地域の温泉についての最も新しい調査報告書です。北海道立地質研究所の図書館で紹介していただきました。ここには、北海道の地質に関する研究論文や各種調査報告書がそろっていて、地熱や温泉についても充実しています。ただ、内容は研究者向けですから、ある程度の専門知識がないと、読むのは難しいです。
 この研究所には、実に魅力的な研究者のみなさんがいらっしゃいます。その活動を後日、ご紹介しようと思います。お楽しみに。

 追記
 この報告書の中に、私が探していた、定山渓温泉と似た温泉についての記述が、ちょっとだけありました。
 温泉水が花崗岩(かこうがん)の地層からゆう出する、八雲町の日本海側にある、見市(けんいち)温泉と平田内(ひらたない)温泉について、「起源や生成機構が類似していることが示唆される」と書かれています。
 でも、湯の色や肌当たりの印象は、何か、ちょっと違うような気がします。まあ、同じ温泉なんてありませんからね。あらためて、定山渓温泉の湯が、強い個性のあるものだということがわかりました。ありふれてなんかいませんね。

定山渓温泉の湯の起源をさぐる-5

2007年11月26日

■食塩成分はどこからきたのか?
 一般的に、食塩泉の塩分の由来には4つ考えられます。
 1つ目は、現在の海水に由来するもの。
 2つ目は、地層に閉じ込められた化石海水に由来するもの。
 3つ目は、海底だった時代の地層に残った古海水の成分に由来するもの。
 4つ目は、マグマ活動から発する熱水やガスに由来するものです。
 現実には、これらが複合的に関係している場合が多いようです。

 「現海水」か「化石海水」かは、場所と温泉分析書の数字を見ればかなりわかります。でも、海から離れた火山性地盤からゆう出する食塩泉の成分が、何に由来するかとなると、そう簡単にはいきません。 定山渓温泉はこれにあたります。
 また、兵庫県の有馬温泉のように高濃度の塩分を含みながら海水の影響を受けていない温泉が、ほんのわずかですがありますが、その起源は、まだ、分かっていません。

 そこで、定山渓温泉の場合、いまのところ有力と考えられているのは、この地域が、海底だった時代に岩石の中に取り込んだ海水成分が、熱水によって溶け出したという説です。グリーンタフ地域の温泉には、硫酸塩泉や食塩泉がよくあるからです。

 しかし、いまも、周辺には恵庭岳や羊蹄山などがあって、火山活動が活発な一帯ですから、マグマ関連熱水が地下深いとことから上がってきて、混入しているというメカニズムも捨てきれないのだといいます。
 それは、弾性波探査の結果から、定山渓温泉の南西部に、一部溶融した高温岩石が存在する可能性が指摘されているからです。グリーンタフ地層に残された古海水の成分か、マグマ水か、あるいは、両方がかかわっているのかもしれませんね。なかなか興味の引かれる温泉水になってきました。

定山渓温泉の湯の起源をさぐる-4

2007年11月25日

■熱源は何か?
 定山渓温泉の温泉水の水分は、雨や雪などの天水が起源です。そこで、この天水を加熱している地下の熱源は何なのでしょうか。
 定山渓温泉の地下深いところに150℃~200℃ぐらいの岩体があって、それが熱源になっているのではないかと考えられていますが、まだ確証は得られていないそうです。

 定山渓温泉の西5キロメートルほどにある湯ノ沢地区の地下には、塩分濃度の大変濃い、温度310℃~330℃の熱水だまりがあるようで、さらにその西側3~5キロメートルの地下2.5~5キロには、一部が溶けた高温の岩体があることが、弾性波速度分布などのデータから予測されています。この場所は、無意根山の東麓(とうろく)から小喜茂別岳付近にかけての地下です。
 ただ、湯ノ沢地区の熱水だまりと定山渓温泉の地下は、断層によって隔てられ、熱水の行き来はないようです。

