« 2009年01月 | メイン | 2009年03月 »

グリーンタフ型の温泉とは

2009年02月27日

<はじめに>
 温泉は、普通、雨水などの天水や海水が、岩の割れ目などを通って地下深くしみ込み、地熱で温められたものです。
 活火山はもちろん、いまは活動していない、かつて火山だった地域の地下には、マグマだまりや、まだ高温の岩体があるうえ、水が地下にしみ込みやすい断層が多く、当然、温泉が豊富です。

 火山性の熱源がなくても、普通、地下を100m掘ると、地熱は3℃くらい上昇しますから、年平均気温が8.5℃の札幌市内だと、1000m掘ると、38.5℃くらいの温泉になるわけです。札幌市内の場合、地下1300mほどのところに、かつて海だった時代に海水を取り込んだ地層があって、濃い食塩泉が動力でくみ上げられています。

 北海道の地質構造を調べると、本州の延長である南西部と、千島列島の延長である東部の地盤が衝突して日高山脈を形成し、一つの島になったことがわかります。そのため、間に挟まれた、かつて海だった地層があったり、植物が堆積して変成した石炭層や泥炭層があったりして、実に多様です。
 ですから、温泉もバラエティーに富んでいます。石油や天然ガスを伴ってわき出る温泉や、鉄を溶かしてしまうような濃い酸性の湯もあります。硫黄の香りが漂う、温泉情緒がいっぱいの温泉地もあります。
 その中で、あまり知られていないのが、グリーンタフ型といわれる温泉です。

<グリーンタフ型温泉>
 北海道南西部や北海道中部の大雪山系から東部の知床半島まで、活火山がいっぱいあります。恵山や駒ヶ岳、有珠山、樽前山と恵庭岳、そしてニセコ火山群。十勝岳や旭岳、雌阿寒岳、羅臼岳もあります。
 しかし、これらの火山が生まれるもっともっと昔の1600万年ほど前には、この地域は深い海の底にあって、海底火山が激しい噴火を続けていました。この時代の地層には、強い圧力と熱で変成した、緑色を帯びた火山岩が大量に堆積していて、これをグリーンタフといいます(図参照)。

%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%95.jpg
北海道周辺のグリーンタフ地域

 その後、プレート運動によって大きく持ち上げられ、陸地となり、いまある火山が溶岩や火山灰を大量に噴出し、北海道の地形が作られました。
そのため、グリーンタフには、海水の中に溶け込んでいた塩分や石膏などの成分が取り込まれています。

 内陸部にありながら食塩成分の多い「定山渓温泉」や八雲町の「見市温泉」などは、かつて、地層に取り込んだ塩分が、温泉水に溶け出したものだと考えられています。

%E5%AE%9A%E5%B1%B1%E6%B8%93%E3%81%AE%E6%B3%89%E6%BA%90%E3%83%BB%E8%B1%8A%E5%B9%B3%E5%B7%9D.jpg
豊平側河床からわき出る定山渓温泉

%E5%AE%9A%E5%B1%B1%E6%B8%93%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E5%B1%B1%E6%B0%B4%E9%9C%B2%E5%A4%A9%E9%A2%A8%E5%91%82%E3%83%BB%E6%B7%B7%E6%B5%B4.jpg
定山渓温泉・ホテル山水の露天風呂

 また、近くに火山がないのに、中性やアルカリ性の純粋な硫酸塩泉がわき出ている場合があります。 ニセコ新見温泉や岩内町の朝日温泉、函館市南茅部の川汲温泉などは、グリーンタフに取り込まれた、石膏(硫酸カルシウム)が溶け込んだ、非火山性の「グリーンタフ型温泉」なのです。

 また、火山地帯の温泉でも、食塩泉がよく見られるのは、グリーンタフの地層の影響を受けているからでしょう。

%E5%86%AC%E3%81%AE%E6%96%B0%E8%A6%8B%E6%B8%A9%E6%B3%89%E5%A4%96%E8%A6%B3.jpg
新見温泉本館

%E5%86%AC%E3%81%AE%E6%96%B0%E8%A6%8B%E6%9C%AC%E9%A4%A8%E9%9C%B2%E5%A4%A9%E9%A2%A8%E5%91%82.jpg
新見温泉本館の露天風呂

%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%B8%A9%E6%B3%89%E5%A4%96%E8%A6%B3.JPG
朝日温泉

