大樹町・晩成温泉─ヨウ素が高濃度、赤褐色の湯
2008年02月25日
冬の釧路湿原・タンチョウと温泉の旅からの帰路、十勝管内大樹町の晩成(ばんせい)温泉(大樹町晩成、電話01558-7-8159)に立ち寄りました。十勝川が太平洋に流れ出る河口から、直線距離で23キロほど襟裳岬寄りの海岸にあります。
海からの日の出を見ることができる温泉として、12月に紹介しましたが、ここの湯にはめずらしい特徴があります。高濃度のヨード(ヨウ素)を含んでいるのです。
ヨードというと、年長の方は消毒薬のヨードチンキを連想されるのではないでしょうか。あるいは、うがい薬や、咽頭(いんとう)に塗るルゴール液でしょうか。いずれにしても赤褐色のイメージですね。
晩成温泉の湯は写真のように、まさに赤褐色です。でも、ヨードチンキのような強い香りはありません。わずかに何かのにおいはあるのですが、私の鼻が利かないのか、よくわかりませんでした。湯は、循環利用しているので飲むことはできませんが、かなりしょっぱい味がします。
ヨード分を示すヨウ素イオンは、地下水1キログラム中10ミリグラムを超えれば高濃度とされ、晩成温泉の12.2ミリグラムは、温泉としては全国的にみても極めて高い数値だそうです。殺菌作用や疲労回復効果が期待されるそうで、療養利用についての研究が待たれます。
晩成温泉の泉質はナトリウム-塩化物泉(旧泉名:食塩泉)で、温泉水1キログラム中の蒸発残留成分が9.6グラムもある濃い温泉です。食塩泉ですが、肌がつるつになる重曹成分も多く含んでいます。
ゆう出量は毎分310リットルと豊富ですが、源泉温度が18℃と低いため、加温し、循環ろ過・殺菌をして利用しています。
晩成温泉は内風呂だけですが、大浴槽と高温風呂、サウナや打たせ湯もあります。赤褐色の透明な湯は肌当たりが柔らかく、よく温まります。
露天風呂はありませんが、デッキに出て、目の前の太平洋を眺めながら涼むことができます。
ただ、この日は寒すぎるので外に出るのはやめました。
なお、今回使用した温泉分析書のデータは、2005年4月28日に、東京の(財)中央温泉研究所が分析したものです。1995年に道立衛生研究所が分析した際には、ヨウ素イオンは15.6ミリグラムでしたから、数値は少し下がっています。
現在、ヨウ素は、天然ガスやチリ硝石、石油などの副産物から工業的に生産されています。日本はヨウ素の輸出国で、世界第2位の生産量を誇ります。最大の生産量地は千葉県で、次が新潟県です。当然、これらの県にはヨウ素を含む温泉があります。