 噴気活動のない山の地下に、熱い溶岩が残っていることはよくあります。
 例えば、定山渓温泉に近い札幌岳の地下にも、マグマが存在する可能性があるといいます。定山渓温泉の地下に、マグマ活動の影響による高温の部分があってもなんら不思議はありませんね。
 でも、定山渓温泉がマグマ起源の食塩泉と言い切るには、まだ問題があるのだそうです。

定山渓温泉の湯の起源をさぐる-3

2007年11月24日

■温泉水はどこから来たのか?
 定山渓温泉の温泉水の水分は、水素や酸素の同位体比というので調べると、河川水とほぼ同じで、雨や雪などの天水が起源だそうです。わずかに海水やマグマ水の混入を示すような傾向がありますが、誤差の範囲かもしれず、正確には判断できないようです。
 天水は、定山渓温泉の南や南西側から地下に入り込み、熱せられ、温泉成分を取り込んで、泉源からわき出ています。

 定山渓温泉の真下、海抜200メートルぐらいの地中に、温度120℃程度の、成分が均一な熱水が、大量にたまったところがあるようで、そこから、地下水などと混ざることなく、地上まで上昇してきています。
 それより深いところでは、海抜マイナス500メートル付近から下にも、熱水がたまっているところがあるようで、その温度は、周囲の岩石への伝導冷却を想定した鉱物飽和度計算という難しい作業の結果、熱水は135℃~190℃程度か、それ以上の温度になっている可能性があるといいます。

定山渓温泉の湯の起源をさぐる-2

2007年11月23日

■温泉のわき出る地質は?
 定山渓温泉のある北海道南西部は、地質学的にはグリーンタフ地域といわれ、2300万年から500万年くらい前(地質時代区分の新第三紀中新世)には、海底で盛んに火山活動をおこなっていたところです。ですから、地層中に当時の海水成分を取り込んでいる場合があります。海底での火山活動の最盛期は1400万年前ごろだそうです。その後もこの地域は、現在まで火山活動が盛んです。
 ちなみに、恐竜がいたのは6500万年くらい前までで、人類の祖先が誕生したのが500万年くらい前です。なんだか、とてつもなく遠い時代のことですね。

 定山渓温泉の源泉の位置は、石英斑岩(せきえいはんがん)という、溶岩が固まってできる花崗岩(かこうがん)の一種が、周りの地層を突き破って出てきた真上にあります。豊平川はこの岩を削って流れていますが、源泉の大半は、その川床の岩の割れ目から自然ゆう出しています。

 泉温は58℃~84℃(最高102℃)で、泉質名はナトリウム-塩化物泉(Na-Cl)ですが、炭酸水素イオン(HCO3)も含むため、地質学的には、Cl型に近いCl-HCO3型に分類されています。内陸部の温泉としては、比較的高いCl濃度の温泉水とされています。

定山渓温泉の湯の起源をさぐる-1

2007年11月23日

 札幌は寒いです。雪も降ってもうすっかり冬です。今日は一歩も外に出ていません。

 定山渓温泉というと、札幌の奥座敷といわれ、一夜の大宴会、どんちゃん騒ぎ、徹夜マージャン、といった慰安旅行の強烈な印象が私にはあります。何度も宿泊しているので、ありふれた感じがしていました。
 でも最近、泉質にこだわって定山渓温泉に通ううち、さて、ここと似たお湯はどこかにあっただろうか…、と考え込んでしまいました。

 ナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)ですから、温泉水の主な成分だけでいうなら、ありふれたものですね。あそこはどうだったかな、ここはどうかなあ、などと思い浮かべても、ちょっと違うなあ、という感じがするのです。意外に少ないのかもしれません。
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定山渓の湯はありふれているのか?(ホテル山水の内風呂)

 温泉水1キログラムの蒸発残留成分が3グラム以上もあって、海から離れた、山あいの温泉である定山渓温泉の湯は、食塩泉といえども、ありふれた湯とは違うのではないか、と思ったわけです。