%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%B8%A9%E6%B3%89%E7%94%B7%E6%B9%AF.JPG
朝日温泉男性浴室

<種類が豊富な火山性の温泉>
 では、火山性の温泉とはどういうものをいうのでしょう。
 一般的には、マグマから発散される高温の火山ガスや水蒸気が、地下水に溶け込み、それが地層を流れ下るときにわき出てくるものです。
 ガスの中には、硫化水素や二酸化炭素のように、岩の割れ目を通って、意外なほど遠くまで運ばれるものもあります。この間に温度が下がり、冷たい地下水に溶け込むため、温度が25℃以下でわき出てくるものもあります。「硫黄泉」とか「炭酸泉」と呼ばれるものです。

 噴火口の近くからわく温泉には、温泉情緒を醸し出す、硫黄のにおいのする湯があります。一般的には硫黄泉といわれますが、正式な泉名はもっと複雑です。登別温泉、ニセコ五色温泉、ニセコ湯本温泉、雌阿寒温泉、川湯温泉などが有名です。

 また、噴火口に近いほど酸性が強い温泉になります。
釧路管内弟子屈町の川湯温泉は、屈斜路カルデラの中央に位置し、硫黄山(アトサヌプリ=標高512m)が源ですが、湯のpHは1.3という、鉄も溶ける強酸性の湯です。
 道南の恵山の火口から引湯する恵山温泉旅館はpH2.14。十勝岳の安政火口に近い十勝岳温泉・凌雲閣がpH2.3。ニセコのイワオヌプリの旧噴火口に泉源のあるニセコ五色温泉旅館はpH3.2です。こうした、酸っぱい温泉水には鉄やアルミニウムなどの成分も豊富で、火山からの恵みがいっぱい溶け込んでいます。

 噴火口付近から地下を流れ下る温泉水は、岩石と反応し、地下水と混ざったり火山ガスを取り込んだりしながら成分を変化させます。硫酸成分が減り、重曹成分が増え、やがて単純泉の方向へ変化していきます。pHは酸性から中性、アルカリ性へと変化します。
 ニセコを例に、標高の高い順に並べてみるとよくわかります。
①ニセコ五色温泉 含フッ素・食塩・苦味-硫化水素泉 pH3.2(弱酸性)
②ニセコ湯本温泉 単純硫黄泉(硫化水素型)pH4.72(弱酸性)
③ニセコ昆布温泉 含重曹-食塩泉 pH6.32(中性)
④昆布川温泉   含重曹-食塩泉 pH8.2(弱アルカリ)
重曹とともに食塩の成分が加わるのは、グリーンタフの影響だと思われます。
<参考>
pH3未満は強酸性
pH3~6未満は弱酸性
pH6~7.5未満は中性
pH7.5~8.5未満は弱アルカリ性
pH8.5以上はアルカリ性

 グリーンタフ地域は、古い時代に海底火山活動があった地域です。現在の火山と重複する地域も多いのですが、火山性の温泉とは、ちょっと違う泉質になることがおわかりいただけると思います。

温泉の主な泉質について-2

2009年02月03日

■単純泉
 温泉水1kg中の成分が1gに満たないが、源泉温度が25℃以上あるものです。
⑦単純泉、アルカリ単純泉
 単純泉やアルカリ単純泉は、含まれる成分量が少ないのですが、名湯といわれる湯がたくさんあります。肌当たりが柔らかく刺激が少ないので、肌の弱い人や病後、湯治などに適しています。東大沼温泉・旅館留の湯(とめのゆ)、カルルス温泉、阿寒湖温泉、層雲峡温泉、温根湯温泉など。
 北見温泉・ポンユ三光荘はアルカリ単純泉で、肌が石けんをぬったようにツルツルします。

%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%A6%E4%B8%89%E5%85%89%E8%8D%98.jpg
ポンユ三光荘はアルカリ単純泉

⑧モール温泉
 植物成分が堆積した亜炭層や泥炭層からわき出る褐色の湯です。「美人の湯」として知られる十勝川温泉では「モール温泉」と呼んでいます。この有機成分にはフミン酸が含まれ、肌をしっとりさせる保湿効果がありますが、有機成分は泉質名に記されないため、主に単純泉やアルカリ単純泉に分類されています。しかし、場所によっては、食塩泉や重曹泉でこの有機成分を含むものもあります。
 こうした褐色の温泉は、帯広市周辺のほか、石狩低地帯の札幌市東部から苫小牧市周辺にかけて、また、道東の釧路湿原の周囲でも見られます。

