温泉の主な泉質について-1
2009年02月01日
旅行が大好きというお嬢さんから「泉質ってどんなものがあるのですか? 泉質名が書かれていてもぴんとこないのです」という質問を受けました。
まあ、例えば、「泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉(旧泉名:含石膏-芒硝泉)」なんて書かれていても、湯のイメージは浮かんでこないかもしれませんね。
泉質には、「食塩泉」とか「硫黄(いおう)泉」「重曹(じゅうそう)泉」などと昔から呼ばれているものと、脱衣場などに掲示されている「温泉分析書」に書かれている泉質名がありますが、温泉分析書に書かれたものには、旧泉名と新泉名があります。新泉名は、1977年から国際基準にあわせて、主成分の物質名を記述する方法で付けられるようになったもので、今後は、新泉名に統一されていきます。
温泉法に基づく正式な泉質名は大変複雑で、環境省の「鉱泉分析指針」に示されているものだけでも60種類以上あり、現実には130種類を超えるともいわれています。同じ泉質名でも濃さは違いますし、主成分以外の含有成分に違いがあります。人の顔と同じで、温泉は千差万別、変化に富むものなのです。
ここでは、見た目や、肌触りなどで違いがわかりやすい、典型的なものを11種類にまとめてみました。
お湯の特徴がわかれば、それが濃かったり薄かったり、あるいは、ほかの成分が混ざっているだけのことですから、どんなお湯なのかイメージしやすくなりますね。
■塩類泉
火山ガスや岩石、海水などの成分を溶かし込んで、温泉水1kg中に溶けている成分が1g以上あるものをいい、以下のようなものがあります。
●食塩泉
①ナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)
道内でもおなじみの泉質で食塩の成分が溶けています。その塩分が、いまの海水か化石海水かなどによって、濃さもいろいろです。特に濃いものは「―――強塩泉」と記述されます。よく温まり「熱の湯」ともいわれます。定山渓温泉、虎杖浜(こじょうはま)温泉、釧路管内標茶町の茅沼(かやぬま)温泉など。長沼温泉や神恵内村のリフレッシュプラザ998などは強塩泉です。
●重曹泉
②ナトリウム-炭酸水素塩泉(旧泉名:重曹泉)
重曹成分が溶け込んでいて、肌がつるつる、すべすべになることから「美人の湯」とされています。支笏湖温泉や積丹半島先端にあるシララ温泉・温泉旅館北都などがあります。また、食塩が混ざった「ナトリウム-炭酸水素・塩化物泉」(旧泉名:含食塩-重曹泉)は豊平峡温泉など。
●硫酸塩泉
③ナトリウム-硫酸塩泉(旧泉名:芒硝泉=ぼうしょうせん)
芒硝(硫酸ナトリウム)は市販入浴剤の主成分の一つで、湯の肌触りを柔らかくします。また、下剤の成分でもあるため、飲むと便秘に効きます。乙部温泉・光林荘は食塩も含みます。白金温泉はマグネシウムやカルシウムの成分を含んでいます。
④カルシウム-硫酸塩泉(旧泉名:石膏線=せっこうせん)
石膏成分には鎮静作用があり、切り傷ややけどにもいいといわれます。純粋な石膏泉は、きらきら光るほど透明できれいな湯で、肌当たりが柔らかく刺激が少ないため、湯治にも適しています。ニセコ新見温泉、雷電温泉など。
⑤マグネシウム-硫酸塩泉(旧泉名:正苦味泉=しょうくみせん、せいくみせん)
全国的にみても数少ない名湯といわれる湯です。口に含むと苦い味がします。高血圧、動脈硬化、肥満などに効くといわれます。旭岳温泉・湧駒荘の湯は、ナトリウムやカルシウムも含みます。
⑥酸性-アルミニウム・鉄Ⅱ-硫酸塩泉(旧泉名:酸性明バン・緑バン泉=さんせいみょうばん・りょくばんせん)
火口に近い所からわく酸性の湯で、硫酸アルミニウムは明バン、硫酸鉄Ⅱは緑バンといいます。さまざまな効能があるのですが、刺激が強いので肌の弱い人は避けた方がいい場合があります。恵山温泉や十勝岳温泉・凌雲閣、川湯温泉は食塩や硫化水素も含み酸性度が強い湯です。(つづく)
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