 そこで、インターネットで、いろいろな研究論文をダウンロードして読みあさったのですが、いまひとつ確信が持てないので、北海道立地質研究所を訪れました。いや、ここはすごいです。何がすごいって、それは、後日ご紹介します。

 温泉の熱源は何か、水分の起源は何か、成分の由来は何かを、こんなに詳しく調べている人たちがいるんですね。私も地質学に足を踏み入れ、詳しく知りたくなってきました。地下深く、時代もさかのぼって、まず、定山渓温泉の湯の起源を探しにいってみましょう。
 これから、数日は、マニアックな話になりますから、興味のない方はパスしてください。

定山渓温泉・定山渓ホテル

2007年11月16日

 札幌にも雪がやってきました。寒いです。寒くなったら温泉ですね。

 先日、二男の所属する少年野球チームの納会で定山渓ホテルに行ってきました。
 昨年に引き続き同じホテルです。
 というのも、ここは酒やつまみ類の持ち込みができるうえ、和室の2次会会場を無料で用意してもらえるので、予算上も助かるのです。

 それに、広い大浴場には温水プールがあって、子どもたちが遊ぶのに最適です。さらに24時間入浴できます。大浴場と中浴場が、1日に何度か男女入れ替えになります。

 ここの温泉は源泉温度が高いため10%~20%の加水をしてかけ流していますが、1つだけ加水しない源泉かけ流しの浴槽が設けられています。ちょっと熱めですが、肌当たりが柔らかく、少しとろっとした感じのこの湯が私のお気に入りです。

 泉質はナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)の透明できれいな湯ですが、温泉水1キログラム中の蒸発残留成分は3.597グラムもあります。この濃さは、一般的な200リットルの家庭用浴槽の湯だと、720グラムにもなります。
 今回は写真なしです。ごめんなさい。

小金湯温泉の新施設予想図

2007年11月09日

 エイエルさんが、黄金湯温泉旅館跡に建設中の施設に「新しく建つ施設には綺麗で新しいばかりではなく、昔の黄金湯温泉旅館のような雰囲気を残して欲しいですね」とおっしゃっていましたが、工事の看板に完成予想図が付いていましたので、ご紹介します。=写真はクリックすると大きくなります。
 由緒ある旅館のイメージが残るのかはわかりませんね。

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小金湯温泉・まつの湯-1

2007年11月08日

 何かと忙しく、更新が遅れました。日記のように毎日書くのはけっこう大変ですね。でも、またがんばります。
 今回は、定山渓温泉の手前にある小金湯温泉です。いま営業しているのは「まつの湯」(札幌市南区小金湯24番地 電話011-596-2131)だけです。
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 小金湯温泉には3軒の温泉宿がありましたが、黄金湯温泉旅館が5月に廃業し、その跡地に、となりの小金湯パークホテルが日帰り入浴施設を兼ねた大浴場の建設を進めていて、同パークホテルも改装のため休業しています。両施設とも来年3月中旬から営業の予定です。

 で、まつの湯ですが、ここのお湯は「単純硫黄泉」で、硫黄の香りがただよって温泉情緒が高まります。源泉の温度が低いため加温しています。また、循環・ろ過・殺菌をしていますが、塩素系消毒剤のいわゆるカルキ臭はあまり感じません。

 私が好きなのは露天風呂です。硫黄のにおいが強く、内風呂より少し白濁しています。対岸のがけを眺めながら湯につかり、川風に吹かれていると、ついつい長湯をしてしまいます。
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 白樺(しらかば)はすっかり葉を落としていますが、四季折々の風情が楽しめます。
 日帰り入浴料金が500円と、札幌近郊としては安いほうです。