%E3%81%AF%E3%81%AB%E3%82%85%E3%81%86%E3%81%AE%E5%AE%BF%E7%94%B7%E6%80%A7%E6%B5%B4%E5%AE%A4.jpg
十勝川温泉の湯は褐色のモール泉(はにゅうの宿)

●硫黄泉
⑨硫黄泉、硫化水素泉
 一般に硫黄泉と呼ばれるものには、硫黄のにおいの元である硫化水素を含むものと、含まないものがあります。新泉質名の場合は、最初の方に「含硫黄――」と記し、硫化水素を基準以上含むものなら、末尾に「――(硫化水素型)」と記述します。

例えば
 温泉情緒を醸し出す硫黄の香りがする、登別温泉・第一滝本館の「美肌の湯」は
 酸性-含硫黄-ナトリウム-硫酸塩泉(硫化水素型)(旧泉名:酸性硫化水素泉)です。

 また、温泉中の成分が1gより少ない場合は「単純硫黄泉」「単純硫化水素泉」「単純硫黄冷鉱泉」などと書かれています。冷鉱泉とは特殊成分を基準以上含む、源泉温度が25℃未満のものです。

 硫黄泉は殺菌力や解毒作用があり、ウルシかぶれや慢性皮膚病、切り傷に効くといわれます。また、硫化水素は皮膚から吸収されると毛細血管を拡張して血行をよくする働きがあり、動脈硬化症や高血圧症によいとされています。このように、湯治効果が高く人気がありますが、湯の刺激も強いので、肌の弱い人には注意が必要です。

%E5%A1%A9%E5%88%A5%E3%81%A4%E3%82%8B%E3%81%A4%E3%82%8B%E6%B8%A9%E6%B3%89%E7%94%B7%E6%80%A7%E5%86%85%E9%A2%A8%E5%91%82.JPG
塩別つるつる温泉は硫黄泉

 北見市留辺蘂の滝の湯温泉や塩別つるつる温泉は単純硫黄泉の代表格でpHが9.5もあるアルカリ性の湯です。湯につかると石けんをぬったように肌がツルツルします。
 登別温泉、ニセコ五色温泉、ニセコ湯本温泉、雌阿寒温泉などは酸性の硫化水素泉です。

 ただ注意があります。銀を硫化水素泉につけると真っ黒に変色するので、入浴の際はアクセサリー類は身に付けないでください。

%E9%9B%AA%E7%A7%A9%E7%88%B6%E3%81%AF%E7%A1%AB%E5%8C%96%E6%B0%B4%E7%B4%A0%E6%B3%89.jpg
ニセコ湯本温泉・雪秩父の男性露天風呂。手前の白濁した湯が硫化水素泉

●炭酸泉
⑩二酸化炭素泉
 二酸化炭素を含んでわき出てくる温泉です。二酸化炭素は皮膚から吸収され、毛細血管を拡張して血液の流れをよくします。高血圧や心臓病に効くとされています。湯の温度が高いとすぐに消え去ってしまいますので、新鮮なぬる湯でなければいけません。湯につかると、肌にびっしり気泡が付きます。
 積丹半島の先端にあるシララ温泉・温泉旅館北都(重曹泉)、蘭越町のニセコ薬師温泉(弱食塩泉)などがあります。ただ、これらの温泉の泉質名には、二酸化炭素の記述はありません。
 それは、「含二酸化炭素-」と泉質名に記載するには、温泉水1kg中に1グラムもの二酸化炭素が必要だからです。しかし、0.5gも含んでいれば、十分効能は期待できるという専門家もいるようです。ちなみに、シララ温泉・温泉旅館北都の二酸化炭素量は0.6525gです。残念ながらニセコ薬師温泉の場合は温泉分析書が古くて記載がなく不明です。道内には、まだ、何カ所も二酸化炭素泉があるのですが、温泉水を循環・ろ過しているため、大切な二酸化炭素が抜けてしまっている施設もあるようです。

%E8%96%AC%E5%B8%AB%E6%B8%A9%E6%B3%89%E9%80%8F%E6%98%8E%E6%B9%AF%E3%81%AF%E7%82%AD%E9%85%B8%E6%B3%89.jpg
湯底から二酸化炭素と一緒にわき出る
ニセコ薬師温泉の透明湯

