■道南・駒ヶ岳を望む流山温泉の魅力
2008年10月14日
北海道の紅葉前線は道東、道央を通過して、道南に向かっています。道南は温泉の宝庫ですが、今回は大沼国定公園の流山温泉(七飯町東大沼294-1、電話0138-67-1726)をご紹介します。
大沼国定公園には、美しい姿を見せる活火山・駒ヶ岳と、その噴火によってできた大沼、小沼、蓴菜(じゅんさい)沼などがあり、七飯町、森町、鹿部町にまたがっています。道南のリゾート地として施設が充実してきています。
大沼のシンボル、駒ヶ岳は、激しい噴火を繰り返していますが、文書に残る最も古い記録は、1640年(寛永17年)の大噴火です。山頂付近が崩壊して岩屑(がんせつ)なだれが発生し、噴火湾まで達し、700人もの犠牲者が出ました。その後も、
1856年(安政3年)
1929年(昭和4年)
1942年(昭和17年)と大噴火を繰り返しています。
活発な火山の地下にはマグマが迫り、熱い岩体がありますから、周辺には温泉が豊富です。泉質もさまざまですから、温泉ファンには魅力的な場所です。
流山温泉はJR北海道グループの「JRはこだて開発」が経営する日帰り温泉施設で、函館本線(砂原回り)には、「流山温泉駅」があり、すぐ近くにあるキャンプ場やパークゴルフ場も同社の経営です。
この温泉の魅力の一つは、世界的な彫刻家・流政之氏による斬新なデザインでしょう。打ち砕かれた岩やなぎ倒された巨木、吹き寄せられたように積み上げられた枯れ枝は、まるで、噴火という大自然の災禍から復興に挑んだ人々の記憶をよみがえらせたようです。露天風呂から望む駒ヶ岳は、美しくも、時を超えて畏怖(いふ)するべき対象として圧倒的な存在感で迫ってきます。
もちろんいい湯です。源泉の温度が低下した場合、若干加温することがありますが、基本的に源泉掛け流しです。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉(旧泉名:含石膏・芒硝泉…がんせっこう・ぼうしょうせん)です。少し緑色を帯びた濁りがあります。
芒硝(硫酸ナトリウム)は市販の入浴剤の主成分です。温泉分析書を見ると、重曹(炭酸水素ナトリウム)もかなり含んでいて、これも入浴剤の代表的な成分。肌あたりが柔らかく、すべすべして刺激が少ないので、肌の弱い人やお年寄りにもやさしい温泉といえます。
この施設は、湯を銀イオン殺菌していますが、循環ろ過はしていません。銀イオン殺菌は、湯の通るパイプの途中に取り付ける装置で、湯に投入する塩素系殺菌剤とはまったく違って、酸化還元電位をマイナスに導きますから、湯は地中から上がってきたばかりのような新鮮さを得られるといわれています。掲揚した温泉水をタンクに貯留したり熱交換機の中を通したりするような場合に有効な殺菌方法といえるでしょう。
もう一つ、人気なのが、レストラン「停車場」で食べられる「自家製生粉打ちそば」で有機・無農薬・無添加で、そば粉100%。そば好きにはうれしいですね。
流山温泉は日帰り施設ですが、温泉と同じ会社が経営する「クロフォード・イン大沼」というリゾートホテルが大沼にあります。JR大沼公園駅から徒歩3分の便利さで、宿泊客は流山温泉まで送迎してくれ、入浴料が半額の400円になります。
札幌からだと周辺観光をするにも車のほうが便利ですが、函館方面からならJRの普通列車が流山温泉駅に停まるので便利です。この駅のホームには、北海道新幹線の誘致を願って、本物の新幹線の車両が展示されています。また、流山温泉の敷地内にも客車が設置され、無料休憩所になっています。さすがJR、鉄道ファンはいろいろ楽しめるところです。