 私の友人は、札幌マラソンを完走した仲間と連れだって、ここのお湯に入りに来たそうです。激しいスポーツで凝った筋肉を癒やすのに、温泉は最高ですね。
 昔の湯治の本によると、湯上がりに冷たいものを飲むのはいけない、と注意書きがあるそうです。でも、やっぱり、湯上がりのビールはうまいですよね。ただ、運転する人は厳禁ですよ。

秋色の支笏湖・いとう温泉-3

2007年10月27日

 何十年も前に一度訪れたことがあるという70代の男性が、「あのときは夜だったから、(露天風呂が)、こんなふうだったか、まったく覚えていないな」と、奥さまに話しかけていらっしゃいます。
「あら、そうでしたの」という、ちょっぴり突き放した感じの、奥さまの声色は、「いつものことですものね。あのときも、大いに酔っぱらっていましたよ」とおっしゃっていました。たぶん間違いありません。
 「では、ごゆっくり」と、私は湯からあがりました。
 いとう温泉は11月10日で今年の営業を終え、来年の4月下旬から再開されます。

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湯気を上げる露天風呂

秋色の支笏湖・いとう温泉-2

2007年10月26日

 いとう温泉は、道々730号の終点である丸駒温泉の500メートルほど手前にあります。看板が出ているのですぐわかります。湖に降りるように急な坂道を下ると行き止まりがそうです。
 いとう温泉の今シーズンの営業は11月10日までです。
 レストランを兼ねた建物の1階にフロントがあり、自動販売機で入浴券を販売しています。大人は700円です。内風呂もありますが、ここは何と言っても湖畔の露天風呂でしょう。
 露天風呂入り口は外です。階段を下りると右が男性、左が女性。そこに缶ビールの自販機があるのですが、運転する身にはちょっぴり恨めしい。
 さっさと服を脱ぎ、たっぷり深さのある、ちょっぴりぬるめの湯に肩までつかると、冷えた体に心地よい熱が、じわーっとしみ込んで最高の気分です。露天風呂から眺める広々とした支笏湖は、少し波立っていましたが、湖面を渡る秋風は、ほおにひんやりして、ついつい長湯になってしまいました。

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秋色のいとう温泉の露天風呂

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露天風呂から眺める支笏湖と風不死岳

秋色の支笏湖・いとう温泉-1

2007年10月25日

 札幌近郊の紅葉を楽しめるのもあとわずかの期間です。そこで、間もなく冬季の休業に入る支笏湖の「いとう温泉」に向けて車を走らせました。
 札幌市南区の私の家からだと、約1時間のドライブ。好天に恵まれ、国道453号沿いは紅葉・黄葉の真っ盛りです。逆光の中にそびえる恵庭岳は迫力があります。幌美内(ぽろぴない)の分岐から道々730号に入ると、道幅が狭いため、黄葉した木の枝が空を覆い、金色のトンネルのように輝いて、まるで夢の中にいるような気分になりました。

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国道453号から見る恵庭岳

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金色のトンネルの中をドライブする

定山渓の紅葉が真っ盛り

2007年10月22日

 この前、定山渓の紅葉が1週間から10日ほど遅れていますとご報告しましたが、その通り、今がピークです。
 もう一度「白樺(しらかば)の湯」と「ホテル山水」に行ってきました。土曜は、ホテル山水の日帰り入浴が午後3時で終わるため、白樺の湯に行きました。この日は、前回と浴室が男女入れ替えになっていました。浴槽の配置は壁を挟んで左右対称の造りです。露天風呂からの紅葉が実にきれいでした。
 日曜日はホテル山水です。露天風呂につかって眺めると、渓谷側に植えられた桜はきれに紅葉しているのですが、露天風呂を被うように枝を張る桜はまだ青々としています。湯の熱で紅葉が遅れているのでしょうね。でも、吹き寄せる秋風に心地よくそよいでいました。

山水の露天風呂から眺める紅葉
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定山渓の紅葉はいまが真っ盛り
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定山渓温泉の名湯「ホテル山水」