●ラジウム泉
⑪放射能泉
 通常、温泉水を分析する際には、空中に放出される放射性物質については調べないため、脱衣場などに掲示されている温泉分析書には記されていません。
 大量の放射線は遺伝子を傷つけ、ガンなどの重大な病気を引き起こしますが、「ホルミシス効果」といって、微量の放射線は免疫力や抗酸化機能を高め、健康や老化防止に役立つと言われています。
 ドイツやオーストリアではラドン浴が関節痛などの痛みの治療に利用され、顕著な効果を上げていますが、そのメカニズムはまだ解明されていないようです。

 地下にある岩石や鉱物の中には微量の天然放射性同位元素があります。ウランがラジウムに崩壊した後、ラドンに変わり、ラドンはラドンガスとして地殻の割れ目にそって移動し、温泉とともに地上に出てきます。
 γ(ガンマ)線を放出するラドンは、湯の中にはとどまらず空中に放出され、呼吸で人体に取り込まれます。
 鳥取県の三朝(みささ)温泉は「放射能泉」としてさまざまな効能があることで知られていますが、その放射線もラドンが放出するγ線です。

 北海道立地質研究所発行の「北海道立地質研究所報告第78号(2007年)」に掲載された論文「北海道の温泉ゆう出地から放出されるγ線」(秋田藤雄、柴田智朗)によると、道内の自然ゆう出の温泉地を中心に82カ所を調べた結果、γ線の値が一番高かったのは、根室管内中標津町の養老牛温泉で、二番目が後志管内島牧村のモッタ海岸温泉、三番目が十勝管内上士幌町の幌加温泉でした。モッタ海岸温泉は腰痛や骨折などのリハビリに効果が著しいという評判がありますが、放射線の効能なのでしょうか。

%E3%83%A2%E3%83%83%E3%82%BF%E6%B5%B7%E5%B2%B8%E6%B8%A9%E6%B3%89%E5%86%85%E9%A2%A8%E5%91%82.jpg
モッタ海岸温泉の男性浴室と露天風呂

 温泉分析書に記載される正式な泉質名は、温泉法に基づく環境省の「鉱泉分析法指針」による「療養泉」の基準を満たした「鉱泉」についてだけ付けることができます。その詳しい説明は別の機会にさせていただきたいと思います。

温泉の主な泉質について-1

2009年02月01日

 旅行が大好きというお嬢さんから「泉質ってどんなものがあるのですか? 泉質名が書かれていてもぴんとこないのです」という質問を受けました。
 まあ、例えば、「泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉(旧泉名:含石膏-芒硝泉)」なんて書かれていても、湯のイメージは浮かんでこないかもしれませんね。

%E6%86%A9%E3%81%84%E3%81%AE%E5%AE%B6%E3%83%BB%E3%81%8B%E3%82%84%E6%B2%BC.JPG
茅沼温泉・憩いの家かや沼は食塩泉

 泉質には、「食塩泉」とか「硫黄(いおう)泉」「重曹(じゅうそう)泉」などと昔から呼ばれているものと、脱衣場などに掲示されている「温泉分析書」に書かれている泉質名がありますが、温泉分析書に書かれたものには、旧泉名と新泉名があります。新泉名は、1977年から国際基準にあわせて、主成分の物質名を記述する方法で付けられるようになったもので、今後は、新泉名に統一されていきます。

 温泉法に基づく正式な泉質名は大変複雑で、環境省の「鉱泉分析指針」に示されているものだけでも60種類以上あり、現実には130種類を超えるともいわれています。同じ泉質名でも濃さは違いますし、主成分以外の含有成分に違いがあります。人の顔と同じで、温泉は千差万別、変化に富むものなのです。

 ここでは、見た目や、肌触りなどで違いがわかりやすい、典型的なものを11種類にまとめてみました。
 お湯の特徴がわかれば、それが濃かったり薄かったり、あるいは、ほかの成分が混ざっているだけのことですから、どんなお湯なのかイメージしやすくなりますね。

■塩類泉
 火山ガスや岩石、海水などの成分を溶かし込んで、温泉水1kg中に溶けている成分が1g以上あるものをいい、以下のようなものがあります。

●食塩泉
①ナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)
 道内でもおなじみの泉質で食塩の成分が溶けています。その塩分が、いまの海水か化石海水かなどによって、濃さもいろいろです。特に濃いものは「―――強塩泉」と記述されます。よく温まり「熱の湯」ともいわれます。定山渓温泉、虎杖浜(こじょうはま)温泉、釧路管内標茶町の茅沼(かやぬま)温泉など。長沼温泉や神恵内村のリフレッシュプラザ998などは強塩泉です。

%E3%83%AA%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B6998%E9%9C%B2%E5%A4%A9%E9%A2%A8%E5%91%82.jpg
海水より濃い、食塩泉のリフレッシュプラザ998の露天風呂

●重曹泉
②ナトリウム-炭酸水素塩泉(旧泉名:重曹泉)
 重曹成分が溶け込んでいて、肌がつるつる、すべすべになることから「美人の湯」とされています。支笏湖温泉や積丹半島先端にあるシララ温泉・温泉旅館北都などがあります。また、食塩が混ざった「ナトリウム-炭酸水素・塩化物泉」(旧泉名:含食塩-重曹泉)は豊平峡温泉など。

%E3%82%B7%E3%83%A9%E3%83%A9%E6%B8%A9%E6%B3%89%E3%83%BB%E5%8C%97%E9%83%BD.JPG
重曹泉のシララ温泉・温泉旅館北都

●硫酸塩泉
③ナトリウム-硫酸塩泉(旧泉名:芒硝泉=ぼうしょうせん)
 芒硝(硫酸ナトリウム)は市販入浴剤の主成分の一つで、湯の肌触りを柔らかくします。また、下剤の成分でもあるため、飲むと便秘に効きます。乙部温泉・光林荘は食塩も含みます。白金温泉はマグネシウムやカルシウムの成分を含んでいます。

%E4%B9%99%E9%83%A8%E6%B8%A9%E6%B3%89%E3%83%BB%E5%85%89%E6%9E%97%E8%8D%98%E3%81%AE%E7%94%B7%E6%80%A7%E5%86%85%E9%A2%A8%E5%91%82.jpg
乙部温泉・光林荘は芒硝泉

④カルシウム-硫酸塩泉(旧泉名:石膏線=せっこうせん)
 石膏成分には鎮静作用があり、切り傷ややけどにもいいといわれます。純粋な石膏泉は、きらきら光るほど透明できれいな湯で、肌当たりが柔らかく刺激が少ないため、湯治にも適しています。ニセコ新見温泉、雷電温泉など。

%E9%9B%B7%E9%9B%BB%E6%B8%A9%E6%B3%89%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E8%A6%B3%E5%85%89%E3%81%8B%E3%81%A8%E3%81%86.jpg
雷電温泉・ホテル観光かとうの石膏泉は輝くように透明

⑤マグネシウム-硫酸塩泉(旧泉名:正苦味泉=しょうくみせん、せいくみせん)
 全国的にみても数少ない名湯といわれる湯です。口に含むと苦い味がします。高血圧、動脈硬化、肥満などに効くといわれます。旭岳温泉・湧駒荘の湯は、ナトリウムやカルシウムも含みます。

%E6%B9%A7%E9%A7%92%E8%8D%98%E3%83%A6%E3%82%B3%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B9%AF.JPG
正苦味泉がある旭岳温泉・湧駒荘のユコマンの湯

⑥酸性-アルミニウム・鉄Ⅱ-硫酸塩泉(旧泉名:酸性明バン・緑バン泉=さんせいみょうばん・りょくばんせん)

%E5%87%8C%E9%9B%B2%E9%96%A3%E7%94%B7%E6%80%A7%E9%9C%B2%E5%A4%A9%E9%A2%A8%E5%91%82.jpg
鉄分の多い酸性緑バン泉の十勝岳温泉凌雲閣の男性露天風呂

 火口に近い所からわく酸性の湯で、硫酸アルミニウムは明バン、硫酸鉄Ⅱは緑バンといいます。さまざまな効能があるのですが、刺激が強いので肌の弱い人は避けた方がいい場合があります。恵山温泉や十勝岳温泉・凌雲閣、川湯温泉は食塩や硫化水素も含み酸性度が強い湯です。(つづく)

プロフィール

プロフィール

青木和宏
1954年北海道滝川市生まれ。フリーライター兼編集者、報道カメラマン。85年から内戦のアフガニスタンなどを取材。88年から北海道新聞社出版局「道新Today」編集部スタッフ。2003年からフリー。編集プロダクション「オフィスAWO(あを)」代表

ブログ内検索

カテゴリー

最近のエントリー

バックナンバー

コメント

トラックバック