2007年10月15日

 ここは温泉教授・松田忠徳先生も絶賛する名湯です。館主のお湯に対するこだわりには定評があって、源泉を最高の状態で提供しています。
 客室数が23室というこぢんまりしたホテルですから、経営者とお客さんの距離が近く、なんと言っても、おかみさんの、笑顔の接客が素敵です。
 この日は、定年退職後17年目の同期会に参加する皆さんと露天風呂でご一緒しました。「ここの湯は熱かんだろ」
 岩に腰掛け、涼みながらおっしゃいます。
 年に2回、この宿に集まるそうで、今回で34回目だそうです。
 「落ち着いていて湯がいいね」と露天風呂からの眺めを満喫されていました。

 湯は緑黄色をおびたにごり湯で、泉質はナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)。温泉水1キログラム中の総成分は約3グラム。「白樺の湯」とほぼ同じですが、色はかなり濃いようです。浴室にも少し熱めの湯がかけ流されています。湯につかると肌がすべすべし、とても満足感が得られます。
 ここは飲泉もできます。飲みごろの温度で、ほのかな塩味があって体に優しい感じです。

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ホテル山水の外観

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源泉がかけ流され湯気が立ちあがる内風呂

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見晴らしのいい露天風呂

定山渓温泉「白樺の湯」を訪ねる

2007年10月14日

 定山渓温泉で、露天風呂からの眺めが好きな「白樺(しらかば)の湯」を訪ねました。
ここは日帰り温泉施設で、内風呂には源泉の湯と半身浴用の薬湯、水風呂の3つの浴槽があります。外にサウナと露天風呂があります。露天風呂から眺める木々や、涼みながら見渡す渓谷の風景が野趣に富んでいて癒やされます。
 ここの湯は源泉かけ流しのナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)で、緑黄色をおびています。湯口の湯をなめてみると、ほんのり塩味がします。湯口に真っ白な塩がこびり付いています。温泉水1キログラム中の総成分は3グラムを少し超えます。
 入浴料は大人700円、子ども400円です。平日の午後5時以降は大人500円、子ども300円になります。
 白樺の湯は、札幌市内から国道230号で定山渓温方面に進み、温泉街に入る手前の錦トンネルを抜けてすぐの信号機のある交差点を朝里峠方面に右折し、豊平川にかかる錦橋を渡ってすぐ左折するとあります。

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白樺の湯の外観

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白樺の湯の内風呂

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露天風呂につかって見渡す木々

定山渓温泉の紅葉は遅れ気味

2007年10月13日

 このところ、もっぱら家で原稿を書く生活が続いています。運動不足と寝不足で身体がすっきりしません。歩いてもいないのに足がだるく、背中から肩にかけて痛みが出る寸前まで凝っています。数日前まで風邪をひいていたせいもあってパワーもありません。
 こうなったら温泉しかありません。紅葉の状態も見ておきたかったので、日帰りで定山渓温泉に行ってきました。紅葉は1週間から10日くらい遅れている感じです。まだ、1割程度でしょうか、緑の方が支配的です。でも、枝先を鮮やかに染めたモミジも見られます。

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旧豊林荘に向かう渓谷に架かる橋から上流側

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同、下流側

温泉の長期休業や廃業

2007年10月11日

 温泉の取材をしていると、長期休業や廃業になる宿に行き当たります。最近では「万字温泉」、ニセコ湯本温泉の「ロッジチセハウス」や、本別町の「山渓閣」、定山渓温泉の「豊林荘」などが目につきます。
 宿の跡継ぎがいない場合「私の代でおしまいですから、いまさら設備投資はできません」と、施設の補修もままならず、館主が健康を害したらそこでおしまいというお話はよく耳にします。湯の温度が高く、ゆう出量が豊富であれば売却しやすいのですが、水温の低い冷鉱泉の場合、燃料代が経営を圧迫するため、なかなか難しいようです。

 「山渓閣